むかし書いた韓国コラム #438

 「○」か「×」を選択する際に、日本では「まる」と「ばつ」と言うが、韓国においては「オー」と「エックス」と言う。記述する際も英文字の「O」と「X」を使う。日本語の「まる」と「ばつ」に相当する韓国語は「トングラミ」と「カウィピョ」だがあまり使われていないようだ。

 手書きであれば「×」でも「X」でも見分けはつかないが、パソコンで入力する際には「×」と「X」は明確な違いがある。しかしながら韓国語の場合、記号類の入力は日本語に比べるとやや面倒だ。ということで、入力が面倒な「○」と「×」に代わる「O」と「X」の使用が一般化し、これが話し言葉においても流用されるようになったのではないかと想像してみた。

 ワープロ類が普及する90年代以前に韓国では「○」と「×」をどのように表現していたのか。残念ながら筆者の周辺にその当時の「○」「×」について明確な記憶を持つ者はいなかった。

【解説】
 ×は「カセピョ」が本来の標準語だ。はさみ(カウィ)に似ているため「カウィピョ」とも呼ばれるようになり、これが普及したことから国立国語研究院が標準語に認定したといういきさつがある。×印の意味で「エックス」と呼ぶのは厳密に言えば間違いだが、ここまで普及したならそろそろ標準語認定されてもいいかもしれない。

(初出:The Daily Korea News 2009年12月11日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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