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1996年4月23日(火)《BN》

【冒険者組織本館:前野 諭子・雨宮 英利香】
「あ、番号ある」
「私もあった。良かったー」
 目の前の大きな掲示板に掲示されている番号の中に、自分の受験番号が書いてあるのを発見した前野 諭子が言葉を発し、その後で雨宮 英利香も自分の番号を見つけ、喜びの声を発した。ここは冒険者組織入り口前。特設された大きな掲示板に14期の1次試験合格者の受験番号が記載されている。先程から受験者らしい人たちが掲示板を確認に訪れて、一喜一憂している様子が伺える。これは冒険者組織試験の1つの風物詩ともなっているのだ。
「戦士だね」
「私も戦士。番号だけじゃわからないけど、どんな人たちが合格してるんだろうね」
 2人とも番号が戦士の場所に記載されており、これは第1希望に記載していた職業である。戦士は採用人数が15名で1次試験合格者は30名である。すなわち、ここから半分は2次試験で不合格となってしまうので、ここからが本番だと言っても過言ではない。ただ、テーブルに乗れたことは確かなので、後は合格に向けて努力をするだけである。
「どうしようか。せっかくだから冒険者組織のレストランで何か食べようか」
「良いねー。何か北食2階っていうレストランがあるらしいよ」
 この後何か食べに行こうと前野が提案し、雨宮が冒険者組織内にあるレストランについて調べていたことを口にする。この後2人は冒険者組織の南地区から北地区へ移動し、『北食2階』で食事を済ませた後、帰宅の途につくのであった。

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