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為替アナリストの予想はなぜ当たらないのか

先日の記事では傾聴するべき経済アナリストを挙げましたが、彼らの予想は当たるとは限りません。というより外れる場合がほとんどです。為替に関して言えば、期間をどれほどに取るかにもよりますが、ドル円が上がるか下がるかの2択(横ばいも入れれば3択ですが)で当てずっぽうでも50%の確率で当たるものですが、それでもなかなかどんぴしゃで当たる例は少ないかと思います。

ファイナンスの理論で効率的市場仮説というものがあります。これは「すべての利用可能な情報が完全に市場価格に反映されているとする仮説」です。

Famaは1970年に、市場の効率性を情報の市場に反映される情報によって3つに分類しています。

実際に市場が完全に効率的であれば、現在の全ての情報が現在の価格に織り込まれているので、将来の価格を予想することは困難というわけです。ただ、実際に市場が完全に効率的かといえば必ずしもそうではなく、全ての情報が反映されているとは言えないでしょう。

株、金利、為替といくつか金融市場はありますが、その中でも為替は非常に大きいマーケットで、一日の取引高が700兆円に上ると言われています。また為替のマーケットは24時間常に開いていますので、世界の何処かで大きなニュースや事件があれば、瞬時に取引価格に影響します。また、マーケットが非常に大きいため、なかなか一つの主体の取引で価格を大幅に変動させることは難しい(もちろん例外もありますが)と言えます。

為替はマーケットの規模が非常に大きいため、株など他の金融市場と比べた時に市場の効率性が高いと思われます。そのため、為替アナリストが現在の情報を元に予測をしたとしても、すでにその情報の多くが価格に織り込まれているため、将来の予測には役立っていないのです。その後、新たな情報が発生した場合は、その情報は予測に織り込まれていないため、アナリストの予測は当たらないのです。

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