むかし書いた韓国コラム #938

 「年末年始は帰ってくるのか」と日本の実家から問い合わせが来た。韓国に来てから、年末年始に日本に帰ったことはほとんどない。オンドルのない日本の家は寒すぎて帰る気になれないのだ。韓国はクーラーのない家はあっても、オンドルのない家は存在しない。厳しい寒さゆえに基本的にオンドルは標準装備だ。

 ここ数年、日本では映画やドラマや音楽など韓流ブームで、さらに韓国料理も人気があるという。韓国の文化が日本で広まるのは結構なことだが、オンドルのような生活に密着した便利な文化も広まってほしいところ。オンドルはその構造上、既存の建物に後から設置するのは少々困難だが、最近は後付けで設置できる床暖房も登場している。新築マンションでは最初から床暖房を装備するところも増えているという。

 わが実家は当面リフォームの予定もなく、今後もしばらくは寒い冬を過ごすことになりそうだ。年末年始に実家に帰れるのはいつになるのやら。

【解説】
 日本家屋の防寒性の低さには閉口する。寒くても服を着込んで耐えるのが美徳だとでも思っているのだろうか。厳寒期でも室内では半袖と短パンで過ごせた韓国が懐かしい。

(初出:The Daily Korea News 2012年11月16日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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