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【飲みすぎはよくない?】潰瘍性大腸炎のステロイド治療のメリットデメリットを解説。

・潰瘍性大腸炎だけど、ステロイドは体に良くないって聞くけど本当?
・ステロイド治療をしているけど、副作用が心配。
こんな方はおられませんか?

潰瘍性大腸炎の治療には、
ステロイド(副腎皮質ホルモン)という薬が使われることが多いですが、
その危険性を認識しておかないと徐々に薬が効かなくなったり、
ステロイドから離脱できなくなってしまうかもしれません。

今回は、潰瘍性大腸炎歴3年で
現在ステロイドなしで10ヶ月寛解している僕が、
潰瘍性大腸炎のステロイド治療のメリットデメリットを解説していきます。

今回の記事を読めば、
潰瘍性大腸炎患者さんのステロイドとの向き合い方について
考えることができます。

それでは見ていきましょう。

※この記事はあくまで個人の意見を述べているものです。
 治療に関して責任は取れませんのでよろしくお願いします。


★ステロイドってなに?

ステロイドとは、副腎(両方の腎臓の上端にあります)から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われています。副作用も多いため、注意が必要な薬です。

ステロイド治療|東京女子医科大学病院 腎臓内科 (twmu.ac.jp)

人間は、体に炎症が起きた時に副腎皮質ホルモンという物質を出します。
この副腎皮質ホルモンは体の中に起こった炎症を止めてくれるのです。

なので潰瘍性大腸炎の炎症が治まらないときに、
体の中で作られる副腎皮質ホルモンに追加するという感じで、
ステロイドを服用します。

炎症を急激に収めることができる薬です。

★ステロイド治療のメリット

〇即効性があり、短時間で症状を改善できる。

ステロイド治療の良いところはなんといっても、
強力な抗炎症作用で、
症状を短時間で改善できることです。

僕も潰瘍性大腸炎の渋り腹と粘血便で苦しんでいたのに、
レクタブルというステロイドを入れることで、とても楽になりました。

1週間ほどで血便や粘液などの症状がなくなり、調子が良くなりました。
ステロイドの即効性恐るべし(笑)

★ステロイド治療のデメリット

ステロイドにはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
ただ潰瘍性大腸炎の治療で使われるステロイドは、
飲み薬もあれば注腸剤などもありいろいろな形があります。
ここでは主にステロイドの飲み薬のデメリットを紹介します。

①副作用が多い。

ステロイドの副作用は数多くあります。

ステロイドの副作用

有名なところだと、ムーンフェイスが良く聞きますね。
顔が満月のように膨れて丸くなってしまう副作用です。

僕はX(旧Twitter)で潰瘍性大腸炎のステロイド治療をしていた方の話を
よく見かけますが、食欲増進は良く聞きます。

こんな風に見るとステロイドの副作用はとても多いですね。

副作用には個人差がありますが、ステロイドは強い抗炎症作用があるので、
その分体に負荷がかかるんですね。

②総投与量10,000mgに近づくと、重篤な副作用リスクが高まる。

ステロイドを長期的に使用すると、重篤な副作用のリスクが高まります。

不可逆的な副作用である白内障、大腿骨頭壊死、胸・腰椎圧迫骨折は、ステロイド総投与量が7,000~10,000mgにかけて有意に増加していた。

_pdf (jst.go.jp)

重篤な副作用というのは、
白内障、大腿骨頭壊死、胸・頸椎圧迫骨折などです。

しかもこれらの副作用は不可逆的(元通りになることはない)なので、
注意が必要です。
ちなみに10,000mgというのは、
ステロイドを1日で40mg服用したとしたら、
250日で重篤な副作用の危険性があるということですね。

せっかく潰瘍性大腸炎の治療をしているのに、
それで他の病になってしまうと元も子もありません。

なので寛解をしたら少しずつステロイドの量を減らして、
ステロイドからの離脱を目指していきます。

これはとてもデリケートな作業らしく、
一気に減らしすぎたら再燃してしまいます。

③寛解維持薬として使えない。


上でも言ったようにステロイドには多くの副作用があり、
そして生涯で使用できる量の目安も決まっているので、
潰瘍性大腸炎の寛解導入には使うことは効果的ですが、
寛解維持薬として長い間使うことはできません。


大体活動期に1か月ほど使用し、それからどうするかを決めていきます。

そしてステロイドは症状を抑えているだけなので、
根本的な治療にはなっていません。

なので急性期で炎症を抑えないとまずいという状況の時に使います。

少し余談ですが、僕はテニスをしていてテニス肘になったことがあります。
その時に肘の炎症を抑えるために、ステロイドの注射を打ちました。
注射を打った直後は、痛みがなくなりとても快適なのですが、
1ヶ月ほどするとまた痛みが出てきました。
そしてまた注射を打ちました。
またすぐに良くなるのですが、炎症を抑えているだけなので、
ステロイドの効果が失われてくると、
再発をしました。

このことからもステロイドは対症療法に過ぎないことが分かります。

★潰瘍性大腸炎に対するステロイド治療

①経口ステロイド(プレドニゾロン)


いわゆるこれは「プレドニン」と言われるものです。
口から飲むステロイドの薬です。
なので全身の炎症を抑制する効果がありますが、
その分で副作用も全身に出ることが多いです。

ただ効果が出るのが早く、重症の方にも使えます。
僕は、重症ではなく軽症~中等症だったのでこの薬は使っていません。

しかし、経口ステロイドは副作用も多いし、
依存性もあるので、
なるべくなら使いたくないと思っています。

②レクタブル


「レクタブル」は、おしりから直接腸に薬を入れるものです。

炎症が起きている大腸に直接ステロイドを届かせることができるので、
効果が出るのは早く、そして副作用も経口ステロイドよりも少ないです。

僕は、この「レクタブル」を再燃したときのために家に常備しています。
再燃した時これを使えば、
約一週間で渋り腹や粘血便を抑えることができます。

ただおしりから泡を入れないといけないので、あまり好きではないですし、
けっこうめんどくさいです。

③コレチメント

「コレチメント」は2023年9月から承認された新しいステロイドの薬です。

普通の経口ステロイド(プレドニン)では、
抗炎症作用が全身に対してあり、副作用もたくさんありました。

でも「コレチメント」は、ステロイドに特殊なコーティングをして、
大腸に到達してから溶け出すようになっています。

このおかげで副作用が比較的少なくて済みます。

飲み薬なのに「レクタブル」のように局所的に作用するので、
通称「飲むレクタブル」と呼ばれています。

僕はまだ使ったことはないですが、もし今度再燃するようなことがあれば、
使ってみてもいいかなと思っています。

④【表でまとめ】ステロイド治療


潰瘍性大腸炎に対するステロイド治療

★ステロイド治療をするなら、なるべく体に負担が少ない方法で、短期間で炎症を抑えよう。

ここまで見てきたようにステロイドには、
即効性と炎症を抑えることができる効果がある一方で、
少なからず副作用があることが分かりました。

なのでステロイドは症状が抑えられないときに、
なるべく短期間で一気に炎症を抑えるために使うのをおすすめします。

〇僕はレクタブルを使いました。気になる副作用は?

僕は潰瘍性大腸炎の炎症が抑えられなかったとき、
レクタブルを使い寛解することができました。

やはりステロイドだったので即効性があり、
すぐに症状が良くなりました。

僕は2週間程度でレクタブルの使用をやめることが多いので、
副作用も感じたことがありません。


経口ステロイドは、全身に作用するので副作用が出やすいですが、
レクタブルやコレチメントは、
局所的に作用するので副作用は少ないですね。

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