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(イス)ラマダンなう!!

 現在、世界中のムスリムはラマダンの真っ最中だ。ご存知のようにラマダン期間中は太陽が出ている間は一切の飲食をしない。太陽の動きによって毎日多少の変化はするが、だいたい4時くらいから19時くらいまで、ざっと15時間だ。
 そんな中、今の時期は日本の小中学校の運動会シーズンらしい。週末になると近所の小学校やから運動会のアナウンスが聞こえてくる。そこで気になったのが「ムスリムの子たちはどうしているのか?」ということだ。断食を始める年齢は各家庭・各個人によって異なるが、小学校高学年になると断食をしている人は比較的に多い。
 学校に通っているムスリムの子供たちは、この時期の運動会および運動会の練習期間をどのように過ごしたのだろうか?
 考えられる選択肢は3つだろう。
①断食をしながら参加する。
②断食を破って参加する。
③断食を守るために参加しない。
 他にも方法があるのかもしれないが、考えられる範囲では全て何らかの「苦痛」を伴うことになる。

 日本社会における人口比0.1%以下という超マイノリティーなムスリムのために「運動会の時期を変更しろ」「特別な配慮をしろ」と声高に叫ぶ気は私にはない。だが国際的なスポーツイベントとなると話は別のような気もする。
 2012年に行われたロンドンオリンピックは7月27日から8月12日まで開催された。そして2012年のラマダンは7月19日から8月18日。つまりオリンピック期間中が完全にラマダンなのだ。2014年のサッカーW杯も同様に開催期間がラマダンの時期と重なった。
 現在、ムスリムの人口は約16億人、ラマダン期間は世界中の4人に1人が実践しているのだ。このような状況を顧みず世界的なイベントが催されるのはいかがなものだろうか?この問題の根本は「ムスリムに対する配慮が足りない」「宗教的な配慮がされていない」というものではなく、おそらく「イスラム文化に配慮できる人間が組織の中に1人もいなかった」という更に根深いものではないだろうか?
 これからの多様性が求められる時代。まずは「多様性のある組織」を作ることから始めるべきではないだろうか?
1つ質問しますね。
 
来年のラマダンはいつですか?

(text by ナセル)

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