18.好きな事をする

文豪とアルケミストのキャラで30日CPチャレンジ(連続で書くとは言ってない)
史実に基づかないし、文アルに寄せてるかも怪しい、完全個人解釈で好きに書いています。
またCPは日によって変わります。閲覧は自己責任。

本日は露伏(表記がワカラン顔)(釣りの話です)

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 本当であれば、比較的近場の川釣りを予定していた。司書が「この時期だと、ぶりが釣れるんですよね!」と目を輝かせて言うものだから、井伏は期待に応えようとうっかり海まで来てしまった。
 時期的に確かにぶりが釣れる可能性はあるが、確率で言えば、正直相当低い。そもそもぶりの回遊についての情報をまるで得ていないのだ。
 まぁ司書も本気で言ったわけでもないだろうと思い、釣りが出来そうな岸を探す。何かしら釣れればそれで僥倖……と周囲を見渡していると、見慣れた後ろ姿を見つける。
 釣りが好きと聞いてはいたが、特別一緒に行く等の声はかけた事はない。お互い釣り好きと認識しつつも、タイミングはお互い自由にしていたため、こうして釣り場で会うのは初めてだな…と考えつつ井伏は声をかけた。

「幸田さん」
「ん?……井伏か」

 幸田はどうやら沖釣りをしようとしているらしく、他の釣り仲間であろう人と話をしていた。
 井伏が声をかけると、これはちょうど良いという感じで、にっ、と笑ってみせる。

「お前も釣りか。丁度良い、乗り合いにもう1人と話をしていたところだ」
「急に参加して良いもんですかね。大丈夫ならお邪魔しましょうか」
「構わん。これで船頭も船を出してくれるだろう」

 幸田はそういうと、船頭の所に話をしに行く。どうやら、ある程度人数が揃わないと船を出さないと突っぱねられていたようだ。井伏も、なかなか都合的に合わず出来てなかった沖釣りが出来るのであれば、それはそれで運が良いと乗っかる事にした。
 同行者は井伏、幸田のほかに若い男女。そして船頭。船頭の説明があり、船は出発し、釣りポイントへと進む。

「しかし幸田さん、良くこうやって沖釣り出るんです?」
「いや。今日はそんな気分だっただけだ。誘っておいていうのもなんだが、井伏は今日は沖釣りで良かったのか?」
「構いませんよ。その代わり司書にぶりを期待されてるんで幸田さんも手伝いお願いします」
「は?ぶりだって?」
「まぁぶりでなくても、何か釣れれば問題ないでしょ」

 これでたとえ井伏自身が何も連れなくても、幸田が何か釣れれば司書の期待を完全に裏切る事にはなるまい。そう笑うと、幸田も簡単にほいほい付いてきたのはそういう事か……とため息をついた。
 しかし、例えそういう目論見があるとはいえ、趣味である釣りをやる、という事に違いはない。結果がどうなるかは分からないが、釣りの時間は存分に楽しむ事にしようと2人は思った。
 目の前の男女は周囲が見えないほと引っ付き、親しげに話をしている。その様子から、正直井伏と幸田はお互いがいて丁度良かったのかもしれない、とほんの少し思った。多分1人でこの様子を見ているとなったら、いたたまれない。

「そう言えば、一緒に釣りに出るのは初めてでしたね。どうです?これを機に予定が合えば一緒に出ませんか」
「俺は1人で楽しむのが好きなんだが……ま、そうだな。気が向いたらな」
「釣聖と言われた幸田さんと釣りをするってのは、俺も転生してやりたい事の1つだったんでね。是非に」

 冗談めかして、本気かどうかわからない調子で言う井伏に、釣聖とまで言われて、意識はしていなかった幸田はなんとも言えない、照れくさいような居心地が悪いような、少々複雑な表情を浮かべる。
 井伏は幸田がそんな反応をすると思っていなくて、意外と面白いのかこの人は……?と興味を持ちつつ、ふふっと笑みをこぼした。

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釣聖って”ちょうせい”って読むらしいですね!予測変換には出てきませんが!
CPの表記が分からない第二弾でした(?)でも、ここ2人仲良くしてたら嬉しいなと思うんですよ!
釣りは好きだし!酒は好きだし!気が合うんじゃないかな知らんけど!!笑。


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