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【朗読:1人読み】星には色がある

くろろこさん×dayoさん朗読企画参加
テーマ:色、星
推奨BGM:もっぴーさうんど様 ながれぼし

性別不問、人称変更〇、語尾変更〇

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満点の星空を眺めながら
見つけた星に色を付けていく。

赤、青、黄色、水色…

実際にその色に見えるわけじゃない。

だけど、僕はそう思う。
だって、君が教えてくれたから。


『星には色がある』


ある日、何気なく見上げた空。
その日は星が少なかったけど、一番星と言われる星がぽつりと輝いていた。

何故だろう…今の自分みたいだと思った。
隣に君がいるのに。

だから、僕は君にこう言った。

「なんだが、あの星は寂しそうだね」

そうすると、君は「どうして?」と聞いてきた。

まさか、そんなことを言われると思っていなくて
「なんでだろう?」と返したら、君はこう言った。

「あの星の周りには僕らに見えないだけで
 たくさん星が輝いているんだよ」

ますます、分からなくなった。
不思議そうにしていたのだろう。
君は補足するように、話し始めた。

「星は、はるか彼方から光を届けているから
 どうしても目立つ光の強い星だけが
 目についてしまう」
「だけど、それは人も同じでしょ?
 個性が強い人ほど目に付いたり
 印象に残ったりする」

そう言われて、納得した。
確かに人も、目立つ人と目立たない人が居る。
だけど、確かにここで生きている。

「じゃあ、寂しくないんだね」

僕がそう言うと、君は笑顔で「うん」と一言。
そして、こう続けた。

「人には十人十色という言葉があるように
 星にもきっとある。
 だから、見つけた星に自分なりに
 色を付けたらいい」
「それに、人は亡くなると
 星になるとも言うしね」

少し切なそうな笑顔で僕を見たその顔は
目を離せなかった。

それからだ。
僕は、空を眺める時、見つけた星に色を付けた。
もちろん、止まっている星だけじゃない。
流れ星も見つけられた時には色を付ける。
そうして、昔の大切な思い出を振り返る。

君の色を、忘れないために。
いつか、君を見つけるために。

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今回は朗読企画参加作品。
テーマは仲の良い方から頂き
イメージを膨らませる為に曲を探していた時に
フリーBGMで見つけた
「ながれぼし」という曲に合わせる形で
テーマの2つを入れて書きました。
最後、ちょっと切なさを出してしまいましたが…
楽しんでいただけたらいいなぁと思います。

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