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石進化の不可逆性ーアニポケ新無印第98話感想よりー

※画像は全てポケモン公式YouTubeチャンネル からの引用となります。
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

〇概要

今日のアニポケはイーブイの進化の中でも初代組が主役でしたね。今回の大テーマは「進化させた後のトレーナーとの関係」あたりでしょうが、個人的には「石進化の不可逆性」がキーになっていたように思います。

〇石進化の不可逆性

「石進化」は基本的にその石に触れた時点で、本人(ポケモン)の意思に関係なく進化が行われてしまいます。新無印のライチュウ回でもかみなりの石から逃げ惑うピカチュウの姿が描かれました。トレーナーがいるポケモンにとって「石進化」は進化の決定権を完全にトレーナーに委ねることになります。

〇なつき進化

ブイズで石進化は初代組と(現在では)シンオウ組で、他のブイズは追加条件は異なりますが「なつき進化」となります。なつき進化の場合、進化の決定権はポケモン側にあります。よってストーリーの軸も自然と進化をする過程に置かれます。(前回のハルヒのエフィブラもそう)

〇石進化をストーリーに組み込む難しさ

しかし、石進化の場合進化の過程をストーリーにするのは難しいです。
新無印の63話ではカイリのイーブイがシャワーズに進化する過程をコハルに説明していましたが、ここでカイリがシャワーズへの進化がイーブイにとって「自然なこと」と表現していたのは逆説的に石進化の不可逆性を浮彫にしています。トレーナとポケモンの両者の合意がとれればいいですが、一歩掛け違うと悲劇になってしまいます。

そういう意味では今回は挑戦的な試みであったといえます。
しかし、コハルのブイズ巡りのフォーマットから考えるとトレーナーとブイズの描かれ方が不十分な印象です。石進化をさせるトレーナー(ビリーとホノカ)の尊大さがクローズアップされたことでカレン(サンダーズ)とライム(ブースター)それぞれの魅力は背景化してしまいました。

細かい演出でカレンは甘えん坊、ライムはぶっきらぼうな性格だと察せられましたが、その性格が特にサーカスのパフォーマンスに影響しているようには思えません。お互いに助け合って自分たちが輝く道を見つけたのはすばらしいと思いますが、お互いが反対の性格でも成立してしまうような気がします。

〇コハルの役回り

また、コハルの役回りもかなり微妙なところです。
Aパート終わりの「進化してもトレーナーとの関係は一緒のほうがいい」という思いは、EDまで特に変質していません。これはコハルの意識の高さもありますが、ビリーとホノカが物語の展開にほとんど関わってこなかったことを意味するでしょう。

〇総評

総評として「やっぱり石進化は難しい」が結論です。
イーブイ四兄弟から今日に至るまで石進化エピには「ポケモンの意思を大事にしよう」以上の主題はありません。トレーナーとポケモンの関係に焦点を当てるなら、なつき進化のほうがやりやすい。そういう意味でも最後のニンフィア回がどうなるか楽しみですね。

〇追伸

そういえば大事なことに触れてなかったですが、イーブイのまねっこ能力が進化してたのが印象的でしたね。器用すぎて能力者バトルの後半にでてくる敵みたいな感じでしたが笑
いつかイーブイが「まねっこ」を脱する日がくるのか、それともその個性を伸ばしつづけるのかにも注目です。

〇追伸2

ストーリーに関係ないですが、カレンの作画に違和感があったのは自分だけでしょうか笑 シュッとしてる公式絵のイメージが固定化しているのか…。これはこれでかわいいですけどね!





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