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SHー60K型航空機の事故について(補足事項)

2024年4月20日午後11時過ぎに発生いたしましたSH-60K型航空機の事故につきまして報道情報の補足を申し上げます。


行方不明隊員のご家族皆様のご心中如何ばかりかと
お察しいたします。
一刻も早い救出を心よりお祈り申し上げます。

小官は海自勤務の後半を航空機の修理や用度品の
調達に関わる仕事に従事しておりました。
NOTEをご覧の皆様に伝えるべきと考える情報に
つきまして稚拙ではありますが
若干の補足をお許しください。

SHー60K型航空機事故の報に接し

「この報道に関しては防衛省広報の正確な情報が
一番であり、不正確な記事を書くとご家族様や
国民の皆様に誤解を生じさせる危険が高いと判断し
発言を控えておりました。」

ただし毎度申していることではありますが

「海自の航空機について・・・
知っている方はソレナリおられますが
報道機関ですら防衛情報音痴の我が国の
特質により・・・」

国民の大多数は

「自衛隊のヘリコプターって空自や陸自が運用しているのでは?」
「海自の航空隊ってどこにある」
「海自はどんなヘリコプターを運用している」

と感じておられるようです。
その点に関して
混乱や周知不足を解消する必要性を感じます。

事故の詳細は公式発表に委ねます。

小官は海自哨戒ヘリ部隊の所在地と
機体を運用する部隊などについて
若干情報を補足させていただきたいと存じます。

世の中には海自を好んで取り上げていただける
ブロガーや識者も一定数おられます。

ただし発信情報が必ずしも正確ではない場合や
ネット情報では確認できない部分は当然あります。

国防に関わる機微な情報は公開できない事も多く
その分推測や断定が生じるのはある意味で仕方の
ない事です。

公表できる情報を記事にしたいと存じます。

令和5年の自衛隊の編成は上記の防衛白書資料を御参照願います。


令和5年国防白書より


以前の国防白書には
各航空群の所属部隊も記載されていたのですが
最近のモノには記載されておりません。

少し古いのですが
平成28年の航空集団の部隊配置は以下のとおりです。

平成28年国防白書より

※なお第71航空隊及び第72航空隊(救難ヘリコプター運用部隊)は部隊改編により第21航空隊と第22航空隊を残存部隊として統合されております。

上記の航空群のうち数時一桁の第1航空群など
の部隊は固定翼の
P-1型航空機を運用する部隊です。

岩国の第31航空群は
固定翼航空機と掃海輸送ヘリコプターを運用する
部隊です。

今回の事故に関し報道情報によれば

墜落したのは大村航空基地(長崎県)所属の
「8416号」と
小松島航空基地(徳島県)所属の
「8443号」。

報道情報より抜粋

8416号機
第22航空群(司令部:長崎県大村市)
第22航空隊(長崎県大村市)
に所属する SHー60K型の対潜航空機です。

8443号機
同じく第22航空群
第24航空隊(徳島県小松島市)
に所属する 同型の航空機です。
※84〇〇号機の84は60K型航空機の機体番号
  で就役順に付与される一連番号です。

SH-60K型航空機は
海上自衛隊の主力を担う哨戒ヘリコプターです。
シコルスキー社が開発したSH-60B
(通称シーホーク)をベースに
日本独自の改良を施して制式化したSH-60J型
哨戒ヘリコプターの発展改良型です。
製造会社は三菱重工業です。

また世間的にはあまり知られておりませんが
東京都などの島嶼部から関東地方の拠点病院への
患者移送においても旧来の
UHー60型救難ヘリコプターの機数不足を補う
ため、いわゆる「急患輸送」にも従事し活躍して
おりました。

日本国内には上記の2航空隊のほか
第21航空群(司令部:千葉県館山市)所属の
第21航空隊(千葉県館山市)
第23航空隊(京都府舞鶴市)
第25航空隊(青森県むつ市)
において同型のヘリコプターを
運用しております。

また搭乗員の養成を行う教育航空集団に所属する
第212教育航空隊においても
SH-60K型航空機による実用機課程の
教育・養成のため同型の航空機を運用しています。

noteには記事はありませんがXや
その他SNS上では
「他国による撃墜」や
「護衛艦いせの運用方法に問題がある」
など憶測や未確認情報を根拠にした
記事も存在するようです。

SNSを執筆する
多くの方へ申し上げたい事ですが

小官よりのお願い

事故の原因特定は当然実施すべき事項です。
ただし現在なにをおいても優先されるべきは
行方不明隊員の人命救助措置です。
ご家族のご心中を察していただき
くれぐれも軽率な誹謗や中傷・憶測記事を
ご遠慮いただきたいと存じます。

小官よりのお願い

日本は自由の国で自己のご意見を
発信される自由が保証されております。
記事の発信は自身の判断でなされるべき事項です。

ただし隊員にはご家族もおられます。
家族や知人の救助を願い苦しんでいる
皆様を傷つける行為は

発信の自由のために
「全てが正当化される」行為とは思えません。
「もしも自分の家族が・・・」そのお気持ちで
ブログ等を書いていただければ
たいへん有難いと存じます。

以上簡単ではありますが補足情報といたします。

海上自衛隊は他の機関や航空機運航会社同様に
安全活動に邁進しております。
今回の事故におきましても
然るべき時期に調査の概要を発表すると思います。
それまでの間は世間で喧伝される憶測に惑わされる
ことがございませんようにお願い申し上げます。

お亡くなりになりました隊員のご冥福を
謹んでお悔やみ申し上げます。
また現在捜索中の隊員の一刻も
早い救助を願っております。


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