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羽生結弦選手が奏でる祈りの輪舞(ロンド)【RE_PRAY考察】



「RE_PRAY」のフィナーレを飾る曲が何故「序奏とロンド・カプリチオーソ」なのか、私はずっと疑問に思っていました。


「ロンカプ」は「GIFT」の第一部のクライマックスで演じられました。
その時は、北京オリンピックでの落とし物をファンの前で拾い上げてくれるという大変重要な役割を果たしていたと思うのですが、
「RE_PRAY」におけるこのプログラムの役割とは一体何だったのか?

それが、ピアニスト清塚信也さんが先日あげてくれたInstagramの投稿を読んだ時になんとなく分かった気がしました。



魂の祈りが天に届いたら、輪舞(ロンド)ですね。
というゆづちゃんと交わした言葉が心に響きます。

https://www.instagram.com/p/C3pf_0RBh4B/?igsh=NWN5N2F0enFhdzVm


ああそうか、そういうことかもしれない…。

私の心の中のパズルのピースがピタリとはまりました。


清塚さんの言う「輪舞(ロンド)」の意味とは、2つあると私は考えています。

1つは、音楽の形式である「ロンド」。
ロンド形式は「繰り返し演奏する」という意味があります。

繰り返し演奏する。
これは、繰り返し遊ぶ、ゲームをやり直すという意味の「REPLAY」にも
祈り続ける、繰り返し祈るという意味の「REPRAY」にも繋がりますね。

もう1つは、輪舞=「輪になって踊ること」。
手と手を取り合って輪になって踊るために作られた曲。輪舞曲というのはそんなニュアンスがあると思います。

くるくる廻り循環していく。
生命(いのち)が星へと巡るように
また次の誰かへと想いが繋がっていく。

「RE_PRAY」本編で春ちゃんの祈りの後に語られたメッセージを元に、上記のようなイメージが私の中で浮かび上がります。



魂の祈りが天に届いたら、輪舞になる…。

「序奏とロンド・カプリチオーソ」は、
2021年の全日本選手権で初お披露目され音楽の解釈10点満点をたたき出した、スケート界の歴史に残る芸術作品だと思います。

そんな作品が、この「RE_PRAY」というアイスストーリーの中で新しい意味を持った作品として生まれ変わっている。

そこにも、「魂の循環」「巡る生命」といったテーマを感じることができるのです。

あまりに辻褄が合う選曲です。
「RE_PRAY」のフィナーレを飾る曲としてロンカプが選ばれたのは必然だったのかもしれない。

という事まで妄想してしまい、
感動を通り越して放心状態となりました(勝手に笑)。


羽生選手が生み出したICE STORYとは、一体どこまで考え尽くされてるのだろうと思います。

羽生選手の頭の中ってどうなっているんだろう。
もはや彼は「五輪連覇した金メダリスト」という肩書をも超越している気がします。
存在が唯一無二すぎる…!

ただスケートがうまいだけじゃない。
ただ人柄がいいだけじゃない。
物語を作る才能もあって、
その物語を観客にきちんと伝えられる構成力、プロデュース力も半端なくあるんですよ。

…もう完敗です。負けました。
何に負けたのかよく分からないけれどもう四の五の言わず更に羽生沼にハマっていくしかないですね…ブクブクブク…。


先程書いた「輪舞」の意味のところで「輪になって踊ること」と書きました。

私は更にもうひとつの意味もあるなぁと思っていて。

それは、「羽生選手に関わる全ての人々が、手を繋ぎ輪になって踊っている」というイメージです。


…すみません。本当に頭のおかしな妄想かもしれません笑


でも想像してみてほしいです。

羽生選手がゲーム音楽を使って滑ることで、ゲームファンの方たちがスケートに興味を持ってくれた。
逆にゲームに疎い羽生ファンが、ゲームファンの方々の考察を見て勉強したり、実際にゲームをやり始める人もいた。

佐賀公演の時には現地の方々があたたかく迎え入れてくれて、
羽生ファンもたくさん観光して現地にお金を落とした。

海外のファンが大勢日本に来てくれたり、各国で催されたライブビューイングで視聴してショーを一緒に楽しんだ。

いくつか例としてあげてみましたが、他にもたくさんの微笑ましい心の交流があったと思うのです。

「RE_PRAY」をきっかけに、それまで知らなかった者同士が繫がって、お互いをリスペクトしつつ広がった世界が確かに存在していました。


それは、「あたたかい世界」です。

羽生選手という存在があるからこそ生まれる世界。

そこには争いなんてない。

生きることの喜びをお互いに讃え合い、
手を取り合って皆で踊る世界が見える気がします。

一人ひとりの魂の祈りが天に届いて、争いや悲しみのない世界がいつか訪れたら…。

「RE_PRAY」本編のエンディング、エストポリス伝記IIの曲が流れて世界地図が現れるシーンは、そんな願いも込められているんじゃないかなとも思いました。

羽生選手のスケートを見て感動する。美しいと思う。
そこに人種や国境なんて存在しません。

「RE_PRAY」とは、地球上全ての生命に向けた、
羽生結弦選手だけが奏でることのできる人生讃歌。



清塚さんがInstagramで仰っていたように、羽生選手は自身のスケートによって世界を救いたいと思っているのかもしれません。

いや、御本人はそこまでは思っていないのかもしれないけれど、
思わず清塚さんが「生きて帰ってきてね」と声をかけずにはいられないほど、
羽生選手は命を賭けて世界に「RE_PRAY」を届けてくれたことに間違いはないです。

そんな事ができるのは、羽生選手しかいない。

だけど、羽生選手には旅の仲間がたくさんいることを忘れないでほしいです。

孤独な勇者の戦いを支えたいと思うファンは、世界中にたくさんいます。


清塚さんの投稿を見てここまで壮大なことを考えてしまうのは私だけかもしれません笑
あくまで私個人の感想です。

でも、今まで何回も見てきた「RE_PRAY」の感想として自分の中でとてもしっくりくる気持ちだったので、書いてみました。


何かを「好きだ」と思うこと。
大切だと思うこと。
この感情は、全ての人々に与えられたGIFT。

なんて素晴らしいことなのでしょう。


羽生選手を見ていると、そんなことに気付かされます。

これからもこの気持ちを大切にしていきたいです。


埼玉の2日間と横浜の大楽、通算3回現地に行き、
佐賀は映画館で見た私の「RE_PRAY」ツアー。
それぞれの公演に忘れられない思い出がたくさんあります。
全て私の宝物です。

ストーリーの中でまだまだ解けないパズルがたくさんあります。
自分の中で解釈しきれてない事もたくさんあります。
それは、今後発売される攻略本で解き明かされるのかな。

攻略本で明らかになる内容は、自分が思っていた解釈とまるで違うかもしれない。

でもそれでもいいんです。
自分で考察することが楽しいし、
攻略本を読んで答え合わせをすることもきっと楽しい。

攻略本が発売されるまでは、
物語の内容をああでもないこうでもないと
頭の中で繰り返し考えつつ、
何度も「RE_PRAY」をリプレイして、
また羽生選手が次に披露してくれるスケートを待ちたいと思います。

次は、notte stellataですね。
どんなスケートを披露してくれるのか。特別ゲストの大地真央さんとどんなショーを展開してくれるのか。とても楽しみです。

羽生選手、どんな時でも応援しています。
怪我なく無事に、次の公演も大成功しますように。



終わります。

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