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《WOMAN Next 国際女性デーinぐんま  紙面ミーティング(中)》

 女性活躍推進に取り組む企業・団体を応援するキャンペーン「WOMAN Next 国際女性デーinぐんま2022」(上毛新聞社主催)の一環で、協賛社社員によるミーティングを開催した。「働きやすい環境」「女性活躍」などをテーマに、時代に合わせた働き方や意識の変化について意見を交わした。


【参加者】
前原 弘隆さん エムサロン社長
野村 知永さん エムサロンビューティー事業部マネージャー
大熊  慶さん オルビス惣菜事業部
桑原美和子さん ヌカベ生産管理課

両立の難しさ

前原弘隆_2067

前原さん 前橋と高崎、伊勢崎市で美容室を経営している。従業員の約7割が女性。年代は幅広く、形態も正社員、時短社員、パートとさまざまだ。

野村知永_1971

野村さん 入社6年目。ネイルや脱毛部門などを取りまとめている。私もそうだが、30代は仕事の意欲が高い一方、育児も大変。両立が一番難しい年代だ。

桑原美和子_2716

桑原さん 当社は自動車部品を製造している。女性が約3割と少ない。私は社会保険の手続きや勤怠管理、外国人実習生の手続きといった総務を担当している。小学6年と5年、年中の子どもがいる。確かに家庭との両立は難しい。 

大熊慶_2408

大熊さん 当社は食肉加工や飲食店を展開している。私は主にローストビーフを作っている。工場での作業がメインで、職人気質の年配男性が多い。正社員は男性が中心で、女性はほとんどがパート。結婚も出産もこれからだが、その後も意欲的に仕事したいと思っている。両立の大変さや課題を聞き、会社の制度作りに役立てたい。

問われる意識

桑原さん 当社独自の規定で、子どもが小学4年までは短時間勤務ができる。一人目の子どもの頃は就学前までだったため、会社に提案したら真摯(しんし)に受け止めてくれ、改善につながった。現在は小学校卒業まで検討している。看護休暇も小学校卒業まで適用され、無給だが皆勤手当には響かない。コロナ禍のテレワークも会社側から提案があり、柔軟に対応してもらえた。
 
前原さん 美容業も福利厚生面で一般企業と同レベルの制度整備が必要と考え、産休・育休を導入するなど、誰もが働きやすい環境を整えている。また、若手は技術のピークと出産といったライフイベントが重なることがあるため、早期育成に努め、ネイルやヘアメーク、脱毛など希望の業種を選べるようにした。従業員には長く働いて豊かなライフスタイルを築いてほしい。

野村さん 有休取得の促進にも努めている。プライベートが充実していると、仕事にも専念できると思う。

桑原さん 働きやすい環境づくりについては社長の考えが大きい。時代に合わせた多様な働き方を整えてくれている。

大熊さん 当社の社長も意識が高い。3年前に産休・育休が導入されたので、女性が増えるのではと期待している。シフト制だと休みづらい印象があるかもしれないが、インフルエンザ流行時や繁忙期などは各工場長や店長が人員を調整し、フリーの職員がサポートする体制を整えている。

前原さん 美容業界で働く人は女性が多いのに、トップは男性が多い。女性は仕事だけにコミットしづらく、家族の理解も十分ではない。女性のリーダーを立てながら、責任をうまく分散させることが大事だ。

大熊さん 当社は社員、パート関係なく、女性が強い。工場長を筆頭にチームで仕事に取り組んでいるから仲間意識が強く、言いたいことは言える関係。意見をまとめて上司に提案することもある。社長が行動的で、社長自ら社員に聞き取り、生まれた企画や制度もある。

桑原さん 言いやすい環境は大事。短時間勤務の延長を掛け合った時は、管理部長に上申することができたので提案が通りやすかった。だが、工場部門の女性は男性に囲まれているような状況なので、意見を言いづらいかもしれない。社長や上司側から聞いてもらえるとありがたい。


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中堅の役割

前原さん 中にはプライベート重視のスタッフもいる。仕事優先のほうが生産性は上がるが、長い目で見た時、どちらも許容できる会社でありたい。いつの時代も世代間ギャップはあるが、基本的な考えは変わらない。若手に伝わりづらい場合は中堅世代に頼り、上に向かって進もうというビジョンを共有している。

大熊さん 若手が休暇を重視する傾向は感じているが、オン・オフの切り替えがしっかりできればいいと思う。教育担当も務めているが、会社の方針や幹部の思いを若手に伝えるのが役割だと思っている。新入社員には目的を持って働いてもらえるよう、入社して数カ月で発注担当や清掃担当などの役割を任せている。

桑原さん 4、5年前まで女性の役職者は主任クラスが1人だけだったが、現在は12人にまで増えた。当社の行動計画では係長格を誕生させる方針で、必要に応じて研修やセミナーを行っていく。会社からの補助も出るので、お金のかかる子育て世代は安心して上を目指すことができる。

野村さん 楽しく好きな仕事をさせてくれる現在の会社には感謝している。今日の話を参考に、女性も提言しやすく、結婚・出産などを経て長く働ける環境づくりに貢献できたらいい。

桑原さん 他業種の働き方に関する制度や考えを聞けて勉強になった。社内にも広めたい。

大熊さん 「会社や幹部が今の時代に合わせなければいけない」という社長の方針の下、休暇取得や働きやすい制度整備が進んでいる。さらに若手や女性が働きやすく、活躍できる体制に向けて提案していきたい。

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(2022年2月1日付上毛新聞掲載「WOMAN Next」紙面ミーティング(中)を転載しています)



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