むかし書いた韓国コラム #887

 大型スーパーの義務休業制度には賛否両論がある。先日乗ったタクシーの運転手は、「あんなのは市場の奴らの甘えだ」と怒っていた。聞けば市場の中の服屋で服を手に取ってみたものの、買わずに戻したら「買う気がないなら触るな」などと言われたらしい。その運転手はそれ以来絶対に市場には行かないという。

 一方、とんだとばっちりを受けているのは外国人観光客だ。おみやげに食品類を大量に買おうと大型スーパーを訪れたものの、運悪く休業日に当たってしまうと目も当てられない。ソウル駅のロッテマートをはじめ外国語のできるスタッフや外国語表示があり、価格も明瞭な大型スーパーは観光客にとって安心できるショッピングスポットだ。言葉のできない観光客に市場での買い物はハードルが高い。義務休業だからと他の市場に観光客が流れるとは思えない。取りはぐれた外国人支出も結構な額に上るのではなかろうか。

 この制度は結局どれだけのメリットがあるのだろうか?

【解説】
 正直なところ市場にあまりいいイメージは持っていない。金額が不明朗だし、観光客の多いところだとぼったくりのリスクもある。そういう不埒な市場の店こそ営業停止を義務づけた方がいいのではないか。

(初出:The Daily Korea News 2012年6月12日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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