(全文公開)デジタル教科書議論を受けて

デジタル教科書の使用時間制限が撤廃される。

個人的にはそれを使う、使わないというのは現場の自由な意思に任せるべきであると思うので、撤廃することには賛成である。だからと言って使い放題というのはまた異なる。端末によるかもしれないが、例えばiPadの場合、バックライトを一日中浴び続け10代を過ごすというのは科学的根拠あるなしに関わらず健康に悪いと誰もが感じるのではないだろうか。

こういう話をすると必ず持ち出されるのが産業革命。「それまでの世界の常識が覆る時には必ず反対意見をつきもの。しかし、結果的に現代の生活を作り出した。いずれ、人はそれに慣れる。」ということだ。

人は適応力があるので新しい環境に慣れるのは当然である。現に私の世代の人間の想像を超えるぐらいスマホは普及し、生活の一部と化している。しかし、産業革命で公害が社会問題となったように、この情報革命で問題となるのは人の健康であろう。

空気汚染も健康を害するが、毎日脳という人間の根幹部分に光を放つデジタルデバイスの健康被害はそれ以上のものかもしれない。これはいくら人類が進化しても乗り越えることはできないであろう。仮にできたとしても変異種が出てくるのは何百年も先だ。まあ、それまでには健康に優しいデバイスが生み出されると願うが。

デジタルの利点、欠点、それを十分に把握し、活用することが月並みな言い方だが必要だと思う。デジタルと言えど万能ツールではないのである。全てをデジタル化することに拘るのではなく、バランスを考えた利用を模索することが教育現場にとって大切である。「デジタルにしかできないこととは?」「紙の利点は?」この視点を忘れずにカリキュラムを作成すべきだ。

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世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。