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2015年5月 シンリズム / NEW RHYTHM

 どんな世界でもにも、何年かに一度、天才少年/少女が突如現れる事があるのだけれど、今回紹介する「シンリズム」がまさにここ数年の音楽業界のそれである(きっと相当努力しているはずなので、天才と言うには語弊があるかもしれないが…)。

 現在高校3年(17歳)(?)という事前情報を持って初めて音源を聴いた時、本当に衝撃を受けた。まだ17歳の少年が、こんなとてつもなくセンスの良い楽曲が作れるのか、と。更にセンスが良いだけでなく、哀愁まで感じさせてくるのだ。もはや畏れすら抱いてしまう。

 とにかく全曲皆さんに聴いてみてもらいたいので、各楽曲のレビューは無用とさせていただくが、その中で特に驚かされたのが、アルバム中盤に「喫茶aori」というボサノヴァ調のインスト楽曲があって、曲中にはクラリネット(?)/フルート(?)/ギター/ピアノ/スチールドラムそれぞれの素晴らしいソロパートがあって(インプロビゼーションでしょうか?)、普通に生活してる17歳はこんな凄いの作れません。もちろん彼の歌は、オケにピッタリの清涼感があって本当に魅力的なのだが、こんなインストまで挟んでくるなんて、最初から最後まで、本当に度肝を抜いてくれる1枚です。

 最後に、『心理の森』の後半、フェイドアウトギリギリの、聞こえるか聞こえないか位の所で、シンリズムが突如雄叫びを上げるのだけれど、それが私には『楽しくてしょうがなくて感情が高ぶった時の雄叫び』に聞こえた。バンドでセッションをしていて、グルーヴが気持ちよくてつい叫び出してしまうような。

 彼がそういう感情剥き出しな部分を見せる事に(変な言い方だが)少し安心したというか‘無邪気な音楽好き少年’の部分が見えた事で、シンリズムというアーティストが更に好きになってしまった。

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