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教育の今後と教師論

 自分の担当している授業「国際協力プロジェクト」「地域貢献プロジェクト」はとにかくお金がかかる。講師への謝礼や物品購入などなど。そのため生徒負担を少しでも減らす為、毎年研究助成金を申請している。そのような流れの中でいつの間にやら年度毎の自分のテーマが決まるようになってきた。

 去年は日本私学教育研究所の委託研究を受け、「PBL型授業における教師の言葉かけ効果の検証」を行なった。良い言葉かけは、生徒たちのPBLへの取り組みの動機付けにつながるという仮説を立証する結果だった。当然と言えば当然なのだが、それでも自由度の高いPBLに慣れていない教師が生徒をやたらとコントロールしたがり、成績評価などを武器に権力を振りかざす姿に以前から疑問を抱いていたので、それを否定する結果が確認できたことが正直に嬉しい。

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 によると生徒たちの創造的学習活動に1番の効果をもたらすのはPBL型授業である。勉強を通して何かしら社会に貢献できるという実感を持つことで、「もっと知りたい」という意欲を駆り立てることとなる。「テストをしないと勉強しない。」という声をよく聞くが、「何のために勉強させているのか?」の方が「意欲」という面においては重要である。そして、意欲がないと学習効果が高まらないことは周知の事実でもある。

 ちなみに有名な企業家イーロンマスクは人間の脳とAIを繋げることを研究している会社ニューラリンクを立ち上げている。

 もしも、これが実現したらテストなど全く意味がなくなる。このようなSF映画のような話を持ち出さなくても、小学1年から大学4年まで受けたテストの内容で果たして記憶に残っている情報はどれぐらいなものであろうか?

 人間は今後「覚える」という作業よりも「多くの情報をAIの力を借りながら処理し、行動に移す」という分析・行動論の方に生き方がシフトしていくであろう。現に今のどのような職種においても分析力は必要だと社会人誰もが感じていることだ。

 学校教育を明日から突然「試験なし!」と変化させることはできないが、少しずつでも大きなビジョンを捉えながら変化させていくことは必要である。そうした時、教師の役割はどのようなものになるのだろうか?先述した私の研究結果がそのヒントになると願っている。

世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。