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教派擬人化マンガ『ピューリたん』発売!

 「アブラハムの宗教」40億人超と全地球人類が待ち望んだ教派擬人化マンガ『ピューリたん』ついに単行本化しました。なんと、あのゲームデザイナー・中村誠さん製作のカードゲーム封入豪華箱入り、2,000円(+税)です。先日の東京ゲムマでお目見えとなりまして、現在、随時書店注文を受け付けています。

 原作・作画は、若き才能SONOさんです。本作は伝説的作品『ヘタリア』や「まんがタイムきらら」を思わせる、ゆるふわ擬人化教派の日常系4コマ漫画です。紙面連載の全60話に番外編を加えた本書は、どれもこれも、クスクスっ、ぷぷっ、と笑える小ネタを仕込んでいます。元ネタとなっている歴史、漫画化する際の解釈など、いろいろと楽しんで頂けると嬉しいです。

 「監修・波勢邦生」と仰々しく入っておりますが、基本的にアイデアはSONOさんのものです。単行本化に際して、短いコラムを4つ寄せています。「そもそも教派はなぜできた?」「ピューリタンって誰?」「実は同じ教派でもこんなに違う?」「マンガに登場しない教派」というテーマで単行本のために書きました。

 キリスト教の教派名とそれぞれの性格を、おもしろ可笑しくなんとなく、可能な限り薄く広く知るための、入門書の玄関名札の写真のような本作、ぜひお手元におき、御一読下さいませ。

 「キリスト新聞、サブカルに偏り過ぎやろ!」というお叱りと呆れも方々で伺いますが、おじさんたちも頑張ってるんです。何番煎じかは不問とし、ぜひご笑覧を賜りたく思う次第です。キリスト教にゆるい興味を覚えている一般の皆さまに、また、教会学校の小中高生さんにも楽しめる内容です。話のネタに、老若男女問わず全世代へのプレゼントに、様々な用途が見える『ピューリたん』ぜひご利用ください。

教派擬人化マンガ「ピューリたん」 コラム⑤欄外編

「キリスト新聞社って?」

 キリスト新聞社は、戦後直後に賀川豊彦によって設立されました。賀川豊彦(かがわ・とよひこ 1888-1960)は、戦前から戦後にかけて活躍したキリスト教徒です。その仕事を要約すると「学者、小説家、貧民救済、労働運動、農民運動、平和活動家、内閣参与、説教者」であり、ノーベル文学賞候補(文学賞2回、平和賞 6回)でした。

 そんな賀川によれば「キリスト新聞社」の使命は、文明批評と社会教育です。何か難しそうな言い方です。「文明批評」とは、文化・制度・技術を「理解・研究」した上で、建設的に批判し、向上を目指すことです。「社会教育」とは、大小さまざまに大変な現実を踏まえ、それらを支える大きな社会を設計するために学びを促すことです。

 社会全体への教育による文明と生活の向上、大きく美しい目標です。しかし、そんな賀川豊彦にも問題がありました。「差別発言・戦争協力・天皇制」です。これら3つの課題は、そのまま「日本のキリスト教」の問題と重なります。現在、あらゆる「差別」が問題になっています。また、経済的・環境的につながった今日の世界では、誰であれ「戦争」と無関係ではいられません。「天皇制」は、どう論じるにせよ、キリスト教にとって大きなテーマです。

 いいかえれば「差別・戦争・天皇」というテーマは、そのまま「日本人」の自画像の問題になります。明治の開国以来、列強諸国との比較の中で差別されてきた歴史、戦争による「近代日本」の敗北と挫折、「戦後日本」という、この国のかたちと天皇の関係。これらは、日本とは何か、日本人とは誰か、と問いかけています。

 もし、キリスト新聞社が賀川豊彦の足跡を辿り、その先へと進みたいと願うなら、「キリスト教」を報道することで日本語とその文化を批評することが仕事になるでしょう。宣教するのではなく、報道するのです。

 人類最大の宗教的伝統「アブラハムの宗教」の一部、日本にとっての異物「キリスト教」を報じること。それは日本とは何か、日本人とは誰か、という共通のテーマに貢献することです。

 キリスト新聞社、そんな会社ならば面白いと思いませんか。

           ※wikiより画像引用「賀川豊彦」

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