学力向上への貢献度を教員評価に含めてはいけないの?(大阪市の学力テストを教員評価へ反映する議論について)

※はてなブログに2018-09-24に投稿した記事の転載。


引用ツイート
https://twitter.com/izure_tobuka/status/1030459242128392192?ref_src=twsrc%5Etfw

大阪市の学力テストの件が話題になってから、一月半以上たってしまいましたが、上記のツイートはこの問題について、わかりやすく写真も添付して表現されていたので、備忘録として引用しつつ感じたことをメモ。

まず、この学力テストの件が話題なった当初から思ったことですが、学力テストの結果を教員評価に反映させることは、全国学力テストの時期や前年度比で学力向上度を測ることなどについて難しい面があるなとは思いました。

しかしながら、例えば数学を担当する教員が、生徒の数学のテスト結果を全く自身の評価に結びつかないというのは、おかしいとも思いました。

教育評論家を名乗る方々は、様々な理屈で大阪市の学力テストの教員評価について、モチベーションダウンにつながるなどの批判をしていましたが、そういう方々は教員の評価に、生徒の学力への貢献度合いを評価しなくていいと考えているの??
と思った次第です。

やっぱり冒頭で引用したツイートの吉村市長の「学力を高めることも学校の重要な役割」という発言の通り、学校の重要な役割なわけです。というか本業。
そこへの貢献度合いを教員評価の要素に含めなくてどうするの?と感じます。

というわけで、以下は私のこの問題に対するスタンス。

1.学力テストの結果を人事評価に含めていくという考えは、教職員の業績評価としては、当然だと思います。全国学力テストではなくとも、なんらかの学力試験結果を基に、教師の業績評価をすることについては、私は「行うべき」だと考えます。

2.もちろん、それだけではない、文科省提示の学力の3要素や社会性等も含めた生徒児童へのプラスの影響を評価すべきで、それらを踏まえた人事制度にすべきかと思います。

以下は、この問題について評論記事の一つを紹介。

論点1については、当然、学力テストの結果は教師だけのせいではないです。家庭環境との影響も大きいのは教育関係者はよくわかっていると思います。
しかしながら、教師の努力及び学校の努力によって、学力へのプラスの影響はもたらせることができるので、適切な目標値を定めて評価をしていくことが必要です。

論点2は、ボーナスありきではなく、教員評価に含めるべきかどうかでしょう。

個人的に上記の記事で示唆的だったのは、家庭学習への働きかけの状況が大阪市と秋田県で差がある点。秋田福井石川等はこの数値高いです。個人的に上位県との差は、①家庭学習の働きかけ②学力テストの結果活用③基礎学力定着の取組④アクティブラーニングの取組等にあり、この辺が学力に影響していると考えています。

もっと、原因分析すべきという評論家さんにおいては、全国学力状況調査の回答をより分析いただいて上位県と下位の県との差を分析し、コンピテンシーを提示してほしいです。

個人的には、今回の大阪市の議論を契機に、教員の人事評価の在り方と全国学力テストの結果分析に基づいた、授業改善、家庭との連携、学校運営等について、より検証が進み、効果的な取組が進むのに期待しています。


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