見出し画像

広告×金融で先行投資の壁を打破!1つの疑問から起業し1年8ヶ月で取扱額250億円を突破したファイナンス手法とは?

スタートアップの融資を支援しているINQの若林( @wakaba_office )です。私はStartPassという会社のCOOもやっております。

また、スタートアップ投資TVというYouTubeチャンネルで、スタートアップ向けに投資に関する情報を発信しています。
https://www.youtube.com/@Startup-TV

本記事は「広告×金融で先行投資の壁を打破!1つの疑問から起業し1年8ヶ月で取扱額250億円を突破したファイナンス手法とは?」という動画の内容を書き起こしたものです。

Gazelle Capital 株式会社の近藤絵水さんを司会に、株式会社バンカブルの髙瀬大輔さんをゲストに招き、髙瀬さんのご経歴と、バンカブル立ち上げの背景について語っていただきます。

髙瀬さんの経歴と株式会社バンカブルについて

髙瀬さん:弊社バンカブルは、ベンチャーやスタートアップ企業など成長中の企業向けに、広告費・在庫の仕入費の分割および後払いサービスである「AD YELL(アドエール)」と「STOCK YELL(ストックエール)」を提供しています。

私は、新卒で不動産業界の営業職として働き、3年目に広告担当部署に異動しました。その部署で広告の世界について学んだ後、2社目でほぼ立ち上げに近い状態のスタートアップ企業に転職しました。スタートアップ企業では3年間、マーケティングや事業運営などをマルチに担当した後に、スタートアップ企業を支援する側である広告代理店に興味を持ち、転職。その広告代理店が入っていたグループであるデジタルホールディングス内で、インハウス支援のコンサルティング会社の代表を務め、2021年から現職になりました。

近藤さん:バンカブルができあがった背景をお聞かせください。

髙瀬さん:私個人の視点と、グループとしての事業の視点、二つの方面からお話しします。

まず、私個人の視点でいうと、2社目のスタートアップ企業に転職した当時、広告出稿に対して慎重になっていた原体験があります。その会社は社名すら決まっていない状態でした。実際に事業がスタートして、広告を出稿しようと思ったのですが、1万円、5万円ほどの広告出稿費用を発注するのも怖く、「本当にお金をかけていいのだろうか」と、おそるおそる出稿していました。

もう一つは、広告代理店に転職後、大手企業の支援を担当していたのですが、私が経験した立ち上げフェーズや、成長フェーズにあるスタート段階の企業に向き合おうとすると、与信が通らなかったり、場合によっては前受けの請求をしなければならなかったり、壁が立ちはだかりました。スタートアップ企業側の事情もよく分かるため、ジレンマを感じていたことが、私の軸となっています。

事業の視点でいうと、デジタルホールディングスは祖業として広告事業を展開してきたグループで、来年(2024年)で30期になります。グループとして、「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」というパーパスを掲げています。そのなかで、金融と祖業で培った広告・マーケティング事業とを掛け合わせ、次の成長につなげていきたいと思い、議論を重ねてバンカブルの立ち上げに至りました。

若林:髙瀬さんのスタートアップ企業でのご経験と、広告代理店に転職してから感じたスタートアップ企業を支援したくてもしきれなかったジレンマが原体験としてあり、そこにデジタルホールディングスのビジネスの事情がうまく重なって、バンカブルが立ち上がったということですね。

具体的にどのような議論をして、「AD YELL」や「STOCK YELL」に行き着いたのでしょうか。

髙瀬さん:広告やマーケティングを掛け合わせるうえで、さまざまな軸があり、ブレストを行っていました。その当時、グループの経営陣や社外取締役に金融業界出身の方が多く、リテラシーは非常に高かったんです。議論のなかで、例えば、不動産業界だと不動産を購買したら担保価値が設定され、一つの大きな債権の市場ができあがる。インターネット広告市場が約3兆円で、「この広告市場そのものを債権と捉えたらどうなのか」という話が出てきてバンカブル立ち上げのきっかけとなりました。「そこに勝機を見出せるモデルが作れるんじゃないか」、「多くの人が困りごとを抱えているのではないか」と考え、現在の「AD YELL」と「STOCK YELL」の原型が生まれていきました。

髙瀬さんのキャリアで最も大変だったこと

近藤さん:子会社の社長として一番大変だったことは何ですか。

髙瀬さん:バンカブルの立ち上げ前に、グループ内でマーケティングや広告運用のインハウス化を支援するコンサルティング会社を経営していました。そこで起きたことは深く印象に残っています。その会社は、M&Aによりデジタルホールディングスに参画しました。当時十数名の会社で、以前から代表を務めていた方がいらっしゃり、私はNo.2の取締役としてジョインして、一緒に盛り上げていこうという形でスタートしました。しかし、私がジョインした2年後に代表の方が退職され、私が次の代表になった際、それまで頑張ってくれていたメンバーが多数辞めていきました。

近藤さん:代表が変わるというのはとても大きなことですよね。

髙瀬さん:はい。当時は、事業も急成長中だったため、代表の方が社会人としての先輩であり、「尊敬していた代表が辞めたから、自分も次のキャリアを目指します」という理由で退職するメンバーが多かったです。私が代表になってからの半年間で、離職率は40%程度になったと記憶しています。メンバーの退職は非常に苦しく、リカバリー方法にも悩みました。

近藤さん:社風を変えて、新しい組織づくりをしなければならなかったということですね。

髙瀬さん:そうですね。結果的には、会社をリブランディングし、社名や戦略を変えて、業績も伸びていったのですが、ターンラウンドの時期はとても苦労しました。

若林:考えただけで胃が痛いです……0→1でスタートアップを立ち上げるのとは違った経営の重さを感じます。

髙瀬さんの仕事の原動力

近藤さん:髙瀬さんが仕事に打ち込む原動力は何ですか。

髙瀬さん:今の私がやっている仕事が、世のため人のためになっていれば、自分の子どもが大人になったとき、より良い世界になっていると信じています。そのために頑張っているというのが根底にあります。

その想いに重ねて、グループのあり方や現職のバンカブルでやっていることに大義を感じていることが、原動力です。今は人生で最も熱狂している時期です。

若林:かっこ良過ぎますね!髙瀬さんご自身が独立してスタートアップ企業を立ち上げるという選択肢はありましたか。

髙瀬さん:ありました。前職のインハウスを支援するコンサルティング会社をクローズするタイミングで、私には選択肢が三つありました。一つ目は、スタートアップ企業を自分で立ち上げる。二つ目は、別の会社に転職する。三つ目は、現状の環境に残って新しいことをやる。

若林:そこから今は、バンカブルをデジタルホールディングスのなかで経営していますが、その背景にはどのようなものがありましたか。

髙瀬さん:意志決定をした背景には、二つの理由があります。私は社会人歴22年のなかで、唯一、仕事を通じて泣いてしまったことがあります。それが、このデジタルホールディングスでのことでした。自分自身とても意外だったのですが、学生時代に夢を追いかけスポーツをやって涙したときと同じ感覚で、それくらい熱狂しているんだ、ということに気付きました。その気付きを得られた環境であるデジタルホールディングスに、恩を返したいというのが理由の一つです。

もう一つが、インハウスを支援するコンサルティング会社をクローズ後に、「外に出て新しいことにチャレンジすることもできるが、ここで辞めるのはかっこ悪いな」と感じ、グループに残って新しいことをしようと思いました。

バンカブル立ち上げにあたって感じていた、世の中の課題感

若林:バンカブルを立ち上げるにあたって感じていた、世の中の課題としてどのようなものがありましたか。

髙瀬さん:世の中では、デジタル化が進み、オンラインを通じてモノやサービスを提供していくことが当たり前になってきています。そのなかで、私自身がスタートアップ企業にいた時代も含めて実感していますが、集客や仕入れなど、より成長していくためには先行投資が必要です。エコノミクスが合っていれば投資もできるし、売上が好調であれば労働仕入れも必要になります。けれど、足元の財布事情を考えたら、無尽蔵に投資できるわけではありません。人生をかけて素晴らしい商品をつくっている方がたくさんいらっしゃるのに、先行投資ができないことが要因でお客さまに届けきれないのはもったいないと感じたことも、バンカブルの立ち上げにつながっています。

既存の金融機関もご支援されていますし、新しいファイナンス支援会社も生まれていますが、その隙間でできていないことを支援したいという想いがありました。

若林:ECやD2Cなど、インターネットで広告費をかけて売上を上げていくとき、先行投資ができる潤沢なキャッシュがないと、成長したくてもアクセルを踏み切れない方や会社が存在する。そういった課題を解決するためのサービスをつくろうと、広告費や仕入費の分割・後払いサービスである「AD YELL」と「STOCK YELL」が生まれたということですね。


ファイナンス無料相談のご案内

私が代表取締役CEOを務めるINQではデットファイナンスの無料相談を、取締役COOを務めるStartPassではエクイティファイナンスの無料相談をそれぞれ承っております。

融資の無料相談・壁打ち

INQでは、融資のご相談・壁打ち・サポートを承っております。
下記よりオンライン無料相談の日程をご調整ください。

エクイティファイナンスの無料相談

StartPassではエクイティファイナンスの課題を解決するサービスをご提供しています。下記のような起業家はぜひStartPassの14日間無料体験をご利用ください。

  • エクイティ調達のネクストアクションがわからない

  • どのVCやエンジェルが自分に合うのかわからない

  • VCにコンタクトしたいけどネットワークがない

  • StartPassって何?どんなサービス?

下記よりご予約頂きましたらStartPassコンシェルジュよりご案内します。

最後までお読み頂きありがとうございました。


注釈

本記事は執筆・公開時点で発表されている情報を解説したものです。以後制度が変更になる可能性があります。



頂いたサポートは、医療福祉または障害者スポーツの活動を行うNPO法人に寄付をします。