見出し画像

外側輪状披裂筋(Lateral CricoArytenoid muscle:LCA)について


今回は発声する際に於いて大事な要素である声門閉鎖に強く関わる外側輪状披裂筋(以下LCA)についてです。

この筋肉は輪状軟骨と披裂軟骨の間にある筋肉で、収縮(緊張)した際に声帯を内転させ声門閉鎖を起こします。
※他にも横披裂筋という声門閉鎖に関わる筋肉がありますが今回は割愛します。


【声門・開大時】

外側輪状披裂筋2


【声門・閉鎖時】

外側輪状披裂筋1


基本的に声は声門(声帯)が閉じている時に音が鳴りますので、このLCAがしっかり動いていないとそもそも声が鳴りません。
また高音発声に於いてCTの活動が優勢になってくると声門は開いていく傾向がある為、LCAの関与は大事な要素になってきます。

そしてLCAの活動が不足した場合は息漏れのする声やひっくり返ったりする声の原因になります。

これはLCAに限った話ではなくTAやCTでも同様なのですが、それぞれの筋肉が不足した際は別の筋肉が代償として補う働きもあります。
ただその場合往々にしてデメリットがあり、LCA不足の場合は咽頭を上げる事で声門閉鎖を補えるのですが声質の変化を伴ってしまいます。

またLCAの活動が過剰であれば声帯振動に悪影響を及ぼしますし、声帯同士が強く摩擦を起こし炎症、最悪は結節(ポリープ)の原因ともなります。


以上の様にLCAは歌唱時非常に重要な働きをする要素の1つです。
是非歌が上手くいかない際、原因の一つの要素として考えるようにしてみてください。

ではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?