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南米の太陽と為人

世の中は仕事始めであるものの、個人的には転職することが決まっており、絶賛有休消化にて長期休暇中である。

明日は屋久島、その次はカナダでスキー三昧とオーロラ鑑賞の予定だ。小さい頃からの小さな夢を一気に二つも叶えられて、少し大人になった気がするおっさんである。

今はいくばくかの背徳感とほんの微かな優越感を感じる時期もとっくに過ぎ時間を持て余す感覚に突入している。

年始早々こんなことで良いものかとも思ったりする。正直年末前くらいから自然と仕事も回って来ず引き継ぎに注力していたのでゆるりと働いていたので、ずっと休暇中のような感じであるのだ。

前職は中南米にモノを売る商社マンであり、次も恐らく同じようなことをしているであろうサラリーマン。今は充電中であるが、上述の通りいささか過充電とも言える状態で暇を持て余している。

東京在住だが、先日から月末までずっと家を空けて根無し草生活をするため、さらにゆるり感が増してしまう。

こんなにも気が抜けたような生活をしていた僕であるが、前職時代は人一倍真っ当に仕事をしていた。どちらかというと真面目できっちりしている方であったと思う。

出張は年に数度、一回数ヶ月中南米に行きルートセールスを主に行っていた。中南米と一口に言っても国によって治安も所得レベルも性格も言葉(訛り)も異なる。中米諸国は似たような国が多いがそれでもメキシコ、パナマ、エルサルバドル、コスタリカ、ガテマラ、ニカラグア全てにそれぞれ特徴がある。

南米はもっと違う。写真はボリビアはサンタクルスだが比較的過ごしやすい。一番好きな都市はラパス、ついでにコロンビアのボゴタ、ペルーのリマなど。順位をつけたわけではないがそれぞれ良さがある。アルゼンチンやチリなども過ごしやすく飯もうまい。

南米に関してよく訊かれるのは治安に関してだが、言わずもがな悪い。というより日本が良すぎるのである。食事は素材を煮る焼く揚げるが主な調理法で、よく言えば素材の味を生かした料理、穿った見方をすると大雑把である。繊細さは無い。

メシはアジアが一番、という方がおられるが、アジア歴が浅い小生にとっては否定も肯定も部分否定もできない。

概して言えるのは日本の外食産業のボトムのレベルは相当高いということだけである。400円弱であの質の牛丼を、しかも全国レベルで食える国を、日本以外に私は知らない。イタリアンをあの価格帯で殆どの都道府県で食べれる国を私は知らない。

さて掲題の件であるが、日照時間が長いほど陽気というのは、霊長類の傾向としてあるのではと思う。極端な例であるがロシア人とカリブの人々では陽気さがまるで違うといっていいだろうし、読んだことはないが文学もロシアは陰気だと聞いたことがある。カリブの人間にそんな陰気さはない。明るく自分の欲望や本能に良くも悪くも忠実である印象だ。日本の遠慮や慎ましさなどそもそもが思慮の外である。ビジネスでは日本と長年商売をしているところはの本的な考えを理解しているところも多いが、人によってその度合いも様々。期待するのはおこがましいというものだが、それでも日本人より日本人のことに詳しくまた日本人らしいメンタリティを持っている方も多数おられることに、国を越えた付き合いができたと感じることがある。

国民性はあくまで傾向であって、個性はあくまで個人のものであるからあまり乱暴なことは言えないが、学生の時に中南米を放浪してた際、道を聞いたらみんな即座に答えてくれて、その九割五分が間違いで、そのせいで二ヶ月で三回死にかけたことや、明らかに知らないのに知ってるアピールをするのが親切と思っている環境下ではそれが国民性であると断言されても仕方ないことは、一個人として言っておきたいことである。

たいてい南米の方々はそんな感じです。日本の価値観を期待するべきではないし、そんな不届き者がいたら全力で中南米には行かないほうがいい、と説得するのが、10年以上中南米と触れ合って感じるところである。

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