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漫画家芦原妃名子さんの他界とドラマ制作の契約書について

ポイントは契約書の条項

 ある批評家の人が本件について契約書の一文字にも触れず「慣習」「力関係」ばかり言ってて僕には疑問に感じました。人が死んでるんです。原因と再発防止策を提言するのも批評家のスキルと見識から当然期待される役割ではないのですか?問題認識と解決に至る提案は社会人の基本です。さて今回敢えてnoteの記事で触れます。僕は知的財産マネジメントの修士号をもつ漫画家です。

 さて、みなさんは「契約書無しで予算を使ってドラマを作成していると思いますか」?思わないですよね。金額や原作品名他必ず契約書を締結してから制作に取り掛かります。

ドラマ化にあたり著作権法は必ず関わるので、基本なり個別の契約書を日本テレビと小学館の間で必ず締結していますその中に芦原妃名子さんが主張されていた条項が記載されているはずです。彼女の丁寧な物腰と細部まで目を通せる姿勢から察するに、契約書にもそれが明記されていたのを彼女自身確認しており、それがあってSNSで発言をなされたのだろうと推測されます。そして小学館側も色々と日本テレビへ発言してくれたことでせめて最後の2話分は芦原妃名子さんが主に関わることができたのかと僕は感じました。口約束だけなら日本テレビが応じるとは考えにくいためです。

そして、脚本家の相沢友子さんも日本テレビ側とも業務委託契約書を締結していたのは想像に難くありません。作品の都度、締結しているのが一般的かと思います。契約書の効力や対象範囲等は案件次第なので個別契約書が一般的です。

相沢友子さんのインスタでの一連の発言だけ読むと”言葉が厳しい人”の印象はもちますが、仮に芦原妃名子さんが主張されていた条項について、日本テレビと相沢友子さん間の契約書で何も記載がなかったとしたら、相沢友子さんが「どうして原作者がラスト2話を作成するのよ!契約書には書いてないよ!!けど守秘義務があるから契約書の内容はインスタでは言えないよ!!」という叫びの可能性もあるかもしれません(僕はそれを擁護するわけではありませんが。基本、改悪は嫌いです)。この場合日本テレビの法務部もしくは、契約書に対して承認権限をもっていた役職らの認識に疑義をもつことになるかと思いました。
これより深い洞察と着眼点は下記youtubeの概要欄に書きました。


 締結者同士に守秘義務があるのでこれらの契約書が開示されることは一般にはなさそうですが、僕個人としては週刊文春さんが「長く続いた悪しき問題」を今回も明るみにだしてくださると、原作者の心身を追い詰める横暴な人たちが多少駆逐されるかもしれないなと期待するところではあります。

 普段僕はシンガポールに住んでいてTV無し、ニュースも見ない生活なのですが今回はたまたま訃報を目にし、悲しみに沈みました。作品を読んだことはないのですが、経緯が辛すぎて。石川県の大地震と羽田空港の衝突事故(で他界された自衛官の方々)の時の訃報で1月は気持ちが沈んでましたが、同じ月にまた沈んだのは僕の人生初です。特に1月は諸々大きい事件が日本は続きますね(桐島氏に然り、京アニ放火殺人事件の死刑判決然り)。

ハンターハンターの映画も改悪だったと思いだした

 未完作品であるハンターハンター(実際いつ最終話迎えられるんだ)の映画も昔ありました。映画の紹介を見た時に「あこれ改悪だな」と思い当時僕は見に行きませんでした。当時アニメで放送されていた敵役(幻影旅団といいます)が大人気だったのもありそれにのっかったようなストーリーでした。見に行った人の話では、プロの暗殺者で足音を立てずに歩くことができる設定のキルアという登場人物が、靴の音をたてて歩いてた映画だったそうです。原作ガン無視だな、見に行かなくてよかったと当時思ったものです。
それと幻影旅団がしゃべっても一言二言とかでおまけに近かったと聞いた。予算の都合?

USJで幻影旅団のチョコを友人に買ってきてもらったことで、僕は十分満足です。二次著作物は基本期待しない、見ない。
原作者が「OK」したものは良い。
しかしながら周りに気を遣って本音をだしずらい原作者さんも少なくないと思われます。様々なことを考えて、創作して作ったものが雑に継続的に扱われたら魂は本当に深く深く傷つきます。

書いていて僕も辛くなってきたのでそろそろ寝ます(もう朝5時だ。シンガポールは)


投稿者について:シンガポールで漫画を描くために移住した、鹿児島出身者です。漫画家だからこそ本件が余計に・・・ね・・・


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