受け継がれる江戸しぐさ
こんにちは、Yu+です。
今回は「江戸しぐさ」というお話を紹介します。
今から約400年前。
江戸も今の東京のように栄えていました。
江戸に住む人たちがお互いに住みやすくするため、様々な工夫しました。
それが江戸しぐさです。
仕草と書くしぐさではありません。
心や思いが入るので思草と書くそうです。
江戸しぐさ。具体的にはいかのようなものがあります。
「傘かしげ」
雨の日、自分の傘から落ちる雨ですれ違う相手をぬらしたりしないように、
お互いに傘を人のいない外側に斜めにかたむけて、すれ違うことです。
ぬれた傘を家の中にもちこんだりしないというのも、
今に通じる雨の日のエチケットです。
「七三歩き」
道路を歩くとき、自分は道の三つ分(3割)を歩き、
道の七つ分(7割)を急ぐ人や荷物を運ぶ車のためにあけておくことです。
先日道路を歩いていると、
おしゃべりをしながら道一杯に広がって歩く人とすれ違いに苦労しました。
「うかつあやまり」
足を踏まれたとき、踏んだ方はもちろん謝ります。
踏まれた方も「こちらこそついうっかりしていました。」と一言話し、
その場の雰囲気を良くするしぐさです。
「こぶし腰浮かせ」
座っている時に誰かが来たら、みんながこぶし一つ腰をうかせてつめて、
その人も座れるようにすることです。
電車の中をみると、気を遣いながら座っているため、ひとつずつあけながら座っている様子を見かけます。
つめて座るスペースを作るためには、こぶし一つ分腰を浮かせてつめると、
一人が座れる空間ができます。
他にも多くの『江戸しぐさ』があります。
江戸しぐさは、江戸に暮らす人々の他の人に対する
「思いやり」や「心遣い」であふれています。
大切なことは、自分さえよければいいという身勝手な考えでなく、
「他の人を思いやり、さりげない心遣いを大切にして常に行動をしよう」
ということです。
「江戸しぐさ」をさりげなくできる人が、
江戸では「いき(意気)な人」(粋とは少し違います。)と言われています。
逆に「江戸しぐさ」を身に付けていない人は「野暮」と見られています。
朝、仕事場の玄関に入りかけていた私に対し、
先に入った同僚が玄関に入るまでさりげなくドアを押さえてくれました。
これも素敵な江戸しぐさ。
優しさは、昔も今もずっと続いていると思います。
江戸しぐさが日本しぐさになり、
世界しぐさになれば、ますますあったかい世界になると思います。
これも受け継がれる伝統的な思いとして、大切にしていきたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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