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SIMPLE





2016年、
Love&Letter Repackage Albumに収録された
彼のソロ曲「SIMPLE」。


彼がこの世に出してきた楽曲の中で、
私が1番好きな曲。

それと同時に、沢山のことを考えさせられる1曲。


SIMPLEを初めて聴いた時、
私はまだ高校生で、彼は20歳だった。


昔から、考える事が好きで
その時の私は常に「幸せの定義とはなんなのか」と
答えの出ない自問自答を繰り返していた。

自分の人生なのに、どこか他人事で、
面白くも、漫画みたいなことが起こる訳もなく
寝て、起きて、学校に行くつまらない毎日が
幸せなのか?と。


だけど、ドラマや歌や、大人たちは
“当たり前な日常”や“平凡な毎日”が、幸せだという。



それが何だか、ただ全てを諦めたからこそ
たどり着いた答えなんじゃないのか?と
高校生ながらに、悶々と思考を巡らせて。


そんな時に、SIMPLEが出た。



音楽番組の街頭インタビューでよくある
「自分の気持ちをそのまま歌にしてくれている」
というのを感じたことが無かった私に
その感情をくれたのが、この曲だった。

행복은 그냥 말만 있는 거고
모두가 원하는 Dream일뿐이라고
말도 안 되는 얘긴걸
믿고 싶지도 않아서

SIMPLEより歌詞一部抜粋

私はもっと、“壮大な何か”が
「幸せ」だと思っていたからこそ
幸せという言葉に、
もっと特別な意味が欲しかったんだ。
幸せに夢を見ていたかったんだ。 と

だから、大人が言う幸せに
現実を突き付けられたようで目を背けたかったんだ。

あまりに子供じみた思考回路だけど、
彼が歌で教えてくれた
初めての“答え”だったように思う。


私がSIMPLEを好きな理由は大きく3つあって
高校生だった私がSIMPLEという曲と出会い
あの時感じた感情を大事にしたいという思いが
そのうちの1つ。

𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃


2つ目は、
彼との世界が交わることは無いと確信したから。


あんなに、共感しておいてどない〜⁉️😅💦
って感じなんだけど
今でも、SIMPLEを聴く度に、
彼と私の世界が交わることは一生ないし、
同じ景色を見たとしても、
感じる事は違うんだろうなと。
(推しに限らずそうだけど)


花が脇道に1輪咲いている。

私はそれを見て、1人で寂しそうだと感じるけど
彼なら花の頑張りや、今までとこれからの事
その花を見て、何かを感じる人の事
そして、私が述べた例以上のことを考えるんだと思う。


それを、歌詞にして、音に乗せて
世界中の人達に、歌として届けてくれる。


彼が体験してきたこと、
見てきたもの、考えている事が
私では想像も出来ないし、
同じ感性になることは不可能だ。

いつだって、
私の言葉に出来ない感情に答えをくれて、
新しい世界を見せてくれるのは
彼だから。


そこから、また私は新しい自分に出会って
彼が作ってくれた曲に対して
色んな感情を抱いて、曲と一緒に成長し、
人生を歩んでいく事が出来る。


だから、同じ世界を見るというより、
彼によって新しい世界を見せてもらっているから
交わることは無いと思っている。


彼が与えてくれたものから
私の思考が生成されていくので。



𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃


3つ目は、曲ビハインド。

曲ビハインドが大好き。
なぜなら、彼の思考にもっと近づけるような気がするから。


彼は、自分の作った曲の背景について
あまり口にしない。



どんな感情で、どんな風に作って、
どんなメッセージが込められているのかが出過ぎると
曲の幅が狭まる気がして
曲を聴いた人、それぞれの人生に重ねる事が
出来なくなるんじゃないかと思うし、
ビハインドに出たことが、正解だと思って欲しくない


と、言っていたが故に、
この理由をあげるのは申し訳ないけど…


マンセのジャケット撮影で、
夜空に無数の星が綺麗に浮かんでたんです。
その星を見ながら最初は綺麗だなと思っていたのに
だんだん自分がちっぽけに思えてきて
その気持ちをメモして「SIMPLE」という曲を書きました。

170315 オルゴールライブ(VLIVE)より



アイドルとしてこれから輝いていく、
世界に向かっていく人でも
世界にとっては僕なんて、ちっぽけで
埃にもなり得ないと思うんだな。
そこから、その感情を曲に落とし込むなんて素敵だ。
とこの時は、呑気に思っていたけど

ユネスコでのスピーチや、
MAMAでの大賞受賞後のコメントを聞いて
SIMPLEを作ろうと決心した時
葛藤していたのかな?と

「最初から成功を期待されていたわけではありません。
むしろ、私たちが失敗するだろうという
厳しい意見も多くありました。
〜〜〜(抜粋)〜〜ー
挫折はしませんでした。挫折するには若過ぎたのです。」

ユネスコ スピーチより

『僕達は、本当に後ろ指を沢山刺されたグループでした。
「お前たちは絶対に上手くいかない」と目の前で
全員が「お前達は人数が多すぎるから絶対にダメだって。」』

MAMA 大賞受賞コメント


まだ、大人にもなり切れない彼に、彼らに
そこにたどり着くまでの過程で、
人の夢も素直に応援出来ない
この世の底辺みたいなやつらに、沢山、きっと
これ以上の耳にもしたくない嫌な事を言われて、
でも、諦めるにはまだまだ若過ぎた。

それを経て、辿り着いたSIMPLEという曲で、

彼なりのSOSで、決意表明だったのかな、なんて。



夜な夜な考えてしまう。
良い言葉だけを、美しい景色だけを届けたいのに、
どうしてそれが叶わないんだろうと。


花道だけを歩いていけるとは思ってもないけど、
あまりにも人工的に、綺麗になるはずの
彼らの世界を遮るものが
この世界には多すぎる気がして。


本当にただただ彼が感じる世界が単純で、
それでも美しい世界であることを願いたい。




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