むかし書いた韓国コラム #599

 日本の両親から「年末年始は帰ってくるのか」とメールが来た。先月帰ったばかりなので特に行く気はない。いや、しばらく会ってないとしてもこの時期に実家に帰るのは避けたい。オンドルが当たり前の生活に慣れてしまうと日本の家は寒すぎて耐えられないのだ。正月には家族そろってお雑煮でも食べたいところだが、底冷えする家は御免蒙りたい。春までは近寄るつもりもない。

 一方、頻繁にソウルに遊びに来る知人。年末年始には来るのだろうか。尋ねてみると「寒いから行かない」との返事。旅行者はソウルまで来て1日中ホテルに閉じこもっているわけにはいかない。室内なら温かいが、外出することを考えると日本より寒さの厳しいソウルは防寒対策も必要だし、気軽に出歩くのに適しているとは言い難い。

 結局、年末年始は日本に行く気もなく、だれも来そうにない。オンドルの効いた部屋でだらだらと過ごすことになりそうだ。実は毎年のことだけど。

【解説】
 日本に帰ったとしてもホテル滞在なら遠慮なく暖房をガンガンにかけるが、実家だと電気代がかかるとかなんとか小うるさい。日本人は暖房費をけちって室内でブルブル震えながら耐えるのを美徳だとでも思っているのだろうか。その後、年越しは台湾やタイなど暖かい国で過ごすようになった。

(初出:The Daily Korea News 2011年11月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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