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【プレイ日記#2024 春】

つい最近、遊び終えたゲームのいくつかを引き取ってもらった。
結構な買取結果と同時に、乱雑になりかけていた収納スペースがスッキリして非常に気分が良い。
現物は手元に置いておきたい主義なので売却は少々心苦しい決断だったが、それ以上に綺麗に収納できないストレスの方が大きかったので、これで良かったと思う。
我ながら面倒な性格をしている。

そういえば、いつの間にか季節が春へ移り変わろうとしている。
春といえば、出会いと別れの季節。
遊び終えたゲームとの別れは済ませたので、新たに出会ったゲームをいくつかまとめてみようと思う。
比較的プレイ時間の重い作品が多めなので、本数はやや少なくなっている。


【INSCRYPTION】

2024年1月プレイ開始
総プレイ時間:約8時間

【ストーリー】★★★★★ 5
【ゲームシステム】★★★★★ 5
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★☆ 4
【総評】89点

『Slay the Spire』を彷彿とさせるデッキビルド型のローグライク・カードゲームである本作は、ゲーム起動と同時に唐突なカードバトルが始まる。

だがこれより先、僕は一切をここに記すことは出来ない。
世界観やゲームの仕様といった全てが、本作のネタバレに直結しかけないからである。
ただひとつ言えることがあるとすれば、カードゲームに馴染みのあるプレイヤーは絶対にプレイすべき作品であるということだけだ。
良くも悪くも人を選ぶ作品ではあるが、インディゲームとは思えない完成度の高さには思わず舌を巻いてしまうこと間違いなしである。


【ONE.】

2024年1月プレイ開始
総プレイ時間:約25時間

【ストーリー】★★★★★ 5
【ゲームシステム】★★★★☆ 4
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★★ 5
【総評】86点

1998年に発売されたオリジナル版は、恋愛アドベンチャーゲームに「泣きゲー」というジャンルを確立させた感動系ノベルの金字塔と呼ばれており、本作は25年の時を経てリファインされた作品である。
人気美少女ゲームブランド「Key」の主要スタッフがかつて在籍していたことでも有名だ。
僕はオリジナル版もプレイしたことがあり、懐かしさからついに手に取ってしまった。
ちなみに購入したのは"当然"クリスマスイブである。
「年にひと作品ぐらいは、この手のジャンルも遊んでみるのもいいかもしれない」と書いた矢先にもうこのカードを切ってしまったのである。

さて、本作は当時流行していた『ときめきメモリアル』といった恋愛ゲームを意識した、日常に重きを置いた作風となっているが、作中に何度も登場する「えいえんのせかい」という設定がそれらの作品たちと大きく差別化を図っている。
このファンタジー要素がもたらす終盤の感動的なストーリー展開は、確かに当時プレイしたプレイヤーたちに大きな衝撃を与えたであろうことが予想できる。

オリジナルテキストを極力使用しているため、やや古めかしさは否めないが、全体を通して良質なノベルゲームとして仕上がっており、現代の技術を用いたキャラクターの立ち絵などは見ているだけでも面白い。
しかし、BGM数の少なさや、演出の幅の狭さが気になる点であり、中々に尖ったヒロインたちを受け入れられるかで評価は大きく変わりそうだ。


【龍が如く0 誓いの場所】

2024年1月プレイ開始
総プレイ時間:約50時間

【ストーリー】★★★★★ 5
【ゲームシステム】★★★★★ 5
【キャラクター】★★★★★ 5
【音楽】★★★★★ 5
【総評】96点

言わずと知れた『龍が如く』シリーズ屈指の最高傑作と呼ばれる作品であり、僕はPS3版を既に遊んでいたが、Amazonにてセール中であったため再び手に取ることにした。

本作は1作目の「龍が如く」より17年前の1988年が舞台であり、バブル真っ只中の時代に「カラの一坪」という土地を巡った極道たちの戦いが血生臭くも非常に濃厚に描かれる。
極道の男たちに焦点を当てながらも、謎が謎を呼ぶ展開は常にプレイヤーを飽きさせることは無く、任侠物語としても、一種のサスペンスとしても楽しめる。

また、本作の特筆すべきは演出面であり、物語の佳境に何度も訪れる熱い展開にはその都度鳥肌が立つ程である。
主人公である桐生一馬真島吾朗はもちろん、登場するキャラクター達は誰もがそれぞれ魅力的であり、物語を盛り上げるのに大きく貢献している。
ゲームシステムも現在プレイしてストレスが無いほど完成しており、豊富なサブクエストなども充実しているため、文句の付けどころが見当たらない。

そして、演出において必要不可欠な音楽面も非常に秀逸であり、特にとあるキャラクターとの戦闘BGMである「閻魔の誓い」には度肝を抜かれた。

総じて隙のない完成度を誇る作品であり、手っ取り早く高品質なアクションゲームをプレイしたいなら、本作を挙げても何ら問題はないだろう。
ただし、1作目のネタバレがあるため、いきなり本作をプレイするのはあまりオススメ出来ないと、個人的には思う。



【ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~】

2024年2月プレイ開始
総プレイ時間:約50時間

【ストーリー】★★★★☆ 4
【ゲームシステム】★★★★★ 5
【キャラクター】★★★★☆ 4
【音楽】★★★★★ 5
【総評】89点

本作は『ロロナのアトリエ』・『トトリのアトリエ』・『メルルのアトリエ』の三作品を総称した「アーランドシリーズ」の4作目であり、主人公のルルアは1作目の主人公・ロロナの娘という設定だ。
僕は前作たちを未プレイだったが、そこまで置いてけぼりという訳ではなかった。

アーキュリスという辺境の地に住むルルアは、錬金術師である母を超えるため、錬金術士・ピアニャに師事する形で修行に励んでいた。
ある日、ルルアは「アルケミリドル」という一冊の不思議な本と出会うが、この本は彼女以外の人間には読めない仕様となっており、ルルアは解読を進めるために世界各地で困っている人々を錬金術で解決する旅へと出ることになる。

基本的なシステムは従来のアトリエシリーズと大きく変わらないが、やはり本作の大きな特徴はアルケミリドルの存在だ。
アルケミリドルにはストーリーを進めるためや、新しい錬金術のヒントが次々と表示されていき、目標を達成していくことでプレイヤーはまるでルルアが解読を進めていくような感覚で物語を進行できる。
また、ストーリーはアトリエシリーズには珍しくSFのような要素が随所に散りばめられており、これまでのファンタジーなテイストとは一味違っている点も特徴的だ。

ゲームデザインとは裏腹に一部の戦闘の難易度は途轍もなく高く、適当な調合や装備では簡単にクリア出来ないよう設定されているため、シリーズ初心者には少々辛いかもしれない。
しかし、試行錯誤しながら高品質な武器やアイテムを錬金術で生み出す作業が好きなプレイヤーにとっては、むしろ歓迎というべき仕様だろうか。
また、その弊害として突き詰めると火力で押し切るだけの単調な戦闘になってしまいがちなのはご愛嬌だ。

アトリエシリーズの醍醐味であるハイクオリティな音楽も本作には健在で、アンデスといった民族音楽をベースとしたBGMはいずれもエキゾチックな気分に浸らせてくれる。

余談だが、これでアトリエシリーズは9作目をプレイしたことになる。
……やり過ぎだろ。


【ペルソナ3 リロード】

2024年2月プレイ開始
総プレイ時間:約80時間

【ストーリー】★★★★★ 5
【ゲームシステム】★★★★★ 5
【キャラクター】★★★★★ 5
【音楽】★★★★★ 5
【総評】99.8点

オリジナル版――といっていいかわからないが、こちらもリメイク前をプレイ済みである。

リメイク前の『ペルソナ3』はシステム面に大きな不満点があり、あまり満足してプレイすることが出来ないでいた。
多分だが、多くのプレイヤーが同じことを思っていたのではないだろうか。

ところがどうだ。
2024年2月。
リメイクされたことで、欠点などおおよそ見当たらない完全体の『ペルソナ3』として生まれ変わっていた。

本作は元々評価の高いストーリーに下手な改変は入れず、しかし、正当に進化した演出やシステムは惜しげもなく組み込みんでおり、遊び易さはもちろん、純粋にひとつのJRPGとして相当完成度の高い作品に仕上がっている。
もしも『ペルソナ3』に興味があるプレイヤーがいるのなら、迷わず本作を遊んでみるべきだ。
絶対に後悔はしないと断言できる。

そして、ここからは個人的な話になるが、僕はこの作品を遊び始めた時期に飼い犬を亡くしている。
そんな時、パーティーにとあるキャラクターが加入した。

コロマルである。

それは今思えば不思議な体験だった。
ゲームの電源を入れれば、まるでもう一度「あの子」に会えているような錯覚に陥れられるのだ。
犬種も違うし、年齢だって違うだろう。
それにも関わらず、僕はコロマルに亡き飼い犬の姿をどうしても重ねて見てしまっていた。
もはやゲームを遊んでいるのか、犬に会いに行っているのか区別がつかない状態だった。

そして、リメイクされた本作では、このコロマルというキャラクターに、オリジナル版には見られなかった様々なモーションが追加されており、本当に生きているように僕には見えていた。
撫でたり、散歩したり、ゲーム中のそんな些細なイベントが、その時の僕にはとても掛け替えのない時間だった。

だからこれだけ記させて欲しい。

アトラス 様
コロマルと巡り合わせてくれて、本当にありがとう。


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