週刊ヲノサトル vol.20 (2019.2.11-2.17)

/カレーとシチュー
/新春隠し芸大会
/ロビーで凍死
/おかしな取扱説明書
/いきのね閉幕
/心の師匠
/他

2月11日 (月)

■ 父の好物クリームシチューが息子は嫌いなので、同じ具材を煮込んでから2つの鍋に分けてカレーとシチューを並行して作るというめんどくさい作業。

家族の人数が奇数なら多数決できるけど、偶数なので決裂するしかない哀しい家庭です。

ちなみに、具は一緒です……。


■ (個人の意見です)映画に有名人が出ると、新春かくし芸大会にしか見えなくて困ってしまう、ってのないですかね。キムタクさんとかジョニーデップさんとか出てくると、映画という「虚構」よりも、その有名人という「現実」の方が強すぎて。

でも、そもそもキムタクさんとかジョニーデップさんを観たいからその映画を観に行く層を見込んで制作が計画されるわけであろうから(スタア・システム)こう思っちゃう方が少数派なのかな


2月12日 (火)

■ 
「パパ、元気?」
「元気だよ」
「本当は?」
「そうでもない」

#息子氏の質問


■ 深夜、なぜかTシャツに裸足のまま携帯も持たずオートロックのロビー階に降りて自室に戻れないというのを久々にやらかしてしまい、マジで朝までここにいるしかなくて凍死するかと思った。

セキュリティの行き届いた場所だからこそ、約束事が守れない人間は隙間に落ちて死ぬ


2月13日 (水)

■ 朝から大学で入試業務を完遂。夜は「Co.山田うん」稽古場最後のランスルー。帰ったらまた音の手直し。今回も直前まで作業が続きそうだ


2月14日 (木)

■ 今日のEテレ『みいつけた!』で、1月のスペシャル版で一度だけ披露されたオフロスキー&スイちゃんの「ともだちさ」(ヲノサトル編曲)が放映された模様。16:45から再放送


■ いつものことながらMackieという音響メーカーの取扱説明書は、機材の説明だと思って読んでいると、いつのまにか草刈りワックスがけを押し付けられたりするから油断がならない。

こちらに至っては……

取扱説明書っていうか……ツイート

こういうわけなので、この会社の製品(と取扱説明書)を購入するのがいつも楽しみでなりません。

…… と書いたら、すかさずこんな粋なリプライが。

ますますこのメーカーが好きになりました。


■ 切羽詰まった〆切をかかえながらも先約は先約…… 今日はブラックベルベッツの練習日。

古い楽譜を引っ張り出してアレンジを思い出したり新たに作ったり。 #ブラックベルベッツ


2月15日 (金)

■ クラフトワークの分析原稿、ようやく入稿。 キーボード・マガジン 次号に掲載されます。

DAWに音源を貼り付け、必要箇所を耳コピーしてMIDIデータ打ち込み、finaleにインポートして譜例を編集しつつ、pagesで執筆していくワークフローなので、PC内で完結。

昔はCD白カセ止め止め聴きながら原稿用紙と五線紙に手書きしてたわけですよね…(遠い目


■ さて、ィヨコハマに向かう準備。Co.山田うん『いきのね』いよいよ劇場でのゲネプロです。果たして我が音楽がホール空間でどう響くか…楽しみ!


2月16日 (土)

■ いよいよ『いきのね』開幕。直前までデータ送り直したりしてたので、本番うまくいくかドキドキ…。 #co山田うん #横浜芸術劇場


2月17日 (日)

■ Co.山田うん『いきのね』無事に開幕。

見世物というよりも儀礼=祝祭として奉納する、神事のようなスタンスに変わりはないが、音楽に関してはRev.2と名付けたいくらい 初演から改変した。前回はストイックにモノクロームで作った骨格に、色彩を加えたつもり。具体的には旋律と和声の遊び。

初演で、奥三河の花祭を素材とする創作を依頼された時、直観的に「ローカル(特殊性)を起点にすることで、グローバル(普遍性)につながる」という目標が浮かんだ。祭の舞を録画し、唄を採譜し、太鼓のリズムや代々伝わる鈴の音を録音させていただいたが、

それをそのまま素材にするのではなく、その中から世界中の祭礼儀式祈りに通じる「核」を抽出しようと考えた。そこを起点にして、電子テクノロジーという言わば世界の共通言語で再構築すれば、たとえば宇宙人から見た「地球という星の祭り」みたいな大きなものが浮かび上がるのではないかと。

なんのことはない、日本民謡の音程構造をテトラコルドとして分析し作曲に応用した柴田南雄さんや、ストラヴィンスキーのリズム構造を数的に解析したブーレーズなど、自分が学生時代に傾倒した巨匠たちの、周回遅れの模倣に過ぎないのかもしれないが。

まあそんな裏方の思惑はともかく、この80分間は舞台芸術というよりも、たまたま乗ってた宇宙船が不時着したよくわからない惑星で、住民たちの奇妙な祭礼を眺めることになってしまった ……ぐらいの心持ちで、ぼんやり過ごしていただければ幸いです。

ダンサーたちは肉体の極限に挑戦してますけどね!


■ ところで、よく訊かれるんだけど、Co.山田うんでの当方の音楽は、全て後づけです。ダンスを観て着想し、リハーサルを録画してはその映像をもとにテンポや尺をコンピューターで少しずつ合わせていく。

もちろんこれが可能なのは、どんな音がきても揺るがず自分の踊りを続けられる、マシーンのようにタフなダンサーたちのおかげなのですが。とはいえ内心(チッ…また音を変えやがって…)と舌打ちしている可能性は否めない


■ 肉体を極限まで酷使する舞台を終えてヘロヘロになったダンサーと歩いてたら、モフモフした小さい犬を散歩させてる人が通りすがった。ダンサーが「癒される…」「今ならわかる…ハリウッドセレブとか色々大変な人がチワワとかの小さい動物をいつも抱いてる理由が…」と、しみじみ語ってて面白かった

肉体疲労時の栄養補給にはモフモフした小さい動物が効くようだ


■ To Doリストを作るなら、「作曲をがんばる」みたいなざっくりした事よりも「Aという曲の4小節目〜7小節目を埋める」程度には具体的な作業項目を書く習慣をつけないと、単なる願望日記で終わって、数年後に机の引き出しから出てきた時「あの頃は、こんな夢を持ってたんだな…」と懐かしむ役にしか立たない


 浪曲に三味線で合いの手を入れるのも、ジャズのインタープレイなんかも、日常生活と地続きのセンスだと思う。人がしゃべってる時どこで相槌をうつか…肯定と否定どちらで反応するか…みたいな瞬発力。それは楽器の練習で磨けるものではない


■ 

26年目にして心の故郷アキバに錦を飾ろうとしている明和電機社長が、ブログで思いを熱く語ってます。…長文っ!


■ 
「パパはお金が好きじゃないから、お金に好かれないんだよ」

#息子氏の指摘

お金を使って美味しいものを食べたり面白い楽器を買ったりするのは好きだが、お金そのものはべつに好きでもなんでもない。お金でお金を殖やしたいとか考えたこともない。お金には好かれそうもない。


■ 昨日の横浜芸術劇場には、師匠とあおぐ巻上公一さんが観覧にいらしてて緊張した。この歳になっても師匠は師匠なのだ。巻上さんには即興演奏の何たるかを学んだ。他にもたとえばターンテーブリスト時代の大友良英さんやキーボーディストの冨樫春生さんなど、師匠とこちらが勝手に決めつけている方は何人もいる

学校を出てしまったら、べつに弟子入りなんかしなくても仕事の現場で出会ったりして「この人には”教わっちゃった”なあ」とか「うわあ、自分とはレベルがちがう、こういう”域”があるのか」と気づかせてくれたら、もう師匠なのだ。皆さんにもいるでしょ?どんな仕事でも、自分なりのそういう「師匠」が。


■ いろいろめんどくさいから元号廃止主義者の当方だが、「山崎16年」とか「余市32年」とかビンテージになればなるほどコクが出そうで、これはアリな気がする


■ 祭りと旅は似ている。日常を離れ、特殊な空間と時間に身を置くことで自分をアップデートする体験として。逆にいえば、アップデートがなかったら旅でも祭りでもない。

大きな祭りが終わった今、長い旅からの帰路のような満足感と寂しさを同時に感じている


では、また来週。

(2019.2.18)



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音楽家ヲノサトル @wonosatoru 毎週のツイッターまとめです
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