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\早ければ早いほどいい/透析患者さんの採血データの見方

どの透析室でも月2回行われる採血ですが、結果をそのまま患者さんに返していませんか?

簡単な項目はわかるけど、詳しく説明を…と言われると困ってしまう、と言う方はどれ位いらっしゃいますか?

採血データの管理業務を始めると言われて、焦っている方はどれ位いらっしゃいますか??

上手く説明できないのはあなたが悪い訳ではないです、何が原因かと言うとシンプルに教育を受ける機会が無かったからです!

私もそうでしたが、業務のやり方は教育されたと思います。
しかしながら、採血結果の見方を教えてくれる人はいませんでした。

このnoteでは日頃から、業務として採血データチェックを行い、Drと条件変更などを話し合っている私が、普段意識しているポイントを項目別に分けて説明していきます。

このnoteを参考にして貰えば、採血データ管理業務か楽に便利なものになります。

それでは一緒に学んで行きましょう!

貧血編


貧血をcheckする項目は以下の通りになります。
・Hb
・RBC
・フェリチン
・TSAT

まず、初めにHbの基準値は10~12g/dlです。

これを下回ると貧血として、易疲労感や息切れなどの自覚症状から、果ては輸血が必要になることがあります。
かといって、12を超えての管理が正しいのかと言うと、それもまた違います。

生命予後の観点から、10~12g/dlで管理するのがベストです。

Hbが低下する原因は腎性貧血によるものか、鉄欠乏貧血によるものか、このどちらかです。

腎性貧血はRBC(赤血球)を作る働きをしている。
エリスロポエチンが低下している状態=RBCが下がっている、と認識してもらってOKです。

RBCの管理値ですが、透析患者さんは300~350万/μLを目標にこの値を、逸脱していないかをcheck(正常人は400~600万/μL)

さて、このRBCを調節するにはどうするのか?

答えはエリスロポエチン製剤(ESA)の投与量を見ていきます。

Hb値が低く、RBCが低下しているのを確認したら、ESA製剤の量を増量

逆に、Hb値が12g/dlを大きく上回っていて、RBCも高ければESA製剤を減量
この様に、Drに上申すれば良いでしょう!

続いて、RBCの低下が無い時は、鉄欠乏貧血を疑います。
主に、フェリチンとTSATです。
この二つは鉄を示す指標になります。

透析患者さんは鉄欠乏に陥りやすい傾向にあります。
これは、先に記したESA製剤によって鉄を使用する事や、透析回路内に多少なりの残血など、避ける事が出来ないためです。

CKD-MBD編

CKD-MBDのcheck項目は以下の通り。
・リン(P)
・カルシウム(Ca)
・インタクトPTH

#リンをチェックする
【P基準値:4.0~6.0mg/dl
透析患者における高P血症となる理由は、以下の点が挙げられます。

1:無機リンの過剰摂取
2:服薬アドヒアランス不良
3:透析不足

多くの場合は1or2のケースであり、最初は食事指導から始めます。

リンには有機・無機があり、有機リンは植物性あるいは動物性の物に多く含まれ、無機リンはいわゆるジャンクな物や食品添加物に多く、無機リンの方が吸収率が高いので、意識する様に指導して下さい。

それでも改善しない場合は、P吸着薬の内服を検討していきます。

Caをチェック
【Ca基準値:8.4~10.0mg/dl
高Ca血症になる理由は連続している事を意識して下さい。

Caを保つ仕組み
小腸からCaを吸収しており、それを促進するのが活性型ビタミンDです。
そして、ビタミンDを活性させるのは腎臓です。

ところが、慢性腎不全の患者は腎臓の働きが悪いために活性型ビタミンDが作れず、小腸からの吸収が不足し低Ca血症に陥りやすいです。

そもそもの前提として、透析患者さんの体内は、Caが低下しやすくPが上昇しやすい状態になりやすく、この状態が続くと、副甲状腺が刺激されPTHが分泌される…

→これが、副甲状腺機能亢進症と言われる状態です。

PTHが分泌されることで骨からCaを取り出して血中Ca濃度を上げる。

流れとしては
①低Ca血症
②高P血症
③活性型ビタミンD不足
④PTH過剰分泌
⑤高Ca血症

と、なるのでまずは高Ca血症・PTH過剰に介入していきましょう。

個人的にはインタクトPTHの介入を初めてから、高Caを是正し、高Pを内服でコントロールしていくのがベストな流れかなと考えています。

インタクトPTHは60~240位が適正と言われています。

その他


・アルブミン
・カリウム

アルブミン
アルブミンは、患者さんの栄養状態を示す指標です。
アルブミンが低いと透析中の血圧低下や、浮腫が見られます。

アルブミンが低いという事は、栄養状態が悪い=食事が食べれていないということになります。

なのでやるべき事は、2つ。

1つは食事の聞き取りと介入、もう1つは透析条件の見直しです。

オンラインHDFではアルブミンがガンガン抜けていくので、HDに切り替えてアルブミン漏出を抑えてやる必要があります。

アルブミンを上げる方法は、食事をしっかり摂るか、運動をしてカロリーを消費する!

とはいえ、心臓の問題などで運動が出来ない患者さんもいるので注意して下さい。

個人的には3.5前後あればいいのかなと思っています。

カリウム
【K基準値:3.6~5.0mEq/L】
カリウムが高いとどうなるか、ご存知の通り不整脈から心停止に繋がります。

そのため、カリウムの制限は透析患者さんの命題であり、カリウム制限の指導を如何に行うか…我々透析に携わるスタッフの課題だと思います。

そんなに大事?確かに心停止は怖いけど…と思う人も居ると思います。

カリウムは何に多く含まれているかご存知ですか?

そうです、緑黄色野菜に多く含まれています、あとはフルーツとか…

これって、透析患者さんが問題としてる例のアレにも直結しています。

インスタでも上げましたが、緑黄色野菜を制限すると便秘になりやすいです。

透析患者さんが便秘になりやすいのは、水分制限に合わせて、緑黄色野菜や果物を制限しているからなのです!

カリウム摂取制限のために水にさらす、茹でこぼすなどありますね。

これらはとても大切ですが、水にさらしたり茹でこぼして除去されるカリウム量は約30%だそうです。

うーん、思ったよりは減らないんだなと私は思いました。

たまには生の食感で食べたいだろうし、毎回、毎回水にさらしたりするのも面倒だなぁー…という気持ちも理解出来るので、たまにはそのまま食べても良い!と私は説明しています。

しかし、チリツモなので、たまにはという事と、量は食べすぎないようにして貰うのが大事です!

ご覧いただきありがとうごいました、この記事を活用して是非とも明日からの業務に役立てて下さい!




・・・ここで、終わるつもりだったのですが、ここまでお付き合い頂いた皆さんは、もしかしたら患者の採血データ管理業務を任されていて、行き詰っているのではないのでしょうか?

そもそもなぜこの記事を書こうかと思ったのか、それは私自身が採血データ管理業務が始まった時にひたすら教科書を開き、悪戦苦闘しながら学んだ経緯があったからです。

そして、あることに気が付きました。
採血データの見方が分からないのは自分が悪い訳ではない。

何が悪いのかと言えば、日々の業務が忙しくてそこまで勉強する時間を割くことが出来ないのが問題なのだと。

数学の公式のように一律で答えが決まっていれば楽なのですが、患者さんそれぞれによって値や注意する項目が違う…

人によってみているポイントが微妙に異なるために一つずつ勉強しなければいけない。
けど、そこに時間を割くリソースが無い…

安心して下さい、ここから先に述べる事を押さえた上で、上の内容を確認すればめちゃくちゃ楽に、しかも先生に褒められるデータ管理が可能になります!

それによって、空いた時間を更に別の勉強や趣味、交友の時間に使えるようになります!

どうですか?すごくないですか??

無料で公開しても良いのですが、ここから先は有料設定にしました。

その理由は、これから先の情報が確実にあなたの助けになるからです。

タイトルの\早ければ早いほどいい/は、このテクニックを知るの事が早い方が良いという事です!

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