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多摩川の生き物とヒト その171 水系 多摩川自然観察会 日野右岸から日野用水堰を通り、拝島橋左岸へ。”23/12/17

多摩川の自然を守る会主催の自然観察会が12月17日、行われた。今回は日野から拝島までの右岸を歩く。こここそ、秘境だという事。
坂の途中にある日野駅に集合。参加者6名。駅前の鯛焼きさんがシュークリーム屋さんに変わっていた。
甲州街道を渡り、脇道に入ると、目の前を用水が流れている。用水は駅の下を流れ、甲州街道直下で地下に潜っている。まさか、駅の利用者はこの下を用水が流れているとは知らないだろう。
下り本線築堤沿いに進む。センニンソウがまだ、咲いていて、花盛りだった。今年は暑いと思ったら、急に冷え、また、今日のように暖かくなるので、植物も季節を感じるのが大変なのだろう。マルバアメリカアサガオがきれいに紫の花を着けている。離れた所にはホシアサガオみたいなアサガオもあった。ホシアサガオよりも、花が大きく、内側にかわいい薄いピンクの印もある。また、種不明のSPを捜す喜びを得た。

日野駅下を流れる用水。カナダモ等を採る川さらいをした跡がある。
用水脇に生えていたカラムシに似たもの。
中央本線下り線の築堤にあったセンニソウ。南に面しているなど、暖かい事もあるが、11月まで暖かったりと、気候が変動している事も原因だろう。
ホシアサガオみたいなアサガオ。
ピンクも入っていて、きれいな朝顔。花はホシアサガオよりも大きい。セイヨウヒルガオかと思う。

住宅と築堤の間を抜ける。人一人ぐらいの幅しかない。すれ違う時、お互いにあいさつして通る良い関係の道になっている。この先も、立体交差を渡っていく細い道もあった。高さは電車と同じくらいで、電車や貨物が来れば、面白かったが、そうは問屋が卸さなかった。
また、用水に出た。用水沿いには、粗末な板を渡したり、そうかと思えば、コンクリートの橋を作り、駐車所も兼ねるなど、用水の使い方が佇む家により、違うのも面白い。
多摩川に出た。中央本線鉄橋ではもう、補強工事などが始まっていた。白く塗られたレンガの鉄橋と新しい鉄橋は形も含め、違いがよくわかる。築堤の橋台もレンガを積んでいて、端は石積みで出来ていた。
中央本線をくぐると、雄大な景色が広がっている。前方に大岳山、右に視野を移すと、右側の稜線が削られ、下がっている武甲山が見えている。送電線も無く、本当に山並みがよく見えている。

無数の用水が流れている。脇に植えられたヒガンバナやスイセン。スイセンはもう、花を着けている。
家々によって違う用水の渡り方。ここは板。大丈夫かな。
中央本線の鉄橋。右のレンガで出来ているのは作られてから、開業以来、134年たっている。
日野煉瓦という地元の煉瓦工場によって作られたレンガでできている橋台。
中央が大岳山。
谷地川も合流し、幅広い河川敷を作っている。

川面ではお尻が黒いオカヨシガモの群れがいた。黒いので、わかったが、体の一部はまだ、羽が抜け替わっていないエクリプスだった。その上流にはハシビロガモがいた。さらに、その上には、口ばしが黄色いマガモの中に首の緑の光沢が美しいヨシガモが混じっていた。
川幅が広く、雄大な景色の中を進んでいく。東光寺グラウンド前の河川敷ではケヤキが完全に紅葉しないで、茶色のままになっていたり、マユミが実を着けていないが、きれいに紅葉したりと、樹々の様子がよくわかる。

オオバンの群れ。多摩川では増えてきた。
谷地川との合流点。ダイサギなどが三紀層の地頭に休んでいる。
谷地川が蛇行し、合流する。
家の間から富士山も見えた。朝は吹雪いていた。
ケヤキが黄色く、紅葉しないで、葉が茶色くなっている。「今年はこのようなケヤキが多い」と、会員の方が言っていた。
キヅタ。常緑樹で、フユヅタとも言う。
冬は木などに絡まっている植物がよく、見える。
やぶの中に何やら白いものが。日向ぼっこをしていた猫だった。他に、見張り?をしていた猫もいた。

チュウヒが上空を舞う。
谷地川をさかのぼり、橋を渡り、また、下っていく。この辺は二子新地とともに礫間浄化施設があった所。谷地川にゴムの堰を使って、水を取り入れ、石の間を通して水をきれいにしていた。谷地川の水質が改善された事もあり、見学用の眺望塔を残し、その施設は廃止になった。
生態系保持空間に指定されているススキ原などになっている広い多摩川が見渡せられる堤防に出た。

キイロスズメバチの巣がある。冬は巣が良く、見える。
多摩大橋下流の右岸で。遠くに大岳山が見える。
公園で。赤い物は何かと話題になった。
モミジバフウだった。
紅葉も美しい、北アメリカ原産の樹。
陽だまりに咲いていたカントウタンポポ。
死に真似ではなく、踏まれたのか、ナナホシテントウ。


多摩大橋のアーチの中に武甲山が入っている。

八王子水再生センターからの排水口には、白と黒のツートンがきれいなセグロセキレイや黄色が美しいキセキレイがいた。
粟ノ須みどりの広場では植えられているモミジバフウの紅葉がきれいだった。クンショウモみたいな実を捜したが、あまり、無かった。誰かが採ってしまうのだろうか。それとも、実らないのか。
多摩大橋の下をくぐる。トイレがある八王子水再生センター近くの堤防で昼食。会の今後などを昼休みに話し合った。
中央線とは違い、電車の間隔が長い八高線の鉄橋をくぐる。対岸の中洲では黄色く色づいたコゴメヤナギと思うヤナギが見える。昔、岸近くにあった牧場には牛達がいたが、もう、人も含め、見えなくなっていた。
雄大な日野用水堰に出る。中洲付近ではコガモヒドリガモが群れ、ク!とオオバンがかわいい声で鳴いていた。遠くでは、目立つ白い姿をしたカンムリカイツブリがいた。この中洲ではヒトが入らず、自然のままの姿がある。
崖沿いを歩く。蛇行して来た川が向かってきて、曲がっている。河川敷も広く、今までにはない景色。畑のそばを歩いていると、道が消えそうな感じになる。いよいよ、秘境に入る。

八高線を望む。
コゴメヤナギかと思う。八高線上流で。
日野用水堰付近で。オオバンやヒドリガモがいる。

すると、下っていき、木々の間を縫っていく道に変わる。滝山台団地の排水口を渡り、薄暗く、下に降りた事から少し、寒くなって来ている。この場所を一人で歩くのは勇気がいると思う。そうこうするうちに、自転車の二人ずれと出会った。まさか、ここで、自転車屋さんと会うとは思っていなかった。「どうして、この道を知っているのか」などをもっと聞いておけばよかったと思う。イノシシが掘ったと思われる跡やドバトが襲われ、羽が飛び散っていたりと、見どころはいろいろ。丘陵からの用水を渡ったら、森から出た。目の前は昭島市の元養護施設で、塀に囲まれ、草がボウボウで、花壇などの施設の一部も残っていて、不気味。

おそらく、イノシシが掘った跡。
ドバトの羽が散っている。タカかイタチか。
崖沿いの湧水を集めた用水。意外と、魚がいる。

昭島市清掃センターを抜け、拝島橋へ。ここも、川幅が広く、河川敷も広い。河川敷ではマウンドみたいなサークルもあり、何のためかと思う。拝島排水では流れてくる水が無く、以前、流れていた跡が残っている。
休日でも、車が多い16号沿いを通り、帰りはバスで帰った。

ニワウルシの果実。これから、果実が飛び散る。
拝島橋にあったタイル。
拝島排水口。水門が開いているが、水はない。
水門から流れてきた水の跡。

素晴らしく、広大な景観がある拝島からの右岸下流はまた、春などの違った季節に訪れると、異なった装いを見せてくれるだろう。
約8㎞を歩き、もう、夕暮れも近かった。

バス停近くにあった、おそらくメジロの巣。木はハナミズキ。


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