財務会計基礎② BS(バランスシート)

BS(バランスシート)貸借対照表
バランスシートは、企業活動を行うための道具である資産と、それを賄うための負債・資本という両面から企業の実態をつかむ、という意味合いが伴う事が多いともいます。

バランスシートは左側と右側に分かれて、左側には資産の内訳が並び、右側にはまず負債、ついで資本が並びます。 バランシシートは複式簿記の原則に沿ってつくられるものなので、左側と右側の総計は必ず等しくなります。

資産         負債
流動資産       流動負債    (銀行借入、社債発行)
固定資産       固定負債

           資本(純資産) (株式発行)


①資産
まず、左側の資産ですが、これには大きく分けて流動資産と固定資産があります。
流動資産は、現金・預金、売り上げにかかる金銭債権である売掛金、仕掛品や在庫など、すでにお金として手元にあるもの、あるいは今お金になってないけどすぐにお金になることが予定されているものが該当します。
固定資産は、工場、社屋、機械設備などの有形固定資産のほか、ソフトウェアやのれん(買収した企業の営業権)などの無形固定資産等からなります。基本的には事業をおこなうためにそのままの形で使用されるものが多く、すぐに現金化されることが予定されていないか、それが困難なものが該当します。

②負債と資本
企業は、前記の資産をもとに事業を行って利益を追求するわけですが、その資産を得るための元出となているものが負債と資本です。
負債は他人資本、資本は自己資本として区別されます。
・負債には、資産と同じく流動、固定という区別があります。
流動負債は、仕入れにかかる金銭債務である買掛金や、短期借入金など支払い期限が短期(1年以内)にやってくる債務(支払い義務)を指します。
固定負債は、長期借入金など支払い期限が長期のもので、いますぐには返さなくてもいいお金です。ただし両者の違いは期限までの長さだけであり、いずれも支払い期限が定められている点は同じで、要するに「期日がきたら、きっちりと返さないといけないお金」ということになります。
負債には、買掛金のように業務のなかで自然に発生するものと、銀行から借り入れや債券発行に伴う債務など、資金調達を目的に行う財務活動の一環として生じるものがあります。

③資本
バラスシート右側の下にある資本は、事業の出資者が提供してくれたお金、もしくは出資者に帰属すると考えられているお金を表すものですが、負債とは違って支払い期限が定められていません。一口に言ってしまえば支払い義務のない、すなわち「返さなくてもいいお金」です。株式会社を例にとれば、会社が株を発行して投資家がこれを購入したときに支払う代金、すなわち出資金がこの資本の元になっています。株には、負債である債券とは違って、返済期限である満期というものがありません。ですから企業には返済義務がないということです。
資本はこのか株式の発行の代わり金、つまり出資金のほかに、過去にその企業が得た利益の一部が加わっていきます。企業が事業を行って利益を上げていくと、負債の額がかわらないとすれば、それは売掛金や現預金といった資産の増加として結果に表れます。 この資産の増加は、株主によって提供された資本を使った結果として得られたものですから、この増加分も株主に帰属するものとされ、したがって資本を同額増加させることになります。
しかし、資本を積み上げあるのは、利益の全額ではありません。
企業が利益を得ると、そこから税金を払い、さらに一部を株主に配当として支払い、役員賞与などもここから支払います。これら外部に流出した残りの部分が資本として積みあがるのです。利益のうち、この資本に加わる部分を内部留保と呼びます。


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