ライター雑記(その23) 発注書の書面化は必ずしも必要ではなかった話
音声SNSのStand.fmでも話したのですが、とあるクライアントワークを通じて、発注書の書面化は必ずしも必要ではないことを学びました。
もちろん、下請法では、親業者に対し、3条書面と呼ばれる発注書の発行は義務付けられています。しかし、法律的には、下請業者の許可を得れば、発注書の書面化は不要になるようです。
今回は、下請法における発注書の書面化が不必要な場面について解説します。
親業者は発注書を発行する義務がある
ご存じではない人も多いと思いますので、下請法において、まず発注書がどのような役割を果たしているかについて解説します。
公正取引委員会によると、親業者は下請業者の利益を守るために、発注時に具体的事項を記した3条書面(発注書)を発行することが義務付けられています。
具体的記載事項とは、検査が完了する期日や支払いを完了する期日、支払代金の支払い期日などです。その項目は、12項目に及んでいます。
なぜ発注書の発行義務が課されているかはわかりませんが、おそらく過去に下請業者に発注書を発行せず、支払いをしなかった業者が多かったからでしょう。
そのほかにも、下請法は、納品物の受領日から60日以内に代金を支払う60日ルールや、遅延利息の支払い義務などが記載されています。
発注書の交付はメールで代えることが可能
私は過去に発注書がないことにより、取引を円滑に進められなかった経験から、昨今は徹底してクライアントに発注書の発行を求めていました。しかし、最近になって、発注書の交付はメールで代えることが可能という事実に気づいたのです。
これについて、弁護士法人クレア法律事務所は下記のように解説しています。
つまり、親業者はメールでの送付を提案し、下請業者が承諾すれば、発注書の交付をメールで代えることが可能なのです。
私にとっては、目から鱗でした。この文言は、公正取引委員会のホームページには書いていなかったためです。
これを知らなかったことにより、クライアントとの取引を1社終了させてしまうなど、苦い思い出ができてしまいましたが、失敗を教訓に次の仕事へ生かしていきたいと思います。
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