14.性転換

文豪とアルケミストのキャラで30日CPチャレンジ(連続で書くとは言ってない)
史実に基づかないし、文アルに寄せてるかも怪しい、完全個人解釈で好きに書いています。
またCPは日によって変わります。閲覧は自己責任。

本日は吉植(って表現で良いのかな??)

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 早朝。直木は布団の中にこもっていた。己の身に起きた事を手で触り、確認する。豊かな胸、くびれた腰、柔らかい尻。あと、男性であれば誰でも付いているはずのアレがない。着ていた寝間着も、寝る前に比べるとやや大きくなっている気がする。
 何が起きたのか予想は付くが、寝ぼけてるんじゃないかと寝直そうと掛布団を深くかぶった所だ。起きたら元に戻るだろうと期待しつつ。

「直木!起きてるか!」

 どんどんと戸を叩く音と、吉川英治の声が聞こえてくる。目は覚めているので出ても良いのだが、状態が状態なだけに、居留守を決め込むことにした。
 しばらくすると、ガチャリと音がして「鍵が開いてるな…」という声がする。そう言えば閉め忘れていた気がしないでもない。
 直木はあきらめて布団から顔だけ出した。

「なんだよエイジ、朝からうるせ………」

 吉川の姿に、直木の言葉が止まる。吉川も身体に変化が起きていたようで、豊満な胸の片方がこぼれ落ちそうなくらいギリギリの所で布に抑えられている、いつもの服装の吉川がいた。
 吉川は直木が起きてるのを確認すると、ずかずかと部屋に入り、直木の静止の声も聞かずに布団を剥がした。

「な、何すんだよ!」
「直木……やはりお前もか……!」
「何がだよ」
「何故か図書館の皆、性別が入れ替わっている」

 直木は盛大に吹いた。直木自身、もしくは今目の前に居る吉川のみに起こった異変かと思ったが、どうやら全員の身に起こっているらしい。
 一体どうして、と思ったが、原因が分からず今全員で司書を探しているらしい。

「なんだオレだけじゃなくて皆なのか。それはちょっと他の奴の様子でも見に行きてえな」
「谷崎殿が真っ先に永井殿の所へ向かって行ったが」
「その情報は別に要らない」

 直木はそう言いつつ外に出ようとすると、なぜか吉川に止められる。横にすっ、とよけようとすると、吉川も同じ方向にすっ、と動く。
 2、3繰り返すと、直木と吉川はじり…とお互い構えを取る。

「なんだよエイジ、外の様子を見に行かせろよ。それともオレに見られたら都合のわるいもんでもあるのか?」
「そうではない。だが、直木、自分の恰好を少し考えろ。それで外に出る気か?」
「今のオマエがそれいう?」

 直木は自分の服装を確認すると、なるほど寝間着の前で合わせてる所は少し開きすぎてるかもしれない。とはいえ、いつもならこれくらい、胸元は開いている。
 どっちかというと、胸の布でギリギリ隠しきれてるのかどうかという吉川の方が、目に毒だとは思うのだが。

「少し顔つきも変わっている。まぁ直木に変な気を起こす奴は居ないとは思うが……」
「どういう意味だよ」
「とにかく、少なくとも何か着替えてから出てくる方が良い」
「オマエの恰好だって大概だからな?」

 吉川に胸元を直されながら、吉川なりに気遣ってるのは分かっていたので、直木はそれ以上は追及はしなかった。
 これで吉川が明確に直木を意識して赤面でもすれば、多少は見所があったのかもしれないが、吉川は至って真面目な表情を崩さない。

「着替えるが、エイジも着替えて来いよ。それだって十分他の奴の目に毒だろ」
「む……そうか?」
「そーなの!着替えたら他の奴の様子見つつ司書探しだな」

 吉川の肩をぽんぽんと叩くと、着替えるから出ろと言って吉川を部屋から出した。天然なのだろうが、それでも女性の姿になって、普段通り外に出るのがどうしても気になったんだろう、と思うと、不思議な恥ずかしさを直木は感じる。
 気にしても仕方ない、と気を取り直して、ささっと着替えた。

 1日性転換状態の図書館になったが、司書の徹夜の努力により、何とか翌日には全員元に戻れた。

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このお題で書きたいCPがあった気がしたんですが忘れました(トリ頭)
吉川先生に何となく振り回される直木先生というのは良いものだと思っています!笑

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