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フェスアプリのデザイン - 日本のフェス編

冬。それは抑鬱の季節。ここで一発ぶりひさのnote決めるで...。

UIディッザイナッのわたしは国内外のフェスにちょくちょく行きます。そういうときに気になるのが、そのフェスのアプリ。海外フェスはオフィシャルでアプリがリリースされているものが多く、これが結構便利なのです。この間の香港Clokenflapもアプリに結構助けられた。

今回は、日本のフェスはどうだったかなと思って調べた結果を簡単にまとめます。

もくじ
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL
- Jフェス
- FUJI ROCK FESTIVAL
- SUMMER SONIC TOKYO
- RISING SUN ROCK FESTIVAL
- ULTRA
- 雑感
  - メニュー
  - アプリいるの

前回これな↓

ROCK IN JAPAN FESTIVAL

日本のフェスアプリのロールモデルと言える、丁寧に作られたアプリです。初回立ち上げ時にはアンケートが表示されます。タブバーは、ホームアーティストタイムテーブル飲食店エリアマップ。ホームの中にサブメニューとして、グッズフォトフレームクイックレポートが用意されています。

アーティストでは、各アーティストページからマイタイムテーブルへの登録、アラーム登録(30分前~5分前)が可能。またクイックレポート、プロフィール(rockin'on.comのアーティストページを表示)があるのはさすがメディア。タイムテーブルではステージの並び替えができ、拡大縮小も可能。「使い方」をタップすればコーチマークが表示される。できることいっぱいだけど、綺麗にまとまっています。THE GUILDのお仕事? が〜さす〜💃

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同じrockin'on系列のJAPAN JAM(2018)、COUNTDOWN JAPAN(2017/18)のアプリも同様の設計で.....なんて下書きを温めているうちにrockin'on系列のフェスをまとめたJフェスなるアプリがリリースされていました。

Jフェス

タブバーはホームビデオラインナップガイドその他ラインナップガイドでは、ナビゲーションバーの右上でフェスの切り替えができる。フェスによってガイドの内容は異なり、チケットグッズマップ飲食店が表示されます。マップは日本のフェスアプリではじめてみる? Googleマップに重ねるやつ。JAPAN'S NEXT 渋谷JACK 2018 WINTERはライブハウスなのでシンプルですが、この手のマップは海外フェスではよくある。

情報がまとまっていて便利そうだけど、実際フェスに行くときは単体のアプリのほうが使いやすいそうな気が......ユーザーの反応が気になる。

ホームビデオはおもしろい。この二箇所はフェスの切り替えがなく、時系列でコンテンツが並んでいる。例えば、JAPAN'S NEXTに行こうと思っている人でもCDJの情報は表示されます。フェスとフェスの間、特定のフェスの開催期間外もデザインしよう、という試みのように感じます。コンテンツを持っているrockin'onならでは。

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THE GUILDの方が書いていたのはこのアプリだったのですね? スタッフどれくらいいるんだろう。

そんなご縁・流れもあって、僕が日本に拠点を戻した2016年以降、ロッキング・オンさんと一緒に取り組んで来たのが、昨年ローンチした rockinon.com と、その後にスタートした、この「フェスアプリ」プロジェクトです。昨年後半から「これからのあるべき音楽体験とは」を考えながら、次代のフェスアプリの骨格をつくっています。

次代のフェスアプリをつくる

FUJI ROCK FESTIVAL

フジロックのアプリはiFLYER製。オフィシャルというより、公認アプリ。昔ながらのウェルカムページ、矢印をタップすると現れるメニューリスト、マイタイムテーブルを作るにはサインアップ必須……ちょっとしんどい作り。目的は遥か彼方。ユーザーが見たいものは全画面のイメージムービーでも、メニューリストでもないはず。参加予定者数のランキングがあるのは面白いと思ったけど、中身は普通だからあんま意味なさそう。

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幸いフジロックは、有志によってシンプルで使いやすいアプリがリリースされています。FRF18TTFRF APPといったアプリはタイムテーブルの閲覧、マイタイムテーブルの作成に特化しており使いやすく、いつもお世話になっております。レビューも優しい世界に包まれています。

これが「共創」か...。

SUMMER SONIC TOKYO

おう。

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RISING SUN ROCK FESTIVAL 

公式サイトのクリエイター一覧によると、2018年のアプリは株式会社ノースグラフィックが開発、デザインは株式会社エイプリル

アプリを立ち上げると20周年を記念したビデオが再生される。ビデオが終わる(スキップする)とスプリングボードが現れる。タブバーかと思いや、リンクだった。なおこのビデオはアプリキルすると再び現れる。

RIJと同じく、タイムテーブルではステージの並び替えができ、コーチマークもいつでも見られる。マップには「移動時間の目安」「アイコンについて」があり、丁寧。レストラン・ショップにもかなりの力の入れよう。メニューやエリアで絞り込み検索ができる。アレルギー表示、メニューが見られるのも素晴らしい。インフォメーションは基本ウェブビュー。

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ULTRA

世界のULTRAがまとめられたアプリ。タブバーっていうか“アダプティヴ・メニュー・バー”とされているものがあり、ぱっと見たところ最大7つの項目があるようです。

ULTRA PASSPORTというのがあると良さそう。

ナビゲーションバーの右上から各国のULTRAに切り替えられますが、事前に設定で追加しておく必要があります。

なんかよくわがんね。2017年のアプリのほうがよかったじゃねえか。

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フェスがゲシュタルト崩壊してきた。ここで挙げたフェス以外にもViva La RockやGreenroomにもアプリはあります。イープラスが出しているフェスアプリ FesPlus なんか、あらゆるフェスがまとまっていてタイムテーブルも見られる。頑張りやさんだね。

しかし、こうしてひとつひとつ触ってみると、思うことがいくつかでてくる。

メニュー

まずどこかでメニューリストが見たいわけじゃないと書いたが、実際にアプリ作ろうと考えていくとホームのデザインは難問だ。アプリに求められているものはタイミングによって違う。開催前ならラインナップやニュース、開催直前はタイムテーブルやグッズで、開催中はマイタイムテーブルかもしれない。そう考えるとスプリングボードやメニューリストはそんなに悪いアイデアではないかもしれない。最適解って気もしないけど。PocketやTweetBotのようにタブバーの項目を切り替える力技もあるけど、はたして...。

海外フェスではドロワーを採用しているケースも多い。というかあるグループの海外フェスは特定のツールで作られたものが多く、中身が違うだけで側は似たようなもの。このあたりは次のnoteで解説する。

ついでに書くと、海外フェスでは、アカウント作成(ウェブサイトと連携)、リストバンド認証、インタラクティブマップ、Spotify連携などがある。会場では混雑でネットつながらなくなって使えない機能もあるけど(あれ現地の人は繋がってるのよね?)。

アプリいるの

そもそもフェスにアプリが必要なんだっけ問題というはある。小規模〜中規模では作る体力もないし、やるならiOSとAndroid両方必用だし。ウェブサイトがしっかりしていれば、体験はマイナスにはならない。別にアプリがあるからといってチケットが売れる! というわけでもない。

でもアプリがあって、そしてそれが作り込まれていれば、そのフェスのロイヤリティは爆アゲだよね。実際マイタイムテーブルと通知はめちゃ便利。また、開催期間以外もユーザー体験をデザインできれば素晴らしい。フェスなんて開催されていない期間のほうが長いのだから。

これが一番大事なトピックだと思うけど、長くなりそうだから次回にまわす。

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ということで後半に続く! 次回は海外フェスのアプリとその周辺事情、どう作ろう?って話。あとこれは昔やったフェスちっくなやつ。このときに構想してたことも織り交ぜながら。

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いわゆるフェスシーズンは落ち着いたけど、音泉温楽、RADIO CRAZY、COUNTDOWN JAPANなど今年のフェスはまだまだあります。

海外に目を向ければインドネシアDWP、タイWonderfruit、オーストラリアBeyond The Valleyとまだまだビッグフェスが開催されますね。

DWPは行く。チケットは買った。iFLYERでな。

次回


また一歩、天国に近づくのです...💃