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ライター雑記(その53) なぜ会社組織の人間関係はギズギスしているのか。

「労働者社会はとかく息苦しい」

会社組織で働く人の中には、このように考える人も多い。

なぜ、会社組織は息苦しく、人間関係がギスギスしているか。

結論から言うと、会社組織の人間関係がギスギスしているのは、資本主義的な性質に基づき、即物的社会関係が形成されているためだ。

即物的社会関係は、ドイツの経営社会学に基づく概念の一つで、経営構成員の関係性での疎外(社会関係の物象化)を意味する。

社会関係の物象化が起きると、労働者の人間性が失われ、社会関係で人格的な結合が希薄になる。平たく言えば、集団が利益を大一義としたものとなり、同僚との関係性が冷たくなるのだ。

労働者社会では、社会関係の物象化は避けられない。つまり、どんなホワイト企業であっても、人間関係は、基本的に良くないのがデフォルトなのだ。

これに基づくと、「社員同士の仲が良い会社です」「アットホームな会社です」といった企業のキャッチフレーズは、嘘っぱちであることがわかる。

また、現在、会社で人間関係で思い煩う方も、当人の問題だけではないことを強調したい。結局のところ、労働者社会の人間関係は、冷たく、よそよそしく、時にはギスギスするのが普通なのだから。


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