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「無税サラリーマン」って、ぶっちゃけお得なの?

こんにちは、ひらっちです。今日も朝から仕事をしています。年末はいつもこんな感じですが、今年はやけに忙しい気も。新型コロナの影響で、年末年始に長期連休の取得を考えている企業が多いからでしょうかね? 

個人的には「フリーランスの稼ぎ時は、会社が休む時」だなんて思っていますが、他のフリーランスの皆さんはいかがでしょうか?

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

■昨日は書店を訪問してこんな本を見つけました

あらためまして、ひらっちです。今日は「お金」について、なかでも「税金」について書いてみたいと思います。

僕はライターをしているので、普段からよく書店に足を運びます。

若い人には「電子書籍派」の方も増えていると思いますけど、僕はどうしてもタブレット端末の画面に馴染めなくて、いまだに紙派を貫いています。Amazonで購入することもありますが、8割ぐらいがリアル書店での購入ですかね?

本屋さんって、やっぱり「よく出来ているなぁ~」と思うんですよね。電子書籍でも「おすすめ」は表示されると思いますけど、最近のトレンドをざっと体感するには書店を覗いてみるのが一番。あと、「偶然の出会い」は書店の方は格段に多い気がします。・・・僕が電子書籍を使いこなせていないだけかもしれませんけどね。

で、昨日も近くの書店に足を運んだのですが、たまたまこんな本を見つけました。

只野範男さんという方が書かれている『無税入門』という本です。刺激的な帯が一際目を引きました(笑)

実はこの本、以前にも手に取ったことがあるんですよね。本の中にも書いている通り、2007年10月に同じタイトルで出版されていて、それを読んだことがあるんです。おそらくリーマン・ショックの頃だから2008年~2009年ぐらいかな?

前回の本は、結構話題になっていました。ご想像の通り、「賛否」というより「否」が圧倒的に多かった印象です。今回はどうか分かりませんけど、やっぱり否定的な意見をお持ちになる方が多いのかな?という感じを持っています。

ざっくり内容を解説すると、サラリーマンが副業で赤字を出し、その赤字分を給与所得と「損益通算」して、所得税&住民税を還付してもらう。さらに「住民税非課税世帯」になることで、低所得者向けの各種減免も享受するという、著者なりの「節税スキーム」を紹介している本です。

■無税サラリーマン、確かに可能だと思うけど、結構大変そう・・・

ちなみにこの本は、旧作のタイトルに「完全版」と加えて2018年に発刊されたものを、最近になって文庫化したもののようですね。

旧作を読んだ当時は、世の中で副業に取り組んでいる人はかなりの少数派だったと思います。それが今や、政府も副業を推奨するような状況になっていて、時代が変わったなぁ~なんて改めて感じます。

この著者の方は、サラリーマンとして年収500万円を稼ぎ、控除分などを差し引いた課税所得が42万円だったそうです。通常ならこの額に税金がかかりますが、副業で赤字を出していると、その赤字分をさらに所得から引く形になるので、サラリーマンとして納めている税金が戻ってくる、というわけです。

あんまり税金に詳しくない方のなかには、「副業で赤字を出ていたら、ちょっとぐらい税金が戻ってきても結局損じゃん!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

一見すると確かにそうですよね。でも、そこには「家事按分」というカラクリがあります。

ビジネスをする上で「家庭でも使うけど、ビジネスでも使っているもの」ってありますよね? 例えば、「我が家をオフィスにしている」「自家用者を営業車としても使っている」といったケースは、個人事業の方には普通にあることだと思います。

こういう時には、ビジネスで使っている分を計算して経費にすることができる。これが家事按分の考え方です。で、該当する生活費の一部を経費化し、赤字の事業を作ることで、給与所得で納めた税金を戻してもらおう、というスキームなわけです。

ただ、この本を読んで個人的に思うのは、「節税のために、わざわざ副業をして赤字を作るというのは、あんまり効率のいい話じゃないよなぁ~」ということ。ぶっちゃけ黒字化に労力を傾けた方がいいんじゃないかなと。

また、本編ではあんまり触れず、巻末で一覧にして紹介していますけど、税の還付を受けるよりも金銭的なメリットが大きいのは、「非課税世帯」が受けられる各種減免の方だと思います。

このあたりは、確かにお金の面だけを考えれば得をするかもしれませんが、「う〜ん、どうかなぁ~」というのが正直な感想です。本来、生活に困っている方のセーフティネットとして機能している制度ですから。このあたりをどう考えるのかは、それこそ「人による」でしょうね。

ちなみに低所得者の恩恵については、過去の記事『アーリーリタイアの「不都合な真実」』でも触れていますので、気になる方はこちらも覗いてみてください。

ほかにも、損益通算が認められる「事業所得」ではなく「雑所得」と認定されてしまうケースがあること、副業が会社にバレる可能性があることなど、色々なリスクがある点も気になるところてす。

サラリーマンの方が、数万円から十数万円の節税をするためだけに「赤字の副業」を始めるのは、なかなか大変だと思います。

「趣味=副業」みたいな状況であれば、やってみてもいいかもしれませんが、事業として認められるには、それなりの売上がないといけませんし、単純に節税を考えるのであれば、住宅ローン控除や、最近であれば「イデコ」「ふるさと納税」など、もっと王道の節税制度がありますからね。

■まとめ

いかがでしたでしょうか? 一時期話題になった「副業で赤字を作り、サラリーマンの税金を安くする」という「無税サラリーマン」のスキームは、個人的にはあんまりお勧めしません。ちょうどよく赤字を作るなんて、そんなにうまくいきませんよ(笑)

あと、赤字を作ることが目的化するという、変なインセンティブが働いてしまいますからね。

ただ、この本の内容の本質は、個人的にはプチ副業のアドバイス本だと思っていて、これからビジネスを始めたいと考えている方向けの「税金の知識を鍛える頭の体操」としては、なかなかお勧めだと思います。

ビジネスには良い時もあれば、悪い時もあります。悪い時の防衛策を考えたい人は、一度読んでみてもいいかもしれませんよ。税込み660円で、安いしね^ - ^

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