トビングスカイ - 5
「なんでなんともなかったのにアツが死んでるの? ねー、邪魔ぁ!」
「ほっとしたんでしょ。それより宿題は終わったの? ドラマ見たら寝なさいよ」
腹がぐるぐるする、と目をつむったままアツは思った。壁を隔ててハルが明るい声で誰かと話しているのが聞こえる。多分部員の誰かと電話で話しているのだろう、声はすっきりと晴れわたり、時々笑い声もする。ソウが無事だとわかった途端すっかり元気になってしまったのだ。
アツも安堵を誰かと分かち合いたかったような気がするのだが、腹がぐるぐると唸ってト