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#107 この人は信頼できる【書評】オードリータン デジタルとAIの未来を語る

◾️はじめに

第二週はベストセラー。
著者自身が本の中でこの本について以下のように述べています。
「本書はデジタルの世界に関わってきた私がテクノロジーが世の中をどのように変えるのか、人間はテクノロジーに対してどのように向き合って活用していけばいいのかについて私なりの考えを述べた本」であると。それではどうぞ。

◾️要約

信頼を前提としてデジタル化をしていくことでより良い社会がつくれる。
これまでのさまざまな経験から誰も置き去りにしない社会の実現に貢献する。
弱きものの声をデジタルで拾い上げデジタルで助け合って解決していく。
まさにプログラミング思考である。
そのベースは自発性、相互理解、共好という素養である。

◾️感想

救いがある。
と私は感じました。
なぜならより良い社会という前向きな言葉が出ているから。
テクノロジーが発展、殺伐としていく、昔の方が良かった、などの後ろ向きで終わることがなかったので、いいなぁと感じました。

僕自身もテクノロジーのプラスの面を信じているので、前向きに書いてあり、嬉しいです。

そしてこれだけ優秀な方が国のために活躍されている。

実際にお会いしたことはないですが、信頼できると思いました。この人を。
そういう繋がり(対面した訳ではないのに)もテクノロジーの良い面。


◾️要約(詳細)

◆序章 信頼をデジタルでつないだ台湾のコロナ対策
コロナ対策で封じ込めにいち早く成功した台湾。
これはSARSの経験と社会がデジタルを信頼している前提があったから成り立ったもの。
社会のデジタル化には信頼が不可欠。

※なんとなく怖いもの。ではなく信頼しているもの。この捉え方の違いは大きい。

◆第一章 AIが開く新しい社会 デジタルを活用してより良い人間社会を作る
AIは何をしたいか、どういう方向性でいくか、は教えてくれはしない。
それは人間が行うことである。
そしてインクルージョン、全ての人を置き去りにしないことを念頭に施策を行う。
老人がディジタルを使いにくいのであればそれにも対応する。
頭ごなしに押し付けるのは良くない。
一人一人が尊重され精神的に追い詰められない余裕のある状態になり、そうした人々が広く存在する社会を目指す。

※シンギュラリティもそれによって人間の価値を考えるきっかけになる、そんなものかもしれない。

◆第二章 公益の実現を目指して 私を作ってきたもの
自由主義の洗礼を受けた両親のもと育つ。
心臓の病があり家で過ごすことは多かったがインターネットがあったので、世界中の人と繋がり、様々な視点、考えがあることを知りながら育つ。
中学のときにAI推論に興味をもち、より自由に学びたいと退学。
企業、渡米、アップルなどを経験し、国家の仕事に関わりをもつ。
インターネットはジョブズがいう精神的な自転車、つまりより簡単により遠くにより快適にいけるための道具であると考える。
その核となるのは公共の利益。

※著者自身がインターネットに救われている。外でリアルに遊べなくとも外と繋がれる。

◆第三章 デジタル民主主義 国と国民が双方向で議論できる環境を整える
インターネットの力を活用し、小さな声を拾い、多くの人で議論して共通の価値観を創り上げる。皆の力で社会をより良い方向に進めることがデジタル民主主義の未来の可能性である。
みんなのことをみんなで助け合う精神。

※知らない人の知らない声をネットを通して知ることができる。知れば自分と違う、と切り捨てることが減る。それがいい方向への第一歩だと思う。

◆第四章 ソーシャル・イノベーション 一人も置き去りにしない社会改革を実現する
デジタルの力を使ってマイノリティを置き去りにせずイノベーションを実現する。
そのためにインクルージョン・持続可能な考えを持ってオープンに物事を進めていく。
信頼関係がベース。政府はマイノリティの声を拾い共通の価値観で行動に移していく。
イノベーションによって人間の仕事はよりクリエイティブになっていく。

※情報が限られ、手段も、リソースも限られたら大きな声からやるしかない。が、デジタルの力で小さな声も拾えるようになった。
心配はいらない、みんなの力で小さな声にも対応できる。

◆第五章 プログラミング思考 デジタル時代に役立つ素養を身につける
デジタル時代にはAIを使い問題を助け合って解決するようになり、その前提として自発性、相互理解、共好(お互いに交流し、共通の価値を探すこと)が素養として必要になってくる。
そのため、画一的な考えの人とだけ接するのではなく様々な意見考えを持つ人との交流が必須である。

※共好という概念、素敵。一方からの押し付けではなく、共通の価値、これがポイント。そのために相手のことを考えるようになるから。

◾️アクション

お互いに交流し、共通の価値を探すこと、をする。会社の議論の場で。

◾️読みやすさ

★★

◾️ハッシュタグ


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