君に唄う

五月(さつき)の風は肌寒く
木々の緑も凍えてる
息を潜めた街並に
街路樹だけが凛と立つ

見上げた空の表情は
自分の心に比例する
光は何処にも見当たらず
泣くに泣けない空の夜

闇の深さは限りなく
夜の深さも限りない
悲し悲しと叫んでみても
君の空まで届かない

君に唄うは恋の唄
今宵いかほど届けよう
君に唄うは恋の唄
胸を溢れるこの想い

五月(さつき)の月は揺らめいて
儚いものを包み込む
突き刺すような静けさに
呑み込まれていくこの心

巡る想いに蓋をして
今宵ここまできたけれど
立ち止まり深く呼吸(いき)すれば
輝き放つ月の夜

闇は光を映しだし
夜は朝を連れてくる
恋し恋しと叫んでみれば
見える君へと続く空

君に唄うは恋の唄
今宵いかほど届けよう
君に唄うは恋の唄
心張り裂くこの想い

君に唄うは恋の唄
今宵いかほど届けよう
君に唄うは恋の唄
胸を溢れるこの想い

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