むかし書いた韓国コラム #747

 世界の主要空港にはあるのに仁川空港にはないものがある。出入国審査の優先レーンだ。実際には存在するのだが、車いす利用者など利用対象が極めて限定されている。海外ではビジネスクラス以上の利用者や上級会員なら使用できる。この優先レーンを近くオープンする仁川空港第2ターミナルに導入する問題をめぐって議論が起きている。導入反対派は「高いチケットを買えない客に相対的剥奪感がある」、導入賛成派は「高いチケットなのだからそうすべき。海外では主流だ」と主張する。

 優先レーンがない空港はビジネス客にはすこぶる評判が悪い。仁川空港は空港サービス評価で常にトップクラスだが、優先レーンがないのはマイナスポイントになりかねない。当方もまれにビジネスクラスを利用することがあるが、長い出国審査を待たずに通過できればどれだけ楽かと思う。しかし当局は反発の声が多いことから導入については決めあぐねている様子。空港の競争力向上のためにも早期導入を願いたい。

【解説】
 剥奪感があるとかいうが、そんなのはひがみでしかない。高い料金を払ってビジネスクラスに乗るのだから優先レーンくらい使わせてほしい。ビジネスクラスの客が優先レーンに流れれば、一般客の出入国審査もわずかながら混雑が緩和されるのだから決して悪くないと思うのだが。

(初出:The Daily Korea News 2018年1月15日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)


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