むかし書いた韓国コラム #457

 韓国生活も長くなると、「韓国名を付けたらどうか」と言われることがある。しかし慣れ親しんできた名前と別の名前を持つというのはピンとこない。

 90年代に韓国サッカーで活躍し2000年に韓国籍を取得したタジキスタン出身のサリチェフ氏は、国籍取得にあたり韓国名を「申宜孫(シン・ウィソン)」と付けた。氏は鉄壁の守りを誇るゴールキーパーで、「神の手」と呼ばれた。そこで韓国語の「神の手」に同音の漢字を当てたという意外に単純な由来だ。

 筆者は「コバヤシ」である。しかし知り合いの韓国人には「コバヤシ」なのか「コバヤ氏」なのか区別が付いていないケースがみられる。ならばいっそのこと「コ・バヤ」という韓国名を付ければよいのではなかろうか。幸い「コ」という姓なら「高」が当てはまる。しかし残念ながら「バ」に当てはまる漢字がない。名前に必ずしも漢字が必要なわけではないが、あったほうが気分が出る。残念だが韓国名はあきらめるとしよう。

【解説】 
 生活する上で韓国名があれば楽になる部分は多々ある。ホテルなど身分証明書をチェックされるような場所で偽名は名乗れないが、お店の予約で電話をする際には外国人の名前を名乗るよりは韓国人の名前を名乗ったほうが面倒が少ない。

 (初出:The Daily Korea News 2011年5月24日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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