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むかし書いた韓国コラム #921

 韓国のサクラの名所、鎮海。サクラのトンネルの中を列車が走る風景は絵になる。しかし残念ながら今年はその風景は見られそうにない。鎮海軍港祭ホームページによると、毎年軍港祭期間中に走っていたシャトル列車は今年の運行予定はないそうだ。鎮海線はもともと昨年1月で定期旅客列車の運行は終了しており、鎮海駅も閉鎖されるなど事実上の廃線状態となっている。

 サクラのトンネルで有名な慶和駅は毎年多くの観光客が訪れ、シャトル列車は人波をかきわけるように走っていく。ただ、写真を撮るために列車が接近していてもお構いなしで線路内に立ち入る人も多く、通過する列車は警笛を鳴らしまくり前照灯を点滅させるなどして注意を喚起し、時に運転士が窓を開け声を荒げることもあった。線路周辺には保安要員も配置されていたが、人身事故の危険性も指摘されていた。施設の老朽化もあり安全を担保できないというのなら仕方がないが、サクラの下を走る列車も観光資源としても魅力的だっただけに、見られなくなるのは残念だ。

【解説】
 走行する風景は見られなくなったが、その後も軍港祭の時期には慶和駅にディーゼル機関車やディーゼルカーが展示されていた。走行はしないので行楽客も危険な目に遭うこともなく思い思いに写真を撮ることができるようになった。マニアとしてはここまで機関車やディーゼルカーが走ってくる風景を写真に収めたいところではあるが。写真は2016年3月の慶和駅の様子。列車によじ登っての撮影も可能になった。

(初出:The Daily Korea News 2016年3月18日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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