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むかし書いた韓国コラム #727

 自宅から近いこともありソウル歴史博物館によく足を運ぶ。興味のある企画展があれば見るようにしている。いまやっているのは「MADE IN 昌信洞」という企画で、東大門に近く縫製工場が密集していた昌信洞の歴史を振り返るというもの。

 最近の展示は結構凝っていて、今回目を引いたのは昌信洞にあった「旅人宿」の復元だ。せんべい布団、小さなブラウン管テレビが置かれた2畳間ほどの狭い部屋や、共用トイレなどが当時のままに再現されている。エイジングやウェザリングなどの技法を使い古びた感じもうまく演出しており、懐かしさを感じる出来だった。1カ月半ほどの短い企画展の割に実物を思わせるしっかりした再現で感心してしまった。このほか昌信洞の縫製工場も同様に再現されており、写真資料よりもはるかにわかりやすい実感的な展示に力が入れられているように感じた。

 韓国の公営博物館は入場無料となっているのもうれしいところ。次の企画展も楽しみだ。

【解説】
 昌信洞自体にそれほど思い入れがあるわけではないが、古き良き時代の面影を残す街並みはいまも残っているはずである。博物館の再現もいいが実物を見に行くのもいいだろう。最近は芸術文化の街としての開発も進んでいるというがどんなものだろうか。


(初出:The Daily Korea News 2013年7月11日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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