9:友達とみんなで遊ぶ

文豪とアルケミストのキャラで30日CPチャレンジ(連続で書くとは言ってない)
史実に基づかないし、文アルに寄せてるかも怪しい、完全個人解釈で好きに書いています。
またCPは日によって変わります。閲覧は自己責任。

本日はあんおだ。

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「紅葉狩りだー!!」

 と、太宰の提案に元気よく無頼の4人で出掛けたまでは良かった。
 あそこに何かあるかもしれないと細い道に入り、向こうで珍しい鳥が居たと道なき道に分け入り、川があれば大丈夫だろうと川沿いに歩き、断崖絶壁から川の水が大きく流れ落ちる滝を紅葉を背景に上から見るのは、それはそれはたいへん絶景ではあったのだが。

「で、ここはどこなん?」
「今は現実を見るときじゃないぜ、オダサク」
「安吾このアホンダラ!現実みいひんかったらワシらここで全員仏さんになるで!!」

 盛大に迷子になっていた。

「迷子じゃねーし!まぁここは滝だったが、大丈夫だ、ゆっくり降りてちゃんと川沿いに降りれば絶対帰れる」
「何日かかるんやって話やゆうねん」
「まぁでも太宰が言うのにも間違いはないと思うぞ」
「檀クン、ここは太宰クンたてへんでも良い所やで」

 檀はどうにも太宰に甘い所がある。理屈的にも川を下っていけば、確かに海には出るだろう。それまでの道のりを考えなければの話だが。

「でも逆に登っていく方が良いかもしれないけどな」
「なんで?登ったらまた下りないと行けないじゃん」
「頂上に近いほど、登山道に戻りやすいんだ。麓の方が広いから迷いやすい」

 最初からそれを言え、と織田は思ったが、一応言葉は飲み込んだ。突っ込んでたらキリがない。それに、檀の提案は正規の道に戻れる可能性が十分高いように思われた。
 日もまだ高いので、日が落ちる前に登山道に戻れれば僥倖。もし日が落ちてしまったら、野宿を考えなくてはならない。
 一旦全員の確認を取り、登り直し始めた。体力的にはまだ余力はあるのだが、気持ち的に登りなおすとなると、この後の工程が長くなるという感覚になり、どうにも沈んでしまう。特に太宰が顕著だった。
 それでもしばらく歩くと、小屋見たいなものが都合よく見つかった。

「なんや作り話やあるまいし。こない都合の良い事なんてあるん?」
「あー、なんでも良い!俺もう無理!歩けない!休みたいー!!」

 小屋を見つけた瞬間、太宰が子供が駄々をこねるように座り込んだ。楽しく遊びに来たはずなのに、迷子になり、しかも今日中に帰れなさそうな見込みで、何もかもが嫌になり始めていたのだ。
 坂口と織田も、それなりに疲れていて、元気なのは檀だけである。檀だけ体力があったのだが、他が疲れてるようなら無理をするわけにもいかない。

「そしたらこの小屋借りるとするか……食事は……まぁ、ナイフとかもあるし、何とかなるだろ」

 檀の言葉に太宰がパッと笑顔になる。食事と寝床があれば、一晩くらいは何とかなると思ったのだろう。

「よっしゃー!小屋の中はどうなってんだろ!」
「あっ、太宰クン、1人で走るなや!」
「仕方ないやつだな…追うか。小屋は全員で見た方が良いだろ」

 そう言って、4人で小屋の中を見てみる。扉の鍵は特にしまってなかった。
 内装はとてもきれいで掃除が行き届いていた。寝具も3人分あり、ガスコンロや調理器具、薪、その他もろもろ休むにしても十分すぎる設備が整っていた。

「おっ、綺麗じゃーん。ここならしばらく過ごせそうだな!」
「こりゃラッキーやけど……ちょぉおかしない?ここまで綺麗な小屋なんてその辺にあるもんなん?」
「俺たちの日ごろの行いが良かったんだな」
「そういう問題やあらへんやろ」
「もしかしたら近くに山道があるかもしれないな」

 ちょっと見てくる、と檀が出ようとすると、太宰もつられて一緒に出て行った。太宰は疲れていたはずなのでは?と残された二人は疑問に思う。

「太宰クン元気やん」
「もしかしたらすぐに帰れるかもと思って安心したら回復したのかもしれないな」
「そういうもんなん?そういうもんやな、太宰クンは……」

 ふぅ、と一息ついて改めてみると、人の手が入ってないはずがない設備。やかんがあり、お湯も沸かせそうだ。さらに探すと、茶葉もある。
 坂口は茶でも飲むか……と織田の分も用意し、お茶を入れた。

「ほれ。飲むだろ」
「おおきに」

 太宰と檀が戻ってくるまで、2人は今日の事で話をする。結局珍しい鳥は何だったのか、坂口の勘に頼ってきた結果がこれだとか、檀は実はあれでこの小屋の事知ってたんじゃないかとか。
 何か新しい作を作るネタとして、この小屋はさすがに都合が良すぎるとか、あえてベタベタに出す方が面白いかもとか、様々な話をした。
 少し日が傾きかけ、もしかして檀と太宰がさらに迷子になったんじゃないかと心配になったその時、2人は戻ってきた。

「安吾!オダサク!近くに店があって人が居たんだ!帰り道がわかったぞ!」
「めっちゃ団子食ってますやん」
「安吾と織田作の分も買ってあるぞ」
「そういう問題じゃないんやけど」
「この小屋については分かったのか?」
「そうそう、ここ、無料の休憩場所なんだって!いやー、俺はそうだと思っていたぜ!天才小説家の勘って奴かな!」
「あ、茶葉とか使ったなら、その分その横にある貯金箱にお金を入れるらしいぞ」

 檀に言われてみてみれば、確か小さな豚の貯金箱がある。ずいぶんと善意に任せた商売をしている。盗まれるんじゃないかな。

「まぁ入れておくか。安心したのは事実だしな」
「今日中に図書館帰れそうなん?」
「今から下山すれば間に合うと思うぞ」
「ほな、帰りましょか」
「そうするか。無事に帰れるなら何よりだ」

 坂口と織田は飲みかけの茶を一気に飲み干す。ちょっとしたトラブルはあったが、これはこれで良い時間を過ごせただろう。
 4人は道を教えてくれた人に改めてお礼を言い、無事に下山が出来た。

 図書館に帰る前に居酒屋へ寄ってしまったため、結局その日のうちに図書館に帰る事は叶わなかった。


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長い長い長い(1本1000文字前後で書こうとしてる)
お題の話で登場人物2人に絞ってるのは、人物が増えれば増えるほど長くなるからなんですが、このお題は複数人出さざるを得なくて。
あ、いや、CPは2人の雰囲気を大事にしたくて()
友達含め遊びに出かける、しかもCPでってなるとどうしても長くなるんですよね。仕方ないのかな。

しかもCP…か…?いや、二人でゆっくり話したし……!?笑。

本当ならもう少し時間かけて、細かく状況やら心理描写やら出来たら良かったんですが、それをやると1本にかかる時間が多すぎて続かないので…!私の技量が…足りない…!

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