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青春18きっぷ+夜行バス+ちょっとだけ特急(要別途運賃)

家内が残業で遅くなると言ってたので、ふらっと1泊だけの些細な旅に出た。
旅といってもまったく大がかりなものなんかでなく、言ってみればただの暇つぶしの1泊バージョンでしかない。もちろん(直前にはなってしまったけれど)家内の許可はもらって出かけています(笑)。

最近の私はいわゆる〝撮り鉄〟にハマっている。学生時代から社会人初期あたりにかけてはむしろ〝乗り〟鉄だった。脳がフル回転しがちな私にとって、乗り物に揺られている時間というのがきっといいリハビリになるのだと思う。かつては本を読んでいたけれど、すっかり目が弱ってしまったので最近は景色を眺めてはうとうとと居眠り…といったふう。これでも十分にいいリフレッシュになる。

国鉄時代からなお健在! 青春18きっぷ


青春18きっぷという実にありがたい商品がある。

名称こそ青春18だけど年齢制限はない。つまり、精神年齢が18歳前後であれば私のようなアラフィフやアラカンのおっさんでも在来線の改札を通していただける。自動改札は通れないので必ず駅員さんのいる改札を通る必要がある。

春夏冬の各シーズンの1ヶ月程度のあいだに合わせて5回(あわせて丸5日間)フリーパスとして利用できる(連続した日程でなくても構わない)。お値段は12,050円、1回(1日)あたり2,410円。東京発であれば土浦までの往復でトントン、水戸までの往復なら十分に元がとれているという超破格値のきっぷだ。

ただし特急には乗れない。昭和世代が特に注意しなければならないのは、新幹線網の充実によって並行する多くの区間が民営化され、青春18きっぷを利用できなくなった区間がかなり多くなってしまっていること。現在、敦賀(福井県)〜福井〜金沢〜富山〜直江津(新潟県)の在来線は別会社に民営化されていて、かつてJRで乗り通せた日本海側のルートは青春18きっぷでは利用できなくなっている

むかし名古屋〜東京間(正確な始発地は岐阜県の大垣駅)に「ムーンライトながら」という夜行快速が走っていて、青春18きっぷが使えたのでとても重用された。私自身も何度か乗り通したことがある。残念ながらこの夜行電車は季節運行に変わったのち、2020年3月で完全に打ち切られてしまって現在は走っていない。

ちょっと気分転換に出かけようと思ったのが金曜日。コンセプトは〝貧乏旅行〟なので、週末のホテル宿泊はちょっとお高い。ダメ元でさがしてみると、5,000円ほどで移動できる夜行バスの空席があったので、今回は青春18きっぷにちょっとだけトッピング。行き先はいつも東京ばかりになってしまいがちだったので今回は大阪発。

ハービス大阪のターミナルから「いしづちライナー」で愛媛をめざした(夜行は季節運行)

土産選びにもいまの暮らしが表れるものだ


青春18きっぷの5回分のうち1回を、私の住んでいる名古屋から大阪までの移動に使って(片道で利用するとほぼ収支トントン)、2日目に徹底的に恩恵に授かるというプランで移動した。

結局は、松山まで行って一六タルト買って、踵を返してただ帰るだけってふうな旅行になってしまったけれど、冒頭に書いたとおりでして私、列車に乗っていること自体がすでに楽しいと感じる人種。携えていたノートPCは充電のタイミングがなく、結局は旅程のまんなかあたりで文鎮鉄アレイ化してたし(笑)。

個包装のものを買った

ちょっと前までなら、どうせ一六タルトを買うのなら

https://www.itm-gr.co.jp/ichiroku  (一六本舗さん)より

これ丸ごと一本という一択だったはずなんだが。いや、いまや娘たちがまだ一緒に暮らしていたころではない。家内と2人で食べ切れるようなおみやげ…というふうに考えなくてはならなくなった、それが少しさみしくもある。

さすがに乗ってばかりで終わりというのはもったいないので、散策する時間をつくるために帰りにはちょっとだけ特急も利用している。その区間だけは(18きっぷを持っていても)特急券と乗車券の両方を買って乗ることになる。

特急だったら充電コンセントがあるんじゃないかって思って期待したのだけど、JR四国のスタイリッシュなこの特急、座席に充電コンセントは備えていませんでした。残念。

今回乗車したのと同じタイプの特急電車

修行度MAXの区間でふと考えていたこと


修行度MAXとは言うものの、背もたれがほぼ直角のボックスシートだった〝むかしの電車〟を思えば、ずいぶん楽な環境だと思う。いまや特急とまったく同じ、前向きのロマンスシート。特急とちがうのはリクライニングしないことぐらい。

Yahoo! 路線検索の一例

新快速(兵庫県から滋賀県まで)はちょうど夕方に近畿圏通過だったので、結果的には2人がけシートの隣には常に誰かが座っていた。この区間を乗り通す人ってのは、私のような変わり者しかいないはずだけど … 私はさすがに隣り合わせた人に話しかけるような勇気のない小心者。隣り合わせた方々のスナップを撮らせてもらってお話を伺うみたいなことができれば面白いのかもしれないなとふと思ったり(タレントさんだったらテレビでそういう企画とか作れそう)。

明るいうちは隣り合わせているのが部活帰り?の学生さんだったり、夕方はスーツ姿のサラリーマンだったり。年齢層も老若男女まさにバラエティーに富んでいる。社交的な人だったら隣り合わせた方々と交わしたお話だけで、何かひとつのドラマが出来上がるかもしれないな。でも、そういうことをするのも難しい時代になったし、案外こうして「記録することもしないただの偶然」を楽しむのも悪くない。

ひとりで机の前にすわって無為な時間をすごすよりはずっといい。

何の変哲もない旅はあっけなく終わった


いわゆる〝感傷旅行〟ならば、数日ぐらいかけて出かけるものだろう(か?)。別に感傷旅行ではなく、日常と日常のあいだをパテで埋めるような旅でしかない。

いい歳こいて、何が感傷旅行なんだかと一瞬笑いとばしてみたけれど、今すぐにってのは無理だけどそういう旅を一度ぐらいはしてみたいかもと思い直した。まだ自分を甘やかす境遇ではないから、もう少しだけ先になりそうだけど。1週間ぐらいかけて、北海道にせよ九州にせよ四国にせよぐるっと一周するぐらいのゆったりした旅行がしたいものだ。

ただ…あまり豪遊ってのには関心がない。
日本経済にあまり貢献しなさそうな旅になってしまうんだろうな。

このごろ、何かから逃げているかのような気分にしばしばなる。久々の夜行バスだったものの、どうやら体力はまだ大丈夫みたいだ。頑張らなくてはならないことが山ほどあるけれど、しっかりしなくてはならないや。

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