寂しさ

自分が見ている景色は自分にしかわからないということに、時々寂しさを感じる。

同じ方向に、同じ速度で歩いているのに、街中で見つけたものに対して「あれかわいい」と言っても、"あれ"がどれを指しているのか明確に伝えなければ、相手が共感したとしても、その相手は異なるものをかわいいと認識している可能性がある。

たとえ、"あれ"を明確に伝えたとしても、"あれ"の"なに"がかわいいかは共通していない可能性がある。他人と同じものを見て、同じ感情を持つことは想像以上に難しい。

人間というか、生き物の孤独さを強く感じてしまう。寂しさに敏感すぎるのかもしれない。

私が見ている赤は、赤ではないような気がする。
私が思い浮かべる空は、本当に空なのだろうか。
青色カレーは美味しくなさそうに見えるが、この青色が本当は茶色なのかもしれない。

このように考え始めたら、終わりがないのだ。

自分と同じ人間はいない。

一人一人、違う人間であり、違いを受け入れる寛容さを持つ必要がある。

水が透明でも桃色でも虹色でも、異なることに寂しさを抱いてしまわないように。

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