【発声タイプ】FLIP

今回は発声タイプの一つFLIPについて解説していきます。

こちらの特徴としては名前の通り声がひっくり返ってしまう事です。
このタイプは比較的低音から高音まで得意ですが、
ある特定の音域帯になると途端にひっくり返ってしまいます。

その原因ですが、よくある原因として2つあります。


まず1つ目ですが、地声の筋肉(甲状披裂筋:以下TAと呼称)や裏声の筋肉(輪状甲状筋:以下CTと呼称)のアンバランスが考えられます。

このTAとCTは拮抗筋の関係にあります。(・・・・腕で例えれば曲げる筋肉と伸ばす筋肉のように相反する作用をする関係)
歌う際(音程を高低させる)には声帯を縮めながら伸ばすという非常に難しく繊細なコントロールを行う必要があるのですが、その際にどちらか一方の筋肉にバランスが傾いてしまう事でFLIPが起こってしまいます。

2つ目に考えられる原因ですが、声帯の声門閉鎖を起こす筋肉(外側輪状披裂筋:以下CLAと呼称)の不足が考えられます。

声は肺から送られてくる呼気を声帯が受け止め震える事で発生するのですが、この受け止める際に上記CLAの力が不足し耐えきれず声門が開いてしまいひっくり返るケースがあります。


この辺りのどちらが原因となっているか見極めが難しい点でありますが、
今まで診てきた生徒さんたちのケースを振り返ると往々にしてCLA側に原因があるケースが多い様に思われます。

その対策と練習方法に関しましてはまた別の機会に綴ります。
ではまた次回!

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