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【グランブルーファンタジー リリンク】

2024年4月プレイ開始
総プレイ時間:約20時間+α

【ストーリー】

★★★★☆ 4

アプリ版『グランブルーファンタジー』と同様、空の果てにあるという伝説の島「イスタルシア」を目指す旅を続けている主人公・グラン(ジータ)と相棒の小さなドラゴン・ビィ、そして不思議な少女・ルリアたち。

本作は「ゼーガ・グランデ空域」という本家には登場しない島を訪れるところから物語が始まる――謂わばオリジナルストーリーである。
その為、本家『グラブル』をプレイしていなくても問題なく楽しむことが可能である。
一方、序盤から専門用語が頻繁に登場するため、ある程度は辞書機能で世界観を把握していく必要がある点は注意だ。
僕は『グラブル』を5年ほど前からプレイしている騎空士であるため、本編の延長線として物語に入り込むことができた。

本作の物語は非常に王道的であり、良くも悪くも手堅いJRPGとして纏まっているが、メインストーリーだけを見るのであればややボリュームが足りていない印象を受けた。
しかし、本作の本番はメインストーリー終了後に待ち受けていた。

それが一体どんな物なのかは、ぜひ自身の目で確かめて欲しい。

【ゲームシステム】

★★★★★ 5

先述の通り、僕は『グラブル』本編をプレイしている人間だ。
ご存じの人もいるかと思うが、『グラブル』は古めかしいコマンドバトルRPGのようなシステムであり、キャラクターが激しく動いたりといったことは基本的に起き得ず、素晴らしいキャラクターデザインが少々勿体なく感じることも少なくない。
しかし、本作は限定的ではあれど、『グラブル』に登場するキャラクターたちが3Dの動きに対応し、縦横無尽に駆け巡る姿を拝むことができる。
騎空士のプレイヤーにとっては長年の夢が叶ったかのような感覚であり、それだけで感無量である。

本作はメインストーリー、クエスト共にマップを選択し、戦闘を行いながらステージ毎に設定された勝利条件を達成するのが主な目的となる。
ステージには基本的に4キャラでのパーティを組んで挑むことになり、本編では絡まないキャラ同士の掛け合いなども楽しむことができる。
また、操作していないキャラを動かしてくれるCPUは非常に優秀であり、ほぼプレイヤーの思いのままに行動してくれるため、ストレスは全く感じなかった。

最大のウリである戦闘システムだが、アクションゲームをある程度やり込んだプレイヤーであれば、本作の戦闘にはすぐ慣れ親しめる設計になっているように思う。
『NieR:Automata』、『ELDEN RING』、『モンハン』辺りを彷彿させる操作感は非常に爽快であると共に、取っ付き易さは抜群だ。
反面、斬新さやオリジナリティには若干欠けており、有名なアクションゲームの先駆者たちの二番煎じ感はどうしても拭えない。

とは言え、本作には独自の要素も確かに存在するのである。
仲間たちとの連携を取り続けた際に発生する「リンクアタック」や奥義を繋げた際に発動する「チェインバースト」がそれに該当する。

「リンクアタック」は仲間との共闘感を演出してくれる他、「リンクカウンター」というゲージが100%になると「リンクタイム」という一定時間敵がスローモーションになる有利な状態を生み出せるため、本作では仲間との連携を重視した戦い方が必然的に求められる。
発生した際の掛け合いの賑やかさや爽快感は、間違いなく本作からしか得られないだろう。

「チェインバースト」は本家『グラブル』の仕組みであり、味方の奥義の発動回数によって威力が大きく変化する追撃のようなものであり、『グラブル』の方では蛇足的なものになりつつあるが、本作においては非常に強力な一撃となっている。
自ら発生を促すことも出来れば、仲間がプレイヤーを発動へと誘発してくれることもあり、派手な演出も伴って上述した「共闘感」に一役買っている。
この独自のふたつのシステムが戦闘の駆け引きに絶妙に絡んでおり、「どこかで遊んだ気がするアクションゲーム」の様に感じるのに、まるで初めて遊んだような気にさせてくれるのが、本作なのである。

その他にも、キャラクターの掘り下げが行われる「フェイトエピソード」や、様々な収集要素・育成要素など、太く長く遊べる仕組みが満載であり、本作の感触を気に入ったプレイヤーであれば半永久的にプレイすることも可能だ。

しかし、開発がソシャゲ会社ということもあり、膨大な量の周回プレイを要求される点は賛否が分かれるだろう。
ちなみに僕はコンシューマーゲームになってまで周回はしたくない派なので、あまり印象は良くない。
だが、初の家庭用ゲームでこれだけのクオリティの作品を生み出していることから、自ずと次回作への期待が高まったユーザーも多いはずだ。

【キャラクター】

★★★★☆ 4

本作で操作できるキャラクターはDLCも含めて21(22)名であり、キャラクターに応じて使用武器・役割・アビリティなどが異なってくる。

しかし、メインストーリーでは一部のキャラクターたちしか絡まず、せっかくの登場キャラクターたちの大半がおまけ扱いなのが少々残念である。

また、これは『グラブル』本編でも問題になっているのだが、このメインストーリーに登場するキャラクターたちに魅力を感じにくいという点が挙げられる。
理由は騎空士である僕にも正直わからないのだが、確かに『グラブル』の方でも本作でも、誰一人として使用していないことに気付いてしまった。
ビジュアルの問題なのか、キャラクター性の問題なのかはプレイヤーのみぞ知るということだろうか。

だが、その他のプレイアブルキャラクターたちはいずれも人気の高いキャラクターが多い点は個人的に嬉しいポイントだ。
そして、本作の魅力のひとつに、気に入ったキャラクターだけでパーティを組んでも攻略に支障を来たさない点が挙げられる。
属性の相性・バフ/デバフなど、戦略を突き詰めることも出来るが、難しいことなど考えずに好きなキャラクターだけでプレイできるのは多くのプレイヤーにとって喜ばしいことであるはずだ。

本作にのみ登場するキャラクターたちも、本編に登場していてもおかしくないほど個性的なキャラが多く、既に多くのユーザーから逆輸入を望まれている。

【音楽】

★★★★★ 5

『グラブル』と同じく、本作の音楽も成田勤氏が担当している。

「バトル3」の本作版アレンジなど、騎空士には堪らない楽曲が勢揃いであると共に、本作のための書き下ろしBGMも作品の雰囲気と『グラブル』感を損なっていない点は、流石本編の楽曲を任されている作曲家である。

また、六竜シリーズ、プロトバハムート、ダーク・ラプチャーといった人気ボスのテーマもそのまま使用されており、サプライズという観点でも抜かりが無い。

珍しく生楽器を採用した演奏が多い点も個人的には高評価であり、Cygamesの新たな一面も窺えることができた。
強いて言うのならば、『グランブルーファンタジーVS』のように、キャラクター毎に専用BGMがあると尚良かったが、それは高望みし過ぎだろうか。

【総評】

90点

発表から8年。
これは、本作の発売までに至った年月である。
開発中止――おそらく多くのグラブルファンの脳裏を過ったはずだ。

しかし、突如として公式の生放送において、本作の発売は決定した。

だが、多くのユーザーは不信感を抱いていたことだろう。
この時期、開発元であるCygamesは本編である『グラブル』運営の数々の怠慢、『ウマ娘』の不振、開発スタジオの変更といった数々の問題を抱えていたからである。
発売は嬉しいニュースであったが、僕は様子見の姿勢を貫くことにした。

少し時が経ってはいたが、僕もいざ本編を開始した。
主人公であるグラン君を動かした瞬間――それまで抱えていた不安はたちまち払拭された。
いや、それどころか、これからのCygamesはコンシューマー路線でもやっていけるのではないか、という希望まで見出していたのである。

もし、『グラブル』をプレイしていなくても本作が気になっているプレイヤーがいるのなら、僕はその背中を押したいと思っている。
アクションゲームが好きなら、プレイして絶対に後悔はしないと――。

最後に、僕が使用していたキャラとパーティを紹介していこう。

まずは僕自身が操作したメインキャラクターだ。

デカ過ぎんだろ...(刀が)

刀による攻撃と、「源氏の構え」と「神楽の構え」という二つのスタイルを切り替えて戦うのが彼女の特徴だ。
「源氏の構え」はチャージ攻撃と大振りの攻撃、「神楽の構え」は手数の多さと追撃といった明確な違いが存在し、この切り替えを巧みに行うことで彼女の周囲に「胡蝶」が飛び交い、その数の多さによって強さが変化する、ややトリッキーな剣士タイプである。

勘違いしないで頂きたいが、僕は刀で戦うキャラクターが好きなだけで、決して片目が隠れているのが好きとか、胸がでかいとか、包容力があるといった点で彼女を選んだわけではない。

続いて共に冒険をしたキャラクターたちを紹介していく。

24歳、団長です。

こんなナリをしているが、24歳の聖騎士団の団長である。
アクションゲームが苦手な人へ彼女がおすすめされることも多く、実際に使ってみると確かに非常に扱いやすかった。
攻防共に優れており、味方のサポートまでこなせるため全体的に隙がなく、自分で操作しても良し、仲間として連れてっても良しな便利キャラクターである。
一見リーチが短そうに見えるが、(彼女はハーヴィンという種族であり、身長が90cmしかない)扱う武器が巨大である他、衝撃波などを放つことも出来るため、距離による不利は無いと言っていい。


いや、声江戸過ぎ(直球)。

脳内で勝手に「ごはんくーん」とか、「獅子戦吼」とか再生される。
それはさておき、彼女は「十天衆」という全空最強の組織の一員であり、弓の達人である。
武器はもちろん弓であり、遠距離攻撃を得意とするほか、強力なデバフを撒くことにも長けたキャラクターだ。
流石DLCのキャラだけあって全体的に強力で、遠距離攻撃が強い本作において必須級の存在である。
しかし、自分で操作すると思いのほか使い難かったため、CPUに頑張ってもらうことになった。

ここまでパーティを編成してきて、僕のパーティに足りないものがいくつか見えてきた。
まず1つ目が、回復役がいないことである。
中盤辺りから徐々に体力管理が必要になってくるため、やはり一人は編成しておきたい。
そして2つ目が、女性キャラしかいないことだ。
流石にこれはバランスが良くない。
冒険を楽しむからには、やはり男キャラも欲しいところだ。

という理由から、彼を招集することになった。



カリオストロ(♂)

ヒーラー兼男キャラといったら、もうこのキャラしかいない。
しかも味方にバフもかけれる優秀なサポーターとしての一面もあり、まさに僕が一番欲していた人材である。
彼の採用は、完璧なる布陣を構成する最後のピースが揃った瞬間だった。
てか、なんか聞いたことあるなと思ったら声が『カードキャプターさくら』じゃねぇか!!

~終~

<執筆中BGM>
♬ 花の塔 / さユり
♬ Welcome To The Black Parade / My Chemical Romance
♬ Don't Stay / Linkin Park
♬ Lasting Moment / Summer Pockets Original SoundTrack
♬ 蝶の飛ぶ水槽 / TK from 凛として時雨
♬ Remember Me / MAN WITH A MISSION
♬ NEO UNIVERSE / L'Arc~en~Ciel
♬ Chain Attack / ゼノブレイド3 オリジナル・サウンドトラック
♬ Paradise Lost / GRANBLUE FANTASY ORIGINAL SOUNDTRACKS Chaos


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