12.いちゃいちゃする

文豪とアルケミストのキャラで30日CPチャレンジ(連続で書くとは言ってない)
史実に基づかないし、文アルに寄せてるかも怪しい、完全個人解釈で好きに書いています。
またCPは日によって変わります。閲覧は自己責任。

本日は龍植。

----------------------------------------------------

 晴天。中庭のベンチでは直木が1人座っていた。特に何をするでもなく、ぼうっと中庭を眺めつつ大きくあくびを1つする。
 そんな直木の視界に、ゆらりと煙が横切った。煙の方を追うと、外にある喫煙場所で、芥川が1人、煙草を吸っていた。

「あれ、直木さん」
「よぉ。外で吸ってるとか珍しいな」
「司書さんに追い出されちゃった」

 芥川はえへ、と少し苦笑を浮かべる。文士たちのいる部屋ではあまり口うるさくは言われないが、基本室内は決まった場所以外は全て禁煙になっている。外でも吸える場所は指定されており、どこでも煙草をふかせられる昔とは違うのだな、と思い知らされる。
 司書室も禁煙だ。今日は芥川は助手のため司書室に行くと、司書室の内装が麻雀をやるような内装になっていた。この状態なら大丈夫だろうと煙草を出したら追い出されたのである。煙草を吸うなら外で、と。

「ずいぶんと煙草に厳しい時代になったよなぁ」
「本当にね。僕は煙草がないと書けるものも書けないのに」
「オレも酒を飲まない分煙草はな。1本くれ」

 転生してから減ってはいるが、直木も煙草を吸う。芥川に1本ねだると、芥川も懐から煙草を取り出し、1本取るよう差し出した。
 直木は芥川の煙草を1本取ると、口にくわえて、芥川の方に差し出す。その様子を見て芥川は笑うと、ライターで直木がくわえてる煙草に火を付けた。

「直木さんは何してたの?」
「オレは別に、ただの散歩。あとなんかネタでもねえかなと思って出てきたが…」

 特になんもねえな、と近くのベンチに座りなおす。元々目的があって中庭に来てるわけではなく、ただ天気が良かったから外に出ただけだ。

「オマエはこの後司書の手伝いがあるんだろ?」
「うん。だけど、満足するまで煙草吸ってきて良いって言われたから、時間はあるよ」

 芥川がそう言って、直木の隣に座る。
 芥川が満足するまで煙草を吸ってたら1日終わるんじゃないか?と直木は思ったが、あえてそこに触れる事はしなかった。

「直木さんの髪はふわふわだねえ」

 芥川は無邪気に直木の髪をいじる。最初驚いて身を引いたのだが、最近は芥川の行動にも慣れ、されるがままになっていた。
 図書館では大勢が入れる大浴場があり、シャンプーやリンス等、持ち込みも可だが備品のものも悪くはない。直木はこだわりがあるわけではないので備品を使っているが、割とこまめに風呂に入る。

「毎日風呂入ってりゃ、こんなべたつく髪にはならねえんだよ」

 そう言って、直木は芥川の髪を一つまみつまむと、すぐに手放す。最近は気温の下降と共に芥川の入浴頻度も下降している。
 風呂を面倒くさがる芥川は、当然ながら髪を洗う頻度も低いわけで、どうしたってべたつきが起こりやすい。

「そんなに汚れてないよ…?」
「前回風呂入ったのいつだ?」
「まだ一昨日だもん」
「一昨日だもん、じゃねえわ。毎日入れよ」

 直木は芥川の頬を指先でぐにっと押す。うぇ~、となんとも言えない声を上げながらも、芥川は直木の髪をいじりつづけていた。
 ふと、何かを思いついた芥川が、ぱっと直木の方を見る。

「そしたら、僕の髪洗ってよ、直木さん」
「は?」
「直木さんみたいにふわふわになるかもしれないじゃない」
「オレが洗う意味あるのかね。まぁいいぜ。きっちり洗ってやる」

 風呂に入らないよりは入る方が良いだろうし、何より2人の共通の友人は喜ぶであろう。
 そんな約束をしつつ、しばらくゆったりと、距離が近い状態で2人きり、ゆっくりと時間を過ごした。

----------------------------------------------------

いちゃいちゃしてますよ!!!(当社比)
司書の助手の仕事を忘れるくらいにはいちゃいちゃしてますよ!!!!仕事はしてほしい()

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?