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【プレイ日記#2023 下半期】

2023年は僕にとってゲーム三昧の年であったように思う。
今まで気になっていたタイトルを片っ端からプレイしていき、終いには心からプレイしたいゲームがこれといって見つからない時期もあった程である。
酷暑というイレギュラーもあったが、概ね充実したゲームライフを過ごせたと思っている。

それはさておき、今年の締め括りとして2023年下半期に遊んだゲームをまとめてみた。

【超探偵事件簿 レインコード】

2023年10月プレイ開始
総プレイ時間:約50時間

【ストーリー】★★★★★ 5
【ゲームシステム】★★☆☆☆ 2
【キャラクター】★★★★★ 5
【音楽】★★★★★ 5
【総評】83点

名作『ダンガンロンパ』のスタッフたちが手掛ける「ダークファンタジー推理アクション」と銘打たれた本作は、記憶を失くした主人公・ユーマと、彼に憑りついた相棒役・死に神ちゃんが雨の降り続けるカナイ区で巻き起こる未解決事件の解決へと乗り出していくミステリー作品である。
また、カナイ区を統治しているアマテラス社の企てる陰謀を解き明かすために集められた、「探偵特殊能力」を持つ超探偵たちとの協力捜査も本作の魅力のひとつだ。
事件の発端から全ての真相が明かされるまでのシナリオは非常に巧みに練られており、ミステリー作品として高い水準に達していると評価していいだろう。

しかし、『ダンガンロンパ』シリーズのゲームデザインに固執するあまりか、システムの完成度は褒められたものではなかった。
全編通してのテンポの悪さ・面白いとは言い難い作業感の強いミニゲーム・フリーズと見紛うほどに長く頻繁に挟まれるローディングといったマイナス要素の数々は、本作の評価を大きく落とす要因になってしまっている。
本作はフルボイスでの収録となっているが、それもテンポの悪さに直結してしまっているのも残念だ。
魅力的なキャラクターや音楽は相変わらず素晴らしいので、次作があるのなら無理に『ダンガンロンパ』に寄せない方がいいのではと個人的に思う。

【フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~ DX】

2023年10月プレイ開始
総プレイ時間:約30時間

【ストーリー】★★★☆☆ 3
【ゲームシステム】★★☆☆☆ 2
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★★ 5
【総評】70点

本作は『ソフィーのアトリエ』に続く「不思議シリーズ」と呼ばれる作品たちの2作目に該当し、2016年に発売されたオリジナル版に各種DLCや追加要素を加えた完全版である。
ちなみにオリジナル版は致命的なバグが発生するらしく、今プレイするなら迷わずにこちらを遊ぶことが推奨されている。

外の世界に憧れる少女・フィリスは閉ざされた洞窟の街で暮らしていたが、とある出来事から外の世界に出ることを許され、生まれて初めて外の世界を旅することになる。
旅をしながら外の世界に触れていく中でフィリスは錬金術の才能を発揮し、「公認錬金術師」の試験を受けることを決め、試験会場である都市を目指して冒険していくのが物語の大きな目的のひとつとなっている。

本作はサブタイトルにある通り「旅」がテーマになっており、試験開始まで設けられた日数制限内で自由にマップの探索や素材の調達が可能だ。
広大なフィールドが自身の足で次々と開拓されていく感覚は、冒険が好きなプレイヤーにとっては堪らない体験になるだろう。
マップには至る所に「たき火」が存在し、ファストトラベルの際にはこのたき火が目印となり、また「アトリエ」となる。
日数制限こそ設けられているものの、かなり余裕のある作りになっているため、とんでもない寄り道でもしない限りゲームオーバーになることはないはずだ。

反面、「旅」を演出するために不便を強要されることが多く、あらゆるシステム面が粗削りとなっている印象を受け、プレイ中にかなりもどかしい思いをすることが多かった。
もし本作が『ブレスオブザワイルド』の発売後に開発されていたなら、もっと完成度の高いオープンワールドRPGに仕上がっていただろう。
フィールドなどの探索や、シリーズお馴染みの調合はとても面白いので非常に残念だ。
とにかくシステム面のマイナス要素がかなり強く、作り込みが足りないばかりに名作へなり損ねた作品という印象を抱いた。
ちなみにBGMは前作同様にハイクオリティであり、音楽面に関しての心配は一切いらないのは流石だ。
七拍子の戦闘曲「一撃の決意」など、戦闘曲はいずれも良曲揃いである。


【リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~ DX】

2023年11月プレイ開始
総プレイ時間:約55時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★★★★☆ 4
【キャラクター】★★★★★ 5
【音楽】★★★★★ 5
【総評】91点

上述した『フィリスのアトリエ』に続く「不思議シリーズ」と呼ばれる3作品目であり、本作にてシリーズは完結に至っている。
オリジナル版の発売は2017年であり、本作もDLCや新要素を追加した完全版である。
また、前作・前々作の主人公や重要キャラクターたちが登場するため、まさにシリーズの集大成と呼ぶに相応しい作品だ。

メルヴェイユという王都にて父親と共に小さなアトリエを経営している双子の姉妹・リディースールは、亡き母親との約束である「国一番のアトリエ」を目指していたが、経営事情は芳しくなかった。
ある日、ふとした事から「不思議な絵画」の世界に吸い込まれた二人は、その世界で採取できる素材を使えば高品質なアイテムを調合できることに気付き、都で行われるアトリエの評判を上げられる「アトリエランク制度」に参加することになる。

ストーリーはアトリエ作品特有の緩い雰囲気で進行していくのだが、本作に見られる大きな特徴として、コミカルなシーンが非常に多く描かれる点が挙げられる。
前作・前々作は、良く言えば毒気がない優しい・悪く言えば味気なく退屈なストーリーとも受け取れたが、愉快なギャグシーンが豊富に用意されている本作は物語の緩急のバランスが素晴らしく、全編通してストーリーを退屈せずに楽しむことができた。
当たり障りのない会話が少なくなったことで、キャラクターがより魅力的に見えるようになった点も大きい。

賛否両論の前作から不評の部分を極力取り除いたゲームシステムはシリーズ最高峰の完成度であり、やや古い作品であるにも関わらず、プレイ中ほとんど不便を感じさせなかった。
それは恒例の「調合」においても言え、ストーリー序盤こそ不自由に感じるが、新システムが出揃った頃には知恵熱でも出かねない奥深さをプレイヤーに味合わせてくれる。
少々残念だったのは「絵画世界」のミニマップが表示できない点や、スキップや早送り機能が無かった点ぐらいだろうか。

そして、もはや当然の如く本作の音楽もいつも通り素晴らしい。
主人公であるリディーを「紫陽花」、スールを「向日葵」としてイメージした戦闘BGMは操作するキャラクターによって曲調が変わるので、まったく違ったテイストを楽しむことが可能だ。
また、僕はあまりアトリエシリーズのオープニングテーマはあまり琴線に触れなかったが、本作の主題歌「クローマ」は一味違った。
双子の主人公ということでツインヴォーカルなのはまだ理解できるが、同一の曲内で二つのメロディーラインをそれぞれの歌手に歌わせる手法には度肝を抜かれてしまった。
それが見事に調和しているものだから驚きである。

シリーズを締め括るに相応しいストーリー・魅力的なキャラクターたち・かつてないほど賑やかになったミニイベントの数々・やり応え十分の調合システム・期待以上のBGMを誇る本作は、過去作の完全版でありながら僕が今まで遊んだ『アトリエシリーズ』の中で一番面白かったと言って差し支えない作品であった。


【ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション Vol.1】

2023年11月プレイ開始
総プレイ時間:約50時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★☆☆☆☆ 1
【キャラクター】★★★★★ 5
【音楽】★★★★☆ 4
【総評】70点

オリジナル版はなんと「ゲームボーイアドバンス」のソフトであり、初代『ロックマンエグゼ』の発売が2001年にまで遡るため、本作は実に20年以上の時を経て現行機へと移植された作品だ。
ちなみに僕は初代の発売当時10歳であり、初プレイも10歳である。

本作はパッケージ版とダウンロード版で仕様が若干異なっている。
パッケージ版は『ロックマンエグゼ』から『ロックマンエグゼ6』の全シリーズが収録されており、パッケージ版はVol.1とVol.2に分かれているので自分が遊びたいシリーズを選んで購入可能だ。
もちろん値段も変わってくる。
僕は『ロックマンエグゼ3』までしか遊んだことがなかったためVol.1のみを購入しプレイした。
そもそも「ロックマンエグゼシリーズ」は3で終了するシリーズのはずであり、後の4~6はやや人を選ぶ作品になっているらしいからだ。

ストーリーは当時の子供たちに向けられたライトな作風になっているが、まだネットが今ほど栄えていない時代に、まるで2023年――現代のようなネット社会を先駆けしたかのような世界観を見事に構築している。
しかし、20年前のゲームのシステムにケチをつけるのは非常にナンセンスではあるが、正直本作が名作に名を連ねているからと言って、今からプレイするのは個人的にあまりオススメできない。
当時から問題にはなっていたゲームバランスや頻繁に発生するおつかいイベントに改良は無く、またオートセーブにも対応していないからである。

あくまで当時プレイしていたプレイヤーが、昔を懐かしみながら遊ぶ作品であるというのが僕の見解である。
実際に既プレイの僕は、非常に満足して遊ぶことができた。
そして、20年以上昔に遊んだ作品なのに、案外記憶は残っているものなのだなとしみじみと思うのであった。
まだまだやり込み要素は残っており、少年時代はフルコンプしたものだが、残念ながら今の僕にはそれらを遊び切る気力は無い。

大人になるということは、悲しいものである。

【Stray】

2023年11月プレイ開始
総プレイ時間:約8時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★★★★★ 5
【キャラクター】★★★★★ 5
【音楽】★★★★★ 5
【総評】93点

「猫ゲー」としてゲーム業界に水星の如く登場した本作は、2022年にダウンロード版のみで発売されていたが、ついに今年パッケージ版が登場した。
猫を飼っている・猫を飼っていた人間には堪らない作品である。

主人公である猫が仲間とはぐれてしまい、SF感満載のロボットしかいない荒廃した街へと迷い込んだところから物語はスタートし、様々な人物と交流しながら街を脱出するのが本作の目的となる。
ボリュームこそ控えめだが、解放感の溢れるストーリーは遊び終わった後に一本の映画を見終わった時のような余韻を残してくれる。

そして、発売当時から話題になっていたが、狂気的なまでに作り込まれた様々な”猫”の仕草は圧巻の一言であり、視覚的にも操作感的にも愛くるしいことこの上ない。
また、猫だからこそ可能なアクションが謎解きやアスレチックへと巧妙に組み込まれており、普段遊んでいるゲームとは一味違った感覚が楽しめる。
フィールドマップの作り込みも細部まで行き届いており、プレイヤーの探索欲求を常に刺激してくる点も素晴らしい。
加えてBGMも良質であり、未来感の漂うミニマルミュージックがシームレスに街の雰囲気を演出してくれる。

本作は決して超大作という作品ではないが、全体を通してあらゆる点が非常に高い水準に仕上がっており、猫好きにもSF好きにも満足感をもたらす作品であることは間違いない。
しかし、ややホラー要素・グロテスク要素があるため、極端にそれらが苦手な人は注意が必要だ。

最後に余談だが、僕は犬派なので次はぜひ犬のゲームも開発して欲しい。

【マリーのアトリエ Remake ~ザールブルグの錬金術士~】

2023年12月プレイ開始
総プレイ時間:約10時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★★★☆☆ 3
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★★ 5
【総評】80点

本作は『アトリエシリーズ』の原点となる作品のリメイク作であり、シリーズ25周年を記念して発売された作品だ。
オリジナル版の発売は1997年であり、僕は当時6歳であるため当然原作は未プレイである。
また、奇しくも発売日が5月23日であり、まさかの僕の誕生日である。

主人公のマルローネ(愛称:マリー)は成績不振の落ちこぼれの生徒であり、留年を回避するために「5年間錬金術士のアトリエを維持しながら勉強をし、何か一つ高レベルのアイテムを作ること」という卒業試験を先生から課せられる。
プレイヤーは5年間という期限の中で、調合・採取・探索・戦闘などをこなしていき、様々な要素の達成率に応じてエンディングが変化するのが本作の特徴である。

アトリエらしい緩い雰囲気のストーリーや調合・戦闘システムに大きなアレンジは施されていないらしく、全体的にシンプルで遊び易い作品になっているため、僕のような新規のプレイヤーやアトリエ初心者が手に取りやすい作品に仕上がっている。
期限付き・期間無制限のモードをゲーム開始時に選べるという配慮も行き届いている。
しかし、原作に忠実なリメイクであるためかややボリュームは不足しており、ある程度『アトリエ』作品をプレイしていると少々物足りなさを感じてしまう点が惜しい。
また、シンプルが故に調合やバトルシステムに奥深さはあまり無く、突き詰めてしまうと単調な作業に陥ってしまいやすい。
このご時世に、マルチエンディングを採用していながらエンディングを選択出来ないという仕様もかなり手痛い。

ただ、『ライザのアトリエ』からシリーズを遊んだ身としては、『アトリエシリーズ』の原点に触れるという貴重な機会を得ることが出来たのは大きな収穫であった。

【ワンダと巨像】

2023年12月プレイ開始
総プレイ時間:約10時間

【ストーリー】★★★★★ 5
【ゲームシステム】★★☆☆☆ 2
【キャラクター】★★★☆☆ 3
【音楽】★★★★★ 5
【総評】75点

最後の一撃は、せつない。」というキャッチコピーが有名な作品で、元々は2005年にPS2版が、2011年にはリマスター版がPS3版が発売され、本作は2018年に発売されたフルリメイク版である。
また、『ICO』や『人喰いの大鷲のトリコ』を手掛けた「上田 文人」氏の作品としても有名であり、僕は上述の二作はプレイしていたが、今作は未プレイだったため購入に至った。

本作の大きな目的は非常に単純明快である。
主人公の青年・ワンダを操作し、各地に存在する16柱の巨象を討伐し、少女の失われた魂を取り戻すことだ。
広大な大地には雑魚敵が一匹たりとも存在せず、戦闘はボスとして立ちはだかる巨象のみで、サブクエストの類も一切存在しないという徹底ぶり。
ワンダの持つ剣は巨象の居所を探る光を放ち、プレイヤーはこの光の道筋を頼りに、オープンワールド風の大地を相棒の馬・アグロと共に駆け巡る。
戦闘システムも非常にシンプルであり、武器は剣と弓の二種類のみで、基本的にコマンドによって攻撃方法が変わることも無い。

登場する巨象にはそれぞれの体の一部に急所が存在し、プレイヤーは手始めに巨象によじ登ったりしながら弱点を発見しなければならない。
弱点を発見した後は、相手の体力を削りきるまで弱点部位への攻撃を繰り返していくのが一連の流れになる訳だが、これが見事にアクションゲームとパズルゲームの融合といった具合にマッチしており、本作でしか味わえない新鮮なシステムとなっているのが大きな特徴である。

しかし、『ICO』や『トリコ』でも大きな問題点となっていた劣悪なカメラワークや余りにも癖の強すぎるキャラクターのモーションは本作にも健在で、人によっては強烈なストレス要素となり兼ねない。
この不自由さをどこまで受け入れられるかで、本作の評価は大きく分かれるように思う。
僕は『ソウルシリーズ』のような、ゲームの難易度は極悪だがシステムが易しいゲームの方が好みであった。

グラフィックは過去作とは比較にならないレベルで美麗になっており、古さを全く感じさせず、命の奪い合いを演出する音楽や、幻想的でどこか神々しい空気感は恐らく本作でしか味わえない貴重な体験となるのは間違いないはずだ。


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