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”どうせ、私には○○できない”を乗り越え、PMPを取得した話

Project Management Professional(以下、 PMP)という資格をご存じだろうか。
その名の通り、プロジェクト・マネジメントの体系的・専門的な知識があることを表す、米国の認定資格である。

同資格は、2023 年 6 月に日経転職版の「仕事や転職で使える資格ランキング」でMBA を抜いて、1位になったらしい。

私は昨年 9 月に同資格を取得することができた。

最初にPMPの取得を志したのは、もう10年近く前である。
きっかけは、当時私が担当していたプロジェクトで起きたコンフリクトである。両者の折り合いがつかず、あるメンバーが退職してしまうという事態が起きた。

プロジェクトは予定通り終結したものの、より良い方法があったのではないか?と色々調べているうちに、ビジネス上の課題を解決するためのマネジメント手法が、米国では実に様々開発されていることを知った。

尊敬していた社外の先輩が、当時はまだ珍しかった PMP ホルダーだったということもあり、私は心ひそかにPMP 取得を夢見ていたのである。

PMPの取得には、一般に約100時間程度の勉強時間が必要と言われる。
(試験を受けるためには、事前に35時間の公式研修を受ける必要がある。)

これを聞いて、さほど難しいことではないじゃないか、と思われる人も多いと思う。
しかし、ワーキングマザーとなり、日々の生活を送ることで精一杯だった私には、仕事以外に100 時間もの勉強時間を確保することは想像できず、「どうせ、私には出来ない」と端から諦めていた。

もちろん「100時間の勉強時間を確保するにはどうすればよいか?」を考えたことはある。
しかし、この問いに答えようとすると、”今の自分に足りていないもの”ばかりが目につき、俄然やる気を失った

「○○というハードルを越えなければ、成功できない」
日々を送るのに精いっぱいなのに、これ以上頑張れない。
結局、チャレンジする意欲を失い、見送ってきた。

ブレイク・スルーは「なぜ、“私には出来ない ”と思うのか?」という理由を探ることだった

その背景には、

  • 私がやりたいと思うことのために、子育てを手伝ってくれる人なんていない

  • 昔から飽きっぽく、何かの目標に向かって頑張り切れない

というようなマインドセットがあることに気づいた。

しかし、これらはいずれも、私の強い思い込みであることが、のちに明らかとなる。

例えば、「子育てを手伝ってくれる人はいない」についてだが、両親や夫へPMP受験について伝えると、意外にも「(できることは)協力するよ」と言ってくれた。
朝5時から子供が起きるまでの2時間、勉強している私の姿を見て、”本気(マジ)”が伝わったのだろう。夫が休日に子供を連れだしてくれたこともあった。

「飽きっぽく、頑張り切れない」というマインドセットは、思春期に、父から言われた一言に起因することがわかった。

夫や兄弟、友人に尋ねてみたところ、私は「コツコツやるタイプ」に見えるらしい。まさかの、父の評価と正反対。

自分が長年抱えてきた思い込みは、ある特定の、誰かの(ネガティブな)一言に起因していることに気づいた。

そして、最も効果的だったのは「私は、自分を信頼できないだろうか?」と自分に問い直すことだった。

私は、力強く”信頼できます!”と答えられるほどではないが、”自分を信頼できない”と答える気にはなれなかった。
きっと私だけでなく、多くの人が、何かを成し遂げてきた経験があるはずだ

こんな風に”どうせ、私には出来ない”というマインドブロックが外せるようになって来た頃、かつて一緒に働いていた先輩に偶然出会った。
聞けば、約1か月でPMPをスピード取得したという。
これも何かの縁だと感じ、その日のうちに、公式研修を申し込み、そこから約1か月半で、私もPMPを取得することができた

試験はオンラインで行われ、最後の問題を解き終わった瞬間に、画面上で合否が明かされる。
“Congratulations. You did it.” という言葉を見たとき、思わず、両手で力強 いガッツポーズをした。そして、少し涙ぐんだ。

単に合格して嬉しかったから、ではない。
“どうせ、私には出来ない。”という過去の自分を乗り越えられたことが、とても嬉しかったのだ。

資格を取ったからと言って、給料が上がるわけでも、劇的に仕事がこなせるようになるわけでもない。

しかし、自分への信頼度は増し、ご機嫌に日々を過ごせるようになった。
また、自分の興味への感度が高まり、様々なことにチャレンジしてみようと、前向きに過ごせるようになった。

もし、以前の私と同じように、何かを諦めている人がいたら、是非問いかけてほしい。

あなたは、本当にあなた自身のことを信頼できませんか?」と。

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